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OUR-EXISTENCE.NET 特定のものと一般のもの(日本語訳)
この著作では、この『特定のものと一般のもの』をこの著作と呼び、この著作と『生存と自由』、『生存と自由の詳細』、『それぞれの国家権力を自由権を擁護する法の支配系と社会権を保障する人の支配系に分立すること』、『感覚とイメージの想起』、『自我と自我の傾向』、『悪循環に陥る傾向への直面』をこれらの著作と呼ぶことにする。
物質、物質機能、身体、身体機能、神経系、神経機能、神経細胞、神経細胞の興奮伝達、分子、原子、原子核、中性子、陽子、電子、万有引力、静電気力、磁力…などを「ものそのもの」と呼べる。それに対して、光景、音、臭い、めまい、味、痛さ、暑さ、寒さ、動悸、息苦しさ、飢え、渇き、吐き気、イメージ、アイデア…などを「心的現象として現れるもの」、現象として現れるもの、現れるものと呼べる。
空間的広がりをもつ、または、平面である、または、点である、かつ、時間的広がりをもつ、または、瞬間であるものを「空間的時間的なもの」と呼べる。例えば、物質は空間的時間的なものである。また、両眼で視覚で現れる光景、両耳で聴覚で現れる音源…なども立体的であり空間的広がりをもち、心的現象として現れるものの中にも空間的時間的なものがある。また、時間的空間的なものではないが、時間的空間的なものがもつものを、その空間的時間的なものの「属性」、それがもつ属性、それに帰属する属性と呼べる。例えば、すべての物質は万有引力を属性ともつ。また、視覚で現れるものは色と明るさを属性としてもつ。空間的時間的なものの属性が、空間的時間的なものでないものをもつことがあり…と続くことがある。例えば、物質の属性である万有引力は方向と大きさを属性としてもつ。それらを属性の属性…などと呼べる。
この物質、この身体、この人間、わたし、あなた、彼女、この空間、昨日、今日、明日、現在、この光景、このイメージ、このアイデア…などを「特定のもの」と呼べる。
複数の特定のものが同一の属性をもつことがある。言い方を替えると、一つの属性が複数の特定のものに帰属することがある。例えば、万有引力、速度、加速度、エネルギーなどはすべての物質に帰属する属性である。また、色、明るさはすべての光景、つまり、視覚で現れるものに帰属する属性である。
いくつかの属性をもつ特定のものの集合のほとんどは既に普通名詞で指されている。例えば、既に、ものそのものに含まれる、空間時間的なものに含まれる、分子、原子、電子、原子核、陽子、中性子などのより小さな粒子とそれらの属性から構成されるといういくつかの属性をもついくつかの特定のものの集合を「物質」という普通名詞が指す。普通名詞によって指されるいくつかの属性をもつ特定のものの集合を「一般の(普通名詞)の集合」、(普通名詞)の集合、一般の(普通名詞)、(普通名詞)と呼べる。例えば、前述の属性をもち物質という言葉で指される特定のものの集合を一般の物質の集合、物質の集合、一般の物質、物質と呼べる。
それに対して、いくつかの属性をもつ特定のものの集合のいくつかは未だ普通名詞で指さされていない。例えば、心的現象として現れるものに含まれる、空間的時間的なものに含まれるという属性をもつ特定のものの集合を指す普通名詞は未だない。そのような集合は「一般の(属性のいくつかを指す名詞句)の集合」、(名詞句)の集合、一般の(名詞句)、(名詞句)のような言葉で指せる。例えば、前述の集合を一般の現れる空間的時間的なものの集合、現れる空間的時間的なものの集合、一般の現れる空間的時間的なもの、現れる空間的時間的なものなどの言葉で指せる。
普通名詞または属性のいくつかを指す名詞句を、XXX, YYY,…などで表現することにする。すると、XXXで指されるいくつかの属性をもつ特定のものの集合を一般のXXXsの集合、XXXsの集合、一般のXXXs、XXXsと呼べる。
一般のXXXに対して、一般のXXXの集合に要素として属する特定のものを「特定のXXX」と呼べる。例えば、一般の物質の集合に要素として属する特定のものを特定の物質と呼べる。
それらのいずれかがなければもはやXXXがXXXと見なされないような属性をXXXの「必然的属性」、XXXにとっての必然的属性と呼べる。数学ではXXXの必然的属性をもってXXXを定義することが多い。そのような定義を「属性による定義」と呼べる。
だが、普通名詞で指されているが、必然的属性を挙げることが不可能なものがある。例えば、空間、時間の必然的属性を挙げることは不可能である。そのようなものは、それ以外を決して指さない具体例によって定義せざるをえない。例えば、時間を過去と現在と未来として定義できる。そのような定義を「具体例による定義」とも呼ぶことにする。例えば、繰り返すが、光景、音、臭い、めまい、味、痛さ、暑さ、寒さ、動悸、息苦しさ、飢え、渇き、吐き気、イメージ、アイデア…などを「(心的現象として)現れるもの」と呼べる。
いくつかの必然的属性(a)をもつ一般のXXXの集合はそれらの属性(a)と他のいくつかの属性(b)を必然的属性としてもつ一般のYYYの集合を含み、YYYはそれらの必然的属性(a)と(b)と他のいくつかの属性を必然的属性としてもつ一般のZZZの集合を含み…と続く。例えば、ものそのものに含まれる、空間的時間的なものに含まれる、より小さな粒子とそれらの属性から構成されるという属性をもつ一般の物質の集合はそれらの属性と、タンパク質、脂質、糖質…などの高分子から構成される、自身と同じ必然的属性をもつものを再生する…などの属性をを必然的属性としてもつ一般の生物の集合を含む。
一般のXXXの集合を「種類」としてのXXXの集合、種類としてのXXX、XXXという種類などとも呼べる。一般のXXXの集合を一般のXXXの「全体」、XXXのすべて、すべてのXXXとも呼べる。一般のXXXの集合が一般のYYYの集合を含むことを、XXXがYYYを(種類として)含むこと、YYYがXXXの(種類としての)「部分」であること、YYYがXXXの一種であること、とも呼べる。例えば、一般の物質の集合が一般の生物の集合を含むことを生物が物質の一種であることとも呼べる。物が他の物に種類として含まれることは物が空間的または時間的に他の物に含まれることと区別される。
一般のXXXの集合が一般のYYYの集合と一般のZZZの集合を含み、YYYとZZZが重複せず、YYYとZZZの和集合がXXXと同一であることを、XXXがYYYとZZZに(種類として)(完全に)区別されることと呼べる。例えば、時間と空間を除くものは現れるものとものそのものに種類として完全に区別される。
すべての一般のXXX、YYY、ZZZ…の集合の和集合を「一般のものの集合」「一般のもの」「(種類としての)ものの集合」「(種類としての)もの」と呼べる。それに対して、一般のものの集合の要素を「特定のもの」と呼べる。
ものという言葉をXXX、つまり、普通名詞または属性のいくつかを指す名詞句で置き換えると、XXXはものに含まれる。例えば、物質はものに含まれる。ものという言葉をいくつかの修飾語が修飾すると、「修飾されたもの」という言葉が指すものはものに含まれる。例えば、ものという言葉を「現れる」という言葉が修飾すると、現れるものはものに含まれる。「修飾されたもの」のという名詞句の中の「もの」という言葉をXXXで置き換えると、「修飾されたXXX」という言葉が指すものは「修飾されたもの」という言葉が指すものに含まれる。例えば、「イメージとして現れるもの」という名詞句の中の「もの」という言葉を「自己」という言葉で置き換えると、イメージとして現れる自己はイメージとして現れるものに含まれる。
集合、要素、含むこと、含まれること、全体、部分、大別、区別、構成などは、種類としてのそれら、空間的それら、時間的それら、空間的時間的なそれらを含む。例えば、固体、液体、気体は物質の種類としての部分である。また、海、地殻、地核、大気は地球の空間的部分である。また、過去の地球、現在の地球、未来の地球は地球の時間的部分である。また、西洋の近現代史は世界史の空間的時間的部分である。だが、種類としての、空間的、時間的、空間的時間的…などの修飾語をいつも用いていると文章が煩雑になる。それらの修飾語を用いなくても、それらのどれを指すかは文脈から明らかなことが多い。だから、それらが文脈から明らかなときはこれらの著作ではそれらの修飾語を省略することにする。
空間と時間を除くものは、ものそのものと心的現象として現れるものに、完全に区別されるが、この著作で説明したことはすべて、それらの両方に当てはまる。