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[1]条件文全般
[1-1]条件文の構造。前提節(条件節)と帰結節からなる。
[1-2]前提節では通常、否定文、疑問文でも使われる any, ever, yet が使われる。
If you ever have any trouble, let me know.
何か困ったことがあったら、知らせてください。
[1-3]前提節が「単純未来形」になることはない。だが、前提節が未来のことを表すことはよくあり、直接法では現在形が、仮定法では、If S were to不定詞、If S should 原形不定詞 が用いられる。
If it rains tomorrow, he will go to work by car.
もし、明日、雨が降れば、彼は車で仕事に行くだろう。
[1-3-1]同様に時の接続詞 when などにおいても従属節が単純未来形になることはない。
Give me a call next time you come to Japan.
今度日本に来られるときには電話をしてください。
[1-3-2]それらはあくまでも「単純未来形」になることはないのであって、意志を表す will などが前提節で用いられることはある。
If you will come with me, (you will find) your car is waiting.(一番目の will は意志を表す will)
ご一緒においでください。お車がお待ちしております。
[1-4]条件文で前提節が先行しなければならない場合
[1-4-1]修辞的条件文のうち帰結節にありえないことをもってくることによって前提節を強く否定する場合。
If she is beautiful, then I'm Marilyn Monroe!=
She cannot be beautiful.
彼女が美人なら、私はマリリン・モンローだ。
×I'm Marilyn Monroe if she is beautiful.
[1-4-2]勧誘表現で。
If you drop in this afternoon, we'll have tea and play chess.
あなたが今日の午後に来たら、お茶を飲んでチェスをしましょう。
[1-5]条件文で前提節を後回しにしなければならない場合
[1-5-1]修辞的条件文のうち前提節に当然のことをもってくることによって帰結節を強く肯定する。
He's ninety if (he's) a day.=
He must be ninety.
彼が生後一日であることが確かなように彼は90歳だ。
×If he's a day, he's ninety.
[1-6] if not と unless の違い。If not ではそれ以外の可能性を想定していない。それに対して、unless ではそれ以外の可能性を想定している。unless の導く節の中では any, ever, yet などの否定文で使われる語句が用いられず some, sometimes, still などの肯定文で使われる語句が用いられる。unless は偽であることが明らかな前提をすることができない、つまり、仮定法過去・過去完了で用いられない。
I'll be glad if she doesn't come this evening.(彼女が今夜以外に来る可能性を想定していない)
彼女が今夜来なければ、私はともかくうれしい。
I'll be glad unless she comes this evening.(彼女が今夜以外に来る可能性を想定しており、例えば、明日の夜に来てもよい)
彼女が今夜以外に来れば、私はうれしい。
I won't phone you, unless /something/×anything/ unforeseen happens.
何か不測の事態が生じるのではない限り、私はあなたに電話をしない。
[2]条件文の分類
[2]条件には開放条件と却下条件がある。話し手にとって真か偽か不明である条件を開放条件と呼ぶ。それに対して、話し手にとって偽であることが明らかな条件を却下条件と呼ぶ。
[2-1]開放条件による条件文。基本的に前提節で直接法を用いる。法律文などの格式体では前提節で仮定法現在を用いることがある。
If you see her, give her my regards.(前提節は直接法)
彼女と会ったら、よろしく伝えてくれ。
If any person be found guilty, he shall have the right of appeal.(前提節は仮定法現在)
何人も有罪となった場合は控訴する権利をもつ。
If you ever have any trouble, let me know.(前提節は直接法)
いつでも何か困ったことがあったら、私に知らせてください。
[2-1-1]どのような言葉も話し手の主観的判断に基づいて発せられるのだが、話し手が前提節にも帰結節にも主観的判断に基づくことを表さないことがある。
If he was there, he saw the accident.
もし彼がそこに居たのなら、彼はその事故を見たのだ。
上の文は明らかに話し手の推測に基づいているのだが、話し手はそのことを表していない。だから、不自然な文になる。もし、推測に基づくことを表すなら以下のようになる。
If he was there, he /must/should/ought to/have seen the accident.
[2-1-1-1]前提節と帰結節の全体の内容が普遍的に真であることがある。この場合は不自然な文にならない。if を when, whenever で置き換え可能である。
/If/when/whenever/ you boil water, it vaporizes.
水を沸かすと蒸発する。
/If/when/whenever/ oil is mixed with water, it floats.
油は水に混ぜると浮く。
If it's June 10, it's her birthday.
今日が7月10日なら彼女の誕生日だ。
[2-1-1-2]人、物の傾向、習性、習慣により前提節と帰結節の全体の内容が個別的に真であることがある。この場合も不自然な文にならない。when, wheneverで置き換え可能。
If it rains, he goes to work by car.(現在の習慣)
雨が降ると彼は車で仕事に行く。
If it rained, he went to work by car.(過去の習慣)
雨が降ると彼は車で仕事に行った。
If it rains tomorrow, he will go to work by car.(未来の習慣)
もし、明日、雨が降れば、彼は車で仕事に行くだろう。
上の文では話し手の推測が表されているように見えるが、そうではなく、話し手は単純な未来のこととして語っている。
このように通常、条件文全般で、前提節では「未来形」は用いられない。帰結節では単純未来形が現れることがある。
[2-1-2]帰結節に話し手の主観的判断が入っていることを話し手が敢えて表すことが多い。帰結節に 助動詞が入るか、推測、未来を表す慣用表現が入るか、帰結節が命令文、疑問文、感嘆文になる。
If he was there, he must have seen the accident.
彼がそこにいたのなら、その事故を見たにちがいない。
If he left home one hour ago, he should have arrived at the office by now.
彼が1時間前に家を出たのなら、もう会社に着いているはずだ。
If he was downstairs, why didn't he answer the bell.
彼が下にいたのなら、どうして呼び鈴に出なかったのだろう。
[2-1-2-1]未来の予想も含まれる。この場合も前提節は現在形である。
We are going to find ourselves in difficulty if we go on like this.
こんなことをしていると困ったことになるだろう。
I'll tell her if I see her tomorrow.
明日、彼女に会ったら、話しておきます。
[2-1-2-2]判断に対する確信の強さは、現在形/must/should/be going to/will/may/mightの順に弱くなる。
If you do, you're a dead man.(現在形)
そんなことをしたら命はないぞ。
If he left at six, he should get there soon.(should)
彼は、6時に出たのなら、まもなくそこについているはずだ。
[2-1-2-3]未来について真偽が不明だが、真であることがかなり疑わしいとき、前提節で should または were to不定詞 を用いる。
[2-1-2-3-1]前提節で should を用い、帰結節で直接法または仮定法過去を用いる。
[2-1-2-3-2]前提節で were to不定詞 を用い、帰結節で仮定法過去を用いる。should よりさらに真であることが疑わしい前提をする。略式体では was to不定詞も用いられる。
What would you do if war were to break out?
もし戦争が起これば、あなたはどうしますか。
[2-1-3]前提節の中に以下のような控えめな表現が入ることがある。
If I may say so, the dress doesn't become you.
失礼だが、そのドレスは君に似合わない。
I first met her in London, if I'm not mistaken.
私が間違っていなければ、私は彼女とロンドンで初めて会った。
They had three children, if I remember rightly.
私の記憶が正しいなら、彼らには三人の子供がいる。
Where's he now, if you know?
知っているなら教えてほしいのだが、彼は今どこにいるの。
His style is florid, if that's the right word.
彼の流儀は、何と言ったらいいだろう、流暢だ。
[2-1-4]主節で I say などが省略されている唐突な表現がある。
If you want beer, (I say) it is in the refridge.
ビールが欲しいなら、冷蔵庫にあるよ。
[2-1-5]修辞的条件文。開放条件を挙げるように見えて、実際には強い断定になるもの。
[2-1-5-1]前提節が強い否定的断定になるもの。この用法では 前提節が先行しなければならない。
If she's beautiful, then I'M Marilyn Monroe!
彼女が美しいというのなら、さしずめ私はマリリン・モンローよ。(彼女は決して美しくない)
If he's intelligent, then I'm Albert Einstein!
彼が聡明と言うなら、さしずめ私はアルバート・アインシュタインだ。(彼は決して聡明でない)
[2-1-5-2]帰結節が強い肯定的断定になるもの。この用法では帰結節が先行しなければならない。
He's ninety if he's a day.
彼が生後一日であることが明らかなように、彼は明らかに90歳だ。
[2-1-6]前提節に happen to を用いることによって条件の実現可能性を弱めることができる。
If it happens to rain, I'll stay home.
もしたまたま、雨が降れば、家に居ます。
[2-2]却下条件による条件文。話し手にとって偽であることが明らかな条件を却下条件と呼ぶ。前提節で非現実を挙げ、帰結節で非現実の推測、意志、可能性などを表す。前提節でも帰結節でも仮定法過去または仮定法過去完了が用いられる。これが次章の狭義の仮定法である。
[2-3]仮定法を用いた控え目な表現。仮定法が用いられるが、「もし私が依頼することが許されるなら~」「もし私が推測することが許されるなら~」というような控え目な表現になる。非現実を表さない。これは次次章で説明する。
[3]非現実を表す仮定法過去・過去完了
[3]非現実であることが明らかなことを前提節で挙げ、帰結節でそれに対する話者の非現実的な情動・知覚・連想・思考を明らかにする。前提節で、現在の非現実を挙げるときは仮定法過去(動詞または助動詞の過去形)を用い、過去の非現実を挙げるときは仮定法過去完了(had 過去分詞または助動詞の過去形 have 過去分詞)を用い、帰結節が、現在の非現実になるときは仮定法過去(助動詞の過去形)を用い、過去の非現実になるときは仮定法過去完了(助動詞の過去形 have 過去分詞)を用いる。
[3例外]
過去のことを描写する文章の中で単なる時制の一致によって前提節が過去形または過去完了形になることがあり、これは仮定法過去または過去完了ではなく、非現実を表すのではなく、帰結節には必ずしも助動詞の過去形(+have+過去分詞)は現れない。
例えば、過去形を貫く小説の中で、
If they were there, the police intended to intercept them.
彼らがそこにいるなら、警察は彼らを捕らえるつもりだった。
If they had not aleady come and gone, the police intended to intercept them.
彼らがまだやって来て去ってしまっていないなら、警察は彼らを捕らえるつもりだった。
[3-1]仮定法過去・過去完了において帰結節または前提節において用いられる助動詞とその意味。
could would(shouldは英のみ) might
非現実を表す 能力、可能性 意志、推量 可能性、推量
控えめ表現 能力、可能性 意志、推量 可能性、
許可、推量 許可、推量
つまり、非現実を表す could に許可、推量の意味はなく、非現実を表す might に許可の意味はない。昔は be 動詞として was ではなく were が使われていた。現代でも稀に were が使われることがある。また、特殊な慣用的表現に残っていることがある。
If I were you, I would see the doctor.(前提節は現在の非現実、帰結節は現在の非現実的な意志)
私があなただったら、医者に診てもらおう。
If I knew her number, I could phone her.(前提節は現在の非現実、帰結節は現在の非現実的な可能性)
私が彼女の番号を知っていたら、電話を掛けられるのだが。
He could have gone to the party if he had been invited.(前提節は過去の非現実、帰結節は過去の非現実的な可能性)
招待されていたら、彼はパーティーに行けただろうに。
If he had kept his cool, the German would be here today to make his report in person.(前提節は過去の非現実、帰結節は現在の非現実的な推測)
もし冷静さを失っていなかったら、あのドイツ人は今日、ここにいて自分で報告するだろう。
If it were not for immense number of the eggs, the herring would long ago have become quite extinct.(前提節は現在の非現実、帰結節は過去の非現実的な推測)
もし膨大な数の卵がなかったら、ニシンはとうの昔に絶滅していただろう。
[3-1-1]前提節において助動詞の過去形が出現することも可能である。前提節において動詞の過去形または過去完了形のみが出現するのではない。
I would have cried out if I could have done so.(前提節は過去の非現実の可能性、帰結節は過去の非現実的な推測)
それをすることができていたら大声を出していただろう。
[3-1-2]前提節が過去の非現実で仮定法過去完了で帰結節が現在の非現実で仮定法過去、前提節が現在の非現実で仮定法過去で帰結節が過去の非現実で仮定法過去完了ということはありえる。
If I had caught that plane yesterday (仮定法過去完了), I would be dead now (仮定法過去).
もし昨日、その飛行機に間に合っていたら、私は今、死んでいただろう。
If he was a tall man (仮定法過去), He would have become an actor (仮定法過去完了).
もし彼の身長が高かったら、彼は俳優になっていただろう。
[3-2]だが、仮定法過去過去完了が、現実性に係わりなく、純粋な仮定で使われることがある。
If you had a million dollars, what would you do?
かりに100万ドルあったら、どうしますか。
[3-2-1]さらに譲歩を表すことがある。
It was a short interview, if there were any interview at all.
たとえ会見があったとしても、それは短い会見だった。
[3-3]仮定法過去が未来の非現実を表すことは可能である。
If I had money enough tomorrow, I /would/should(英)/ pay you.
もし明日十分なカネがあれば、お支払いしますが。
[3-4]未来にありそうもないことを表す特殊な表現として①if ... should ... と ②if ... were to ... がある。①②で帰結節に仮定法過去だけでなく、直接法が用いられることがある。ともに実現する可能性が低い未来のことを前提するが、②のほうが実現する可能性が低い。
If his aunt should die, he /will/would/ be the last person to bear that family name.
もし彼の叔母さんがしんだら、彼はその姓をもつ最後の人になるだろう。
Who gets your money if you were to die?(帰結節で直接法が用いられることがある)
もしあなたが死ぬようなことがあれば、あなたのお金は誰が受け取るのですか。
[3-4-1]上記以外の if ... were to ...の意味用法
[3-4-1-1]直接法で過去の意志を表す。単数主語では was になる。
If they were to take their children to the seaside resort, they ought to have reserved three rooms.
子供たちを海に連れて行くつもりだったのなら、彼らは部屋を三つ予約しておくべきだった。
[3-4-1-2]仮定法過去で意志、それから発展して依頼を表す。
If you were to move your chair a bit, we could all sit down.
もし椅子をもう少し動かしてもらえると、私たち皆が座れるのですが。
[3-5]仮定法過去全般において、前提節の中で was ではなく were を使用するのは格式体である。略式体では if I were you, if S were to-, if it were not for -, as it were などの慣用表現を除いて was を用いる。
I'd go myself, if I was any use.
何かお役に立つなら私が参ります。
If I was at home now, I would be watching TV.
今、私が家に居たら、テレビを見ているだろう。
[3-6]現在の事実に反することを表すのに、仮定法過去完了を用いることがある。それによって事実に反することを強調する。
Had she lived in our time, picture postcards might have been sold of her as a general.
彼女が現代に生きていたら、将軍としての彼女の絵葉書が売り出されていたかもしれない。
I wish I had been rich enough to give you the money.
そのカネをあなたに上げられるほど金持ちだったらと私は思う。
[3-7]譲歩を表すのに仮定法過去を用いることがある。
Even if I had met with you, I would not have fallen in love with you.
たとえあなたと会っていたとしても、恋に落ちることはなかっただろう。
[3-8]前提節または帰結節の中に非現実でない節があるとき、それを直接法にすることがある。
I wish I had known then what I know now.
いま知っていることをあのとき知っていたらなあ。
[3-9]慣用的表現。If I were you, if it were not for, if it had not been for, if S should, if S were to, などがある。このように慣用的表現では was ではなく were が使われることが多い。
If it were not for immense number of the eggs, the herring would long ago have become quite extinct.
もし膨大な数の卵がなかったら、ニシンはとうの昔に絶滅していただろう。
[4]非現実を表さない仮定法過去・過去完了
[4]仮定法過去、過去完了が、非現実を表すのではなく、「もし私が推測することが許されれるなら、申し上げます」「もし私が望むことが許されるなら、お願いします」というような控え目な心情を表すことがある。
[4-1]控え目な推量。推量を表す助動詞 can, may, will, shall(英) の過去形(仮定法過去) could, might, would, should で現在のことがらについての控え目な推測を表す。また、それら+have 過去分詞(仮定法過去完了)で過去のことがらまたは過去、現在はもちろん未来を含む基準時までに完了していることがらについての控え目な推測を表す。非現実を表すのではない。
It could rain this afternoon.
午後は雨になるかもしれない。
They might have lost the game.
彼らは試合に負けたのかもしれない。
[4-2]可能性、許可、意志などを表す can, may, will, shall(英)の過去形(仮定法過去) could, might, would, should で現在の控え目な依頼、許可、勧誘などを表す。非現実を表すのではない。
I would do that for you.(控え目な意志→提案)
私はそれをしてあげます。
Would you let me have a match?(控え目に相手の意志を尋ねる→依頼)
マッチを貸してもらえませんか。
Would you like some peas?(控え目に相手の意志を尋ねる→勧誘)
マメはいかがですか。
/Could/Might/ I ask the President a question.(控え目に許可を求める)
大統領に質問してよろしいでしょうか。
[5]変則的な条件文
[5-1]前提節が省略されるまたは他の語句が前提節を代用することがある。
[5-1-1] Were S, Should S, Had S, 稀に Could S, Might S, Did S の形の倒置で if 節を代用する。
If it were not for your help, I would fail.→
Were it not for your help, I would fail.
もしあなたの助けがなかったら、私は失敗するでしょう。
Were she my daughter, how happy I would be!
彼女が私の娘なら私はどんなに幸せだろうか。
Had you been a little more patient, he could have been peusuaded to do it.
君がもう少し辛抱強かったら、彼がそれをやるよう説得できただろう。
Were I you I /would/should(英)/ leave France.
私があなたなら、フランスを去るでしょう。
Could I see my native land, I would die a happy man.(稀)
祖国を見ることができたら、幸せな男として死ねるのだが。
The typical thanksgiving dinners were there. We had everything that we would have had had we been at home.
典型的な感謝祭の食事がそこにはあった。家庭にいれば出ていたであろううすべてのものが食べられた。
[5-1-1-1] if S was は可能だが、それを was S にすることはできない。if S were を were S にすることはできる。
[5-1-2]「もし~がなかったら」の表現。/if it were not for -/if it had not been for -/without -/but for -/=「もし~がなかったら」⇔ with - =「もし~があれば」
If it were not for your your help, I would fail.→
/Were it not for/Without/ your help, I would fail.
もしあなたの助けがなかったら、私は失敗するでしょう。
If it had not been for your help, I would have failed.→
/Had it not been for/Without/ your help, I would have failed.
もしあなたの助けがなかったら、私は失敗していたでしょう。
I'd have crashed the car without your warning.
君の警告がなかったら、私は車を衝突させていただろう。
With your assistance I would succeed.
あなたの援助があれば私は成功するでしょう。
[5-1-3]前置詞句を使用する方法
Without your assistance, I would have failed.
あなたの援助がなければ、私は失敗していたでしょう。
In a one-on-one brawl, a Neanderthal would probably beaten a Sapiens.
一対一の格闘だったなら、多分、ネアンデルタール人はサピエンスを倒していただろう。
[5-1-4]/and/or/otherwise/を用いる方法。それらの前は命令法または直接法または名詞句。それらの後は仮定法または直接法
I am tired; otherwise, I would play.(直接法+仮定法過去)
私は疲れた。そうでなければ遊ぶだろう。
He must have a sound plan or he would not have tried it.(直接法+仮定法過去完了)
彼は堅実な計画を立てているに違いない。そうでなければそんなことを試みなかっただろう。
Another month and the change would have been complete.(名詞句+仮定法過去完了)
もう一月経てば変化は完全になっていただろう。
[5-1-5] suppose that -, supposing that -, provided that -, providing that -, などを用いる方法。
[5-1-5-1]/suppose(命令法)/supposing(現在分詞)/ that節。仮定法または直接法を用いる。
/Suppose/Supposing/ you had ten million dollars, what would you like to do first?(仮定法過去)
もし一千万ドル持っていたら、まず何をしたいですか。
Suppose you were in my place, what would you do?(仮定法過去)
君が私の立場だったらどうしますか。
Suppose (that) we miss our train, what shall we do?(直接法)
列車に乗り遅れたらどうしよう。
Suppose we had been talking in terms of 1940 and somebody had said, "We can take a little atom, an atom is something you can't see. But when we explode that little atom, we can destroy a whole city." Would you have believed it?(仮定法過去完了)
1940年の状況で話していて、誰かが「少しばかりの原子を取ってくることがきる。原子は見えないものだ。だが、そんな少しばかりの原子を爆発させると一つの都市全体を破壊することができる」と言ったとしよう。そんなことを信じられたかい。
[5-1-5-2]/providing(現在分詞)/provided(過去分詞)/ that節。直接法を用いる。仮定法にしない。
I will stay here /provided/providing/ the climate agrees with me.
気候が合えば、ここに滞在します。
[5-1-5-3]/granting(現在分詞)/granted(過去分詞)/ that節。直接法を用いる。仮定法にしない。
Granting that you are innocent, can you prove it?
君が無実だとしても、それを証明できますか。
[5-1-5-4] in case を用いることがある。直接法を用いる。仮定法にしない。
In case you want me, I'll be in my office till lunchtime.
君が私に用事があるなら、昼休みまで事務所に居る。
[5-1-5-5] on (the) condition (that)を用いることがある。直接法を用いる。仮定法にしない。
He lent me the money on condition that I pay it back next month.
来月返すという条件で彼はそのカネを私に貸してくれた。
[5-1-5-6] given (that) を用いることがある。given は前置詞としてとらえられ、名詞句が続くことが多い。given (that) が接続詞としてとらえられ、節が続くこともある。直接法を用いる。仮定法にしない。
/Given her inexperience/Given (that) she is inexperienced/, (then) she has done well.
経験不足であることを考えると, 彼女はよくやった方だ。
[5-1-6] to不定詞を用いることがある。直接法も仮定法も可能である。
To hear him talk, you would take him for an American.(仮定法過去)
彼が話すのを聞けば、アメリカ人と間違えるだろう。
Of course he used it. He would have been a fool not to.(仮定法過去完了)
もちろん、彼はそれを利用した。もし利用しなければ馬鹿だっただろう。
上の例文のように、not が付けば代不定詞も可能である。
[5-1-6-1]慣用句になることがある。直接法を用いる。
to tell the truth, to be honest, to say nothing of, etc.
[5-1-7]分詞構文。直接法も仮定法も可能。
This same thing, happening in wartime, would amount to disaster.(仮定法過去)
これと同じことが戦時中に起これば、災害になっていただろう。
Seen from an airplane, this would look like a green ball.(仮定法過去)
飛行機から見れば、これは緑のボールのように見えるだろう。
[5-1-8]主語に前提節が内在することがある。仮定法を用いる。
A man of common sense wouldn't take chances.
常識のある人なら、敢えて危険を冒さないだろう。
It was so quiet that a pin might have been heard to drop.
あまり静かだったので、ピンの落ちる音も聞こえかもしれない。
[5-1-9]関係詞節を用いることがある。仮定法を用いる。
A state whose administrative power stopped working would quickly be bankrupt.
行政権が機能しなくなった国家はすぐに破産するだろう。
Every caress I gave you would be sin.
私があなたを愛撫するとすべて罪になるでしょう。
[5-1-10] if節が完全に省略されることも多い。いずれにしても非現実を表す。仮定法を用いる。
The Soviet marshal said, "We were so well prepared that (if any suppression had been necessary,) we could have been all over the Poland in three days. We had very detailed plans." Then Gomulka replied, "Did you planed how many people on both sides would have perished (if that plan had been carried out)."
ソ連の司令官は「我々は十分な準備をしていたので、(制圧が必要なら)三日でポーランド中に展開できただろう。わたしたちは綿密な計画を立てていた」と言った。 ゴムルカは答えた。「(その計画が実行されていれば)両陣営の何人が死亡するか計画していたのか」
[5-2]帰結節の省略
[5-2-1]非現実の願望を表す。仮定法を用いる。
If I'd known you were there!
あなたがそこにいたことが分かっていたらなあ。
[5-2-1-1] if only。非現実の願望を表す中でも慣用的。仮定法を用いる。
If only we could afford to buy a place of our own!
私たちの家を買う余裕がありさえすればなあ。
If he only knew what I know!
私が知っていることを彼が知ってさえいてばなあ。
[5-2-1-2]それに対して、/only if/just so/ は「~さえ~なら」で直接法を用いる。
He doesn't care inconveniencing others /only if/just so/ he's comfortable.
彼は自分さえ良ければ人に迷惑をかけてもかまわない。
[5-2-2] as if。 後述する慣用的表現であるが、帰結節が省略されると、相手の態度に対する遺憾を表す。仮定法を用いる。
As if I didn't know that already!
まるで私がそれをまだ知らないと思っているみたいですね。
As if I cared!
まるで私が気にしているみたいですね。
[6]慣用的表現
[6-1]仮定法過去・過去完了で非現実の願望を表す表現に以下のようなものがある。
[6-1-1] I wish 節(仮定法過去・過去完了)。非現実の願望を表す。
I wish I knew her name.(現在の非現実)
私が彼女の名前を知っていたらいいのだが。
I almost wish I were not a painter.(現在の非現実)
私が画家でなかったらよかったと思うほどです。
I wish I had accepted her proposal.(過去の非現実)
彼女の提案を受け入れていたらよかったのだが。
[6-1-1-1] thatの省略頻度。普通、省略する。
[6-1-2] Would (to God) that節(仮定法過去・過去完了)で非現実の願望を表す。古語でありしかも雅語である。
Would that I had never been there!
あんなところへ行かなければよかった。
[6-1-2-1] thatの省略頻度。省略されることがある。
[6-2]控え目な願望などを表す
[6-2-1] would rather /原型不定詞/that節(仮定法過去または過去完了)/でそれより~したい。
"How about a drink?" "I'd rather have something to eat."(原型不定詞)
「飲み物はどうですか」「それより食べる物が欲しいです」
"Do you mind if I smoke?" "Well, I'd rather you didn't."(仮定法過去)
「煙草を吸ってもいいですか」「吸わないで欲しいのですが」
Would you rather I didn't talk.(仮定法過去)
わたしに黙っていて欲しいですか?
My wife would rather we didn't see each other any more.(仮定法過去)
私の妻は私たちはもう会わないほうがいいと思っている。
I'd rather you hadn't done that.(仮定法過去完了)=
I wish you hadn't done that.
君にあんなことをして欲しくなかったのだが。
[6-2-2] would like to不定詞。控え目な願望を表す。
[6-2-3] had /better/best/「~したほうがよい」、忠告を表す。控え目表現とはいえ忠告なので、年上の人、目上の人には使わないほうがよい。主語が I や We の場合は比較的よく使われる。
[6-2-3-1] had betterとhad bestの違い。使用頻度がhad betterのほうが圧倒的に多い。
We had best be getting back.
僕たちは戻ったほうがいい。
[6-2-3-2] had /better/best/とshouldの違い。shouldより緊急性が大きい。
[6-2-3-3] had betterの否定形は、had better not で「~しないほうがよい」
We had better not talk about it on the phone.
それは電話で話さないほうがいい。
[6-2-3-4]動詞句が省略された場合の語型は、S had better (not) である。英では S better had (not) になることがある。
"Shall I put my clothes away?" "You'd better!"
「衣類を片付けましょうか」「そのほうがいい」
"I promise you I'll pay you back." "You better had.(英)"
「おカネは必ず返しします」「そのようがいい」
"He says he won't tell anybody." "He'd better not."
「彼は誰にも言わないと言っています」「言わないほうがいい」
[6-2-3-5]否定形の疑問文の語型と意味
①Had S better not -?「~しないほうがいいですか」=
②Had S not better -?「~しないほうがいいですか」≠
③Hadn't S better -?「~したほうがいいのではないですか」
それらのうちよく使われるのは③である。
Hadn't we better leave at once?
私たち早く立ち去ったほうがいいんじゃない。
[6-2-3-6] had better 完了不定詞 の意味は①過去に実現しなかったことについての忠告「~したほうがよかったがしなかった」、②未来の基準時までに完了していることについての忠告「~してしまったほうがよい」
You had better never have been born.①
お前は生まれないほうがよかった。
You had better not have changed your mind when I call tomorrow.②
私が明日、電話をするときに、君は心変わりしていないほうがいい。
[6-2-3-7]非常にくだけた表現では、had が省略されることがある。
You better wait until the shelling is over.
砲撃が終わるまで待ったほうがいい。
[6-2-3-8] had /better/best/ と同義の表現
It is better that 仮定法現在またはshould(英)
It is better for - to-
S is better off -ing
It /were/would be/ better (that) 仮定法過去
関係詞のthat were better 過去分詞=that would be better 過去分詞
It is better that he be asleep.(仮定法現在)
彼は寝たままにしておいたほうがよい。
It is better for the school to offer more courses.=
The school is better off offering more courses.
その学校はもっと科目を設けたほうがよい。
It were better that you held the key.(仮定法過去)
君は鍵をもっているほうがよい。
There were too many things that were better left unsaid.
言わないでおくほうがよいことが多すぎた。
[6-3] It is time 仮定法過去 は「~するべき時間なのにしていない」。
It's time you called me Jamie.
そろそろジェイミーと呼んでくれてもいい頃だが。
I'm afraid it is time I was going.
おいとまする時間だと思います。
[6-3-1] It is time 仮定法過去 と It is time to不定詞 の頻度の比較。米では不定詞のほうが普通。
It's time for you to go to bed.
もう寝る時間ですよ。
[6-4]/as if/as though/like/ /仮定法過去・過去完了/直接法/。「まるで~のように」。明らかに非現実のときは仮定法過去・過去完了を用い、そうでないときは直接法を用いる。
You talk as if you knew everything, don't you?(非現実)
まるで何でも知っているような口ぶりじゃないか。
I feel as if you were my own son.(非現実)
お前を息子のように感じる。
Mom /looks/looked/ as if she had seen a ghost.(非現実)
母はまるで幽霊を見たかのような顔つき/だ/だった/。
[6-4-1]未来の非現実を表す場合は would を用いる。
/It/I/ seemed as if I would die.(非現実)
死ぬかと思ったほどだった。
He /looks/looked/ as if he would choke.(非現実)
彼は今にも窒息しそうな顔をして/いる/いた/。
[6-4-2] as if 節 単独のことがあり、相手に対する遺憾を表す。
As if I didn't know that already!
まるで私がそのことをまだ知らないかのようじゃないか。
As if you didn't know very well what I'm at.
まるで私が何を狙っているかあまり知らないかのようじゃないか。
As if I cared!
まるで私が気にしているようじゃないか。
[6-4-3]主語+(助)動詞(句)が自明であるとき、省略されることが多い。
There she sat as if (she /were/was/) paralyzed by his words.
彼女は彼の言葉に金縛りにあったかのようにそこに座っていた。
Everything was as if (it had) grown together with the earth.
すべてのものがまるで大地とともに生まれてきたかのようだった。
A hand appeared as if (it had appeared) by magic.
まるで魔法によるかのように手が現れた。
The surprising thing was the reports were written as if (they had been written) about a stranger, not about a wife.
驚くべきことは、その報告書が妻についてではなくまるで赤の他人についてかのように書かれていることだった。
[6-4-4]不定詞も使える。
She made as if to throw a shoe at me.
彼女は靴を私にぶつけるかっこうをした。
[6-4-5] if の代わりに前置詞句が来ると as の原意に近づく。
There was a sound as of rats scuffling.
ネズミが取っ組み合いをしているような音が聞こえた。
[6-4-6] as - as if - の形も可能である。
I love her every bit as much as if she were my natural daughter.
私は彼女を実の娘と同様に隅から隅まで愛している。
I recall the whole thing as vividly as if I'd seen it yesterday.
まるで昨日見たかのように鮮明に、私はそのすべてを思い出す。
[6-4-7]形式主語 it を置いて、as if節が主語になることがある。
/It/I/ seemed as if I would die.
死ぬかと思ったほどだった。
We missed the last bus. It looks as if we'll have to walk.
最終バスに乗り遅れた。歩かないといけないようだ。
It /seems/looks/ /as if/as though/like/ it's going to snow.(一番目の it が形式主語。二番目の it は天候等を表す it。)
雪になるようだ。
[6-5] as it were 「いわば」、後続の語句が比喩的表現であることを示す。
He is, as it were, a grown-up baby.
彼はいわば大人になった赤ちゃんだ。
[6-5-1] as it were(仮定法過去)と as it was(直接法)の違い。as it was は「実際は~だったので」。
I would have liked to take a little rest if all the others had agreed. As it was, we kept walking.
もし他の人々が皆、賛成したら、私は少し休みたかった。だがそうではなかったので私たちは歩き続けた。
[6-6]/even if/even though/
普通は直接法を用いるが、even if では非現実の可能性が大きい場合は仮定法過去・過去完了が使われることがある。even though では仮定法過去・過去完了の使用は不可である。
I suppose my father could have been a good man even if he had been said to be a fraud.(仮定法過去完了)
例え詐欺師と言われていたにしても、私の父はいい人だったんだと思う。
[6-6-1]それらの意味的違い。even if は条件の強意であり、even though は譲歩の強意である。だから、前述のとおり、even though では仮定法過去・過去完了の使用は不可である。
①Even if you don't like cheese cake, try a piece of this.
たとえチーズケーキが嫌いでも、これを一切れ試してごらん。
②Even though she dislike movies, she went with her husband to please him.
彼女は映画が嫌いだったにもかかわらず、夫を喜ばせるために一緒に行った。
①では話し手は主語がチーズケーキが好きかどうか知らない。
②では話し手は主語が映画が嫌いなことを知っている。
[6-7] Suffice it to say that節(直接法)。「~といえば十分だろう」。suffice は仮定法現在とも命令法とも見なせる。
Suffice it to say that I do not approve of your conduct.
君の行いを認めることはできないと言えば十分だろう。
[6-8]修辞的表現
格式的でもって回った表現として以下がある。
[6-8-1]帰結節にありえないことをもってくることによって前提節を強く否定する。前提節が先行しなければならない。
If she is beautiful, then I'm Marilyn Monroe!=
She cannot be beautiful.
彼女が美人なら、私はマリリン・モンローだ。
If they're married, I'm the king of England.=
They cannot be married.
彼らが結婚しているとすれば、私はイングランド王だ。
[6-8-2]前提節に極端に自明のことをもってくることによって帰結節を強く肯定する。前提節を後回しにしなければならない。
He's ninety if (he's) a day.=
He must be ninety.
彼は裕に90歳だ。
You two understand each other, if any two on earth do.
君たちは確かに理解し合っている。
[6-8-3]言論の可能性または許可が前提節になることがある。
If I may say so, the dress doesn't become you.
言わせてもらえば、そのドレスは君に似合ってない。
If you will allow me to say so, your attitude is equally racist.
言わせてもらえば、君の態度は同様に人種差別的だ。
But I'd rather go alone if you don't mind.
だが、よければ私は一人で行きたいのですが。
[6-8-4]言論の正誤が前提節になる。
His style is florid, if that's the right word.
表現が正しければ、彼のスタイルは流暢だ。
I first met her in London, if I'm not mistaken.
思い間違いしていなければ、私は彼女とロンドンで初めて会った。
They had three children, if I remember rightly.
私の記憶に間違いがなければ、彼らには三人の子供がいた。
[6-8-5]主節で I say などが省略されている唐突な表現がある。
If you want beer, (I say) it is in the refridge.
ビールが欲しいなら、冷蔵庫にあるよ。
[7]仮定法現在
[7]仮定法現在は動詞の原型を用いる。否定形は、not+動詞の原型である。意味は以下のとおり。概して古語である。
ここでは否定形の例文を挙げる。
The coach insisted that the quarterback not be replaced by him.
そのコーチはクオーターバックは彼に替えるべきではないと要求した。
I would suggest that you not offend her any further.
私は君がこれ以上彼女の機嫌を損ねないことを提案したい。
[7-1]偽であることが明らかなことを前提する仮定法過去・過去完了に対して、真偽が不明であることを前提するのが仮定法現在の基本的用法である。だが、古語であり、現代では直接法を用いる。一部が慣用的表現として残る。
Now, sir, if it be your pleasure, I will follow.(古語)
思し召しなら、お供いたします。
I can come and help you with your work if need be.(慣用句)
必要なら来て仕事を手伝うことができます。
[7-2]祈願。古語。
God protect the Queen!
神様、女王をお守りください。
God forgive me.
神様、私をお許しください。
[7-2-1]発生学的には祈願と類似する罵り。つまり、超自然的なものに呼びかけるのに、他者に有益なら祈願になり、有害なら罵りになる。
/Damn you./Fuck you./
ちくしょう。
[7-3] lest節で。懸念を表す。否定の目的も表す。文語的。英ではshouldが用いられる。現代では lest 自体があまり使われず、that+直接法を用いる。
He was remarkably solicitous lest his guest be disturbed.(懸念)
彼は客が困惑するのではないかとひどく心配していた。
She worried lest he (should英) tell someone what had happened.(懸念)→
She was worried that he would tell someone what had happened.(懸念)
彼女は彼が出来事を話さないかと心配していた。
I hid the letter lest he (should) see it.(否定の目的)→
I hid the letter so that he counld not see it.
彼に見られないように私はその手紙を隠した。
[7-3-1] lest節でなくても、懸念を表す場合、仮定法現在を用いることがある。
In order that no further damage be done, it is crucial that you get her back to palace as quickly as possible.
これ以上の損害がないように、彼女をできだけ速やかに宮殿に連れ戻すことは極めて重要である。
[7-4]譲歩を表す。古語であり、現代の文法からは見慣れない形になる。
Be it ever so humble, there's no place like home.
どんなに慎ましくても、家庭に勝るものはない。
You must not interfere, come what may. You understand?
何が起ころうと、君は干渉してはいけない。分かったか。
Though the sore be healed, yet a scar may remain.
炎症は治っても、瘢痕は残る。
上の例文は sore と scar の違いを説明する好例である。sore は新しい傷であり炎症を起こしており、痛みがある。それに対して、scar は古い傷であり炎症はなくなり、痛みがない。
[7-5] that節で広義の命令(要求、忠告、提案などを含む)表現。英ではshouldを用いる。
I demand that he go there.
彼がそこへ行くことを私は要求する。
My final task as chairman of Lester's is to propose that the new chairman be Mr. Richard Kane.
レスター銀行の頭取としての私の最後の仕事は、リチャード・ケイン氏が新頭取になることを提案することであります。
I thought it best that we not be seen together, in case you're being followed.
私たちが一緒にいるところを見られないほうがよいと私は思った。君がつけられているといるといけないから。
I would suggest that you not offend her any further.
あなたはこれ以上彼女を怒らせないほうがいいと思う。
[7-5-1]必ずしも動詞+that節の形をとらない。
It /is/was/ necessary that he (should) start at once.
彼はすぐに出かける必要が/ある/あった/。
It /is/was/ my ardent wish that he (should) come at once.
彼がすぐに来ることを私は切望/している/した/。
[7-5-2]上の例文のように仮定法現在は時制の一致においても変わらない。should もそのままでよい。
[7-5-3]意味によって/仮定法現在/should/も直接法も取りうる例を挙げる。
He insisted that she was right.(主張→直接法)
彼女は正しいと彼は主張した。
He insisted that she (should) start.(要求→仮定法現在またはshould)
彼女が出発することを彼は要求した。
Are you suggesting that I'm not telling the truth?(示唆→直接法)
僕をうそつきだというのかね。
They suggested to him that he (should) invest his money in property.(提案→仮定法現在またはshould)
不動産に投資してはどうかと彼らは彼に提案した。
[7-5-4]仮定法現在を導くthat は省略できないとする文法もあるが、英語の実態では省略されることがある。