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小節(sc)
[1-1(SVO(sc)文型)]従来S(主語)V(動詞)O(目的語)C(補語)文型と考えられていた文型では、OCを一まとめにして、Oととらえたほうがよいものが多い。例えば、
I want him to do it.
私は彼にそれをして欲しい。
では、私が彼を欲するのではなく、him を目的語ととらえることができない。私は彼がそれをすることを欲しているのであって、him to do it を、まとめて目的語とらえられ、一つの小さな節ととらえられ、その中に him という小さな主語と to do it という小さな補語があるととらえられる。また、上の例文は、
I want for him to do it.
と書き換えられる。この for him の for は前置詞ではなく不定詞の主語を示す記号のようなものであり、省略されることがある。このように書き換えられれば、him が狭義の不定詞 to do it の主語であり、(for) him to do it が広義の不定詞であり、一つのまとまりになっていることが明らかだろう。
また、
I saw him doing it.
私は彼がそれをしているのを見た。
では、私は彼を見たのではなく、him を目的語ととらえることができない。私は彼がそれをすることを見たのであって、him doing it をまとめて目的語ととらえられ、一つの小さな節ととらえられ、その中に him という小さな主語と doing it という小さな補語があるととらえられる。実際、分詞の主語を目的格で示すことがある。
また、
They made him a great painter.
彼らは彼を偉大な画家にした。
においては、彼を作ったのではなく、彼が偉大な画家であるということをもたらしたのであり、 him a great painter をまとめて目的語とらえられ、一つの小さな節ととらえられ、その中に him という小さな主語と a great painter という小さな補語があるととらえられる。
以上のような、文または節の部分になり、その中に小さな主語と小さな補語を含むものを「小節(Small Clause)」と呼べ、小文字で"sc" と表記することができる。また、それに含まれる小さな主語を「小主語(Small Subject)」と呼べ、小文字で"s"と表記でき、小さな補語を「小補語(Small Complement)」(c)と呼べ、小文字で"c"と表記することができる。また、小節を目的語とするSVO文型を特に「SVO(sc)文型」と呼べる。
[1-2(SVOC文型)]上のようなSVO(sc)文型に対して、本物のSVOC文型とは以下のようなものである。
例えば、
They shot him dead.
彼らは彼を撃ち殺した。
においては、確かに彼らは「彼を撃った」のであり、him は確かに動詞 shot の目的語であり、死んだのは彼であり、形容詞 dead はその目的語 him を説明する補語(目的格補語)である。だから、上の例文は本物のSVOC文型である。だが通常、shoot はSVOC文型をとるわけではなく、SVO文型をとる。通常、SVOC文型をとる動詞としては、以下のようなものがある。
challenge, compel, dare, force, oblige, urge, allow, permit, etc. これらにおいては to不定詞がCになることが多い。
例えば、
We urge you to vote against the bill.
ぜひその法案に反対票を投じましょう。
では、確かに「あなたを促す」ことをして、あなたが投票するのであり、you は目的語であり、to vote ... はその目的語の補語である。