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分詞

[1]分詞の分類

[1-1]時制、態による分詞の分類

現在分詞        taking
 進行形        being taking
 受動態        being taken
  進行形受動態    being taken
 完了形        having taken
  完了進行形     having been taking
  完了形受動態    having been taken
   完了進行形受動態 having been being taken
過去分詞        taken

[1-2]分詞の用法

[1-2-1]分詞の形容詞的限定用法において現在分詞進行形が使われることはない。単純な現在分詞を用いる。

×The people being singing were students.→
The people singing were students.
歌っていたのは学生だった。

[1-2-2]分詞の形容詞的限定用法において現在分詞受動態が使われることは稀である。単純な過去分詞を用いることが多い。

△Cars being parked illegally will be removed.→
Cars parked illegally will be removed.
不法駐車されている車は撤去されます。

[1-2-3]分詞の形容詞的限定用法において現在分詞完了形受動態が使われることは稀である。単純な過去分詞を用いることが多い。

△Cars having been parked illegally will be removed.→
Cars parked illegally will be removed.
不法駐車された車は撤去されます。

[1-2-4]分詞の形容詞的限定用法において、動作の受動の継続、動作の受動の反復、動作の受動の終結への接近等を表すには関係代名詞を用いるのが普通である。

△a team being beaten→
a team that are being beaten
負けかけているチーム

[1-2-5]分詞の形容詞的限定用法において現在分詞完了形が使われることは稀である。関係代名詞を用いることが多い。

△The man having won the race is him.→
The man who has won the race is him.
レースに勝ったのは彼だ。

[1-2-6]それらの形容詞的限定用法に対して、それ以外の用法ではそれらの時制・態が使われることがあり、意味が異なることがある。例えば、

①He saw his team being beaten.
彼は自分のチームが負けかけているのを見た。

②He saw his team beaten.
彼は自分のチームが負けたのを見た。

①では進行形受動態の意味があり負けが決まるまで見たとは限らない。途中で嫌になって見るのをやめたかもしれない。②では単純受動態の意味があり負けが決まるまで見たのである。

そもそも、動作動詞の受動態は単独では、動作の受動または動作の受動の結果としての状態の継続しか表せない。動作の受動の継続、動作の受動の反復、動作の受動の終結への接近等を表すには進行形受動態を用いなければならない。

His team is beaten.(動作の受動の結果としての状態)
彼のチームは負けた。

His team is being beaten.(動作の受動の終結への接近)
彼のチームは負けかけている。

[1-2-7] the+形容詞でその句が名詞化されるのと同様に、the+分詞でその句が名詞化される。

The dying and (the) wounded were cared for.
瀕死者や負傷者が手当を受けた。

[1-3]分詞の機能による分類

①動詞的
時制、態を作るために用いられる。
②形容詞的
名詞を修飾したり、補語になる。
②-1 形容詞的限定用法⇒[2]
②-2 主格補語=形容詞的叙述用法⇒[3]
②-3 SVO(小節)(小節の中の分詞の主語+分詞)⇒[4]
②-4 準主格補語⇒[5]
②-5 分詞節を作る(副詞的用法とも言える)⇒[6]

[1-4]分詞の意味

現在分詞
 状態動詞
  現在形・過去形と等価
   状態の継続
 動作動詞
  進行形と等価
   動作の継続、短時間の反復、完結への接近等
  現在形・過去形と等価
   動作の習慣的反復等
過去分詞
 自動詞
  完了形と等価
   完了の結果としての状態の継続
 他動詞
  受動態と等価
   状態動詞
    状態の継続
   動作動詞
    動作の受動
    動作の受動の結果としての状態の継続

[1-4-1]現在分詞、状態動詞において、現在形・過去形と等価であり、状態の継続を表すことが多い。

animals having memories→
animals that have memories
記憶をもつ動物

[1-4-2]現在分詞、動作動詞において、進行形と等価であり、動作の継続、短時間の反復、完結への接近等を表すことがある。

the students singing on the street→
the students who are singing on the street
通りで歌っている学生たち

[1-4-3]現在分詞、動作動詞において、現在形・過去形と等価であり、傾向習性による動作の繰り返し等を表すことがある。

a working man→
a man who works
労働者

[1-4-4]過去分詞、自動詞において、完了形と等価であり、完了の結果としての状態の継続を表すことが多い。

an escaped prisoner→
a prisoner who has escaped
脱獄囚

[1-4-5]過去分詞、他動詞、状態動詞において、受動態と等価であり、状態の継続を表すことが多い。

a well-known person→
a person who is well-known
[1-4-6]過去分詞、他動詞、動作動詞において、受動態と等価であり、動作の受動を表すことがある。

He saw his team beaten.
彼は自分のチームが負けるのを見た。

[1-4-7]過去分詞、他動詞において、受動態と等価であり、動作の受動の結果としての状態の継続を表すことがある。

A closed society
閉鎖的社会

I saw the gate closed.
門が閉まっているのが見えた。

[1-4-8]動作の受動の継続、短時間の反復、接近等を表すには現在分詞進行形受動態を用いる。

I saw the gate being closed.
門が閉まりかけているのが見えた。

それに対して、以下なら動作の受動の結果としての状態の継続である。

I saw the gate closed.
門が閉まっているのが見えた。

[1-5]分詞の否定形は、動詞の原型(原型不定詞)、to不定詞、動名詞などと同様に直前に not を付ける。それは not を含む中位の副詞の全般に言える。

Not knowing what to say, I kept silent.
何と言ったらよいのか分からなかったので、私は黙り続けた。

[1-6]それらに対して、名詞+ed は分詞に分類されない。形容詞には分類される。ed の発音は常に [id]である。「(名詞)をもつ」という意味をもつ。

ragged men
ボロを着た男たち。

A bearded man
あごひげを生やした男

a blue-eyed girl
青い目をした少女。

a one-legged man
片足の男

[2]分詞の形容詞的限定用法

[2]分詞の形容詞的限定用法のまとめ

修飾する名詞の前に分詞が来ることを前位修飾と呼び、後に来ることを後位修飾と呼ぶ。前位修飾は常態的な状態・動作を表し、後位修飾は一時的な状態・動作を表す。二語以上の分詞は後位修飾となり、一時的状態・動作を表す。前位修飾する分詞は形容詞化する。

一語の前位修飾=形容詞化する=常態的
 現在分詞
  状態動詞    現在形・過去形と等価
    常態的状態   動作動詞
   現在形・過去形と等価
    常態的な動作の習慣的反復等
 過去分詞
  自動詞
   完了形と等価
    常態的な完了の結果としての状態
  他動詞
   現在形、過去形の受動態と等価
    状態動詞
     常態的状態
    動作動詞
     常態的な動作の受動の結果としての状態
一語の後位修飾=一時的
 現在分詞
  状態動詞
   現在形・過去形と等価
    一時的な状態
  動作動詞
   進行形と等価
    一時的な動作の継続、短時間の反復、完結への接近等
 過去分詞
  他動詞
   受動態と等価
    状態動詞
     一時的な状態
    動作動詞
     一時的な動作の受動の結果としての状態
二語以上の前位修飾=複合語となり形容詞化する=常態的
 現在分詞=多くは他動詞で目的語が前に来る
 過去分詞=多くは他動詞で程度副詞に修飾される
二語以上の後位修飾=一時的

A barking dog seldom bites.(常態的な動作の習慣的反復)
よく吠える犬はめったに咬まない。

That dog barking furiously is his.(一時的な動作の短時間の反復)
あの激しく吠えている犬は彼のものだ。

He is proud of being a working man.(working について常態的な動作の習慣的反復)
彼は勤労者であることを誇りにしている。

The man working behind the desk is the president.(一時的な動作の継続)
机の向こうで仕事をしている人が社長です。

A wandering minstrel(常態的な動作の習慣的反復)
さすらいの吟遊詩人

Who is the man wandering down the street?(一時的な動作の継続)
あの通りをぶらぶら歩いている男は誰ですか。

The people singing were students.(一時的な動作の継続)
歌っていたのは学生だった。

Those selected will begin training on Monday.(一時的な動作の受動の結果としての状態)
選ばれた人々は月曜日に訓練を始めるだろう。

an escaped prisoner(常態的な動作の完了の結果としての状態)
脱獄囚

a retired general(常態的な動作の完了の結果としての状態)
退役した将軍

Stolen money(常態的な動作の受動の結果としての状態)
盗まれたカネ

The classification adopted has lots of advantages.(一時的な動作の受動の結果としての状態)
採用された分類法には多くの利点がある。

She had a small box containing jewels.(一時的な状態)
彼女は宝石が入っている小さな箱を持っていた。

Cars parked illegally will be removed.(一時的な動作の受動の結果としての状態)
不法に駐車した車は撤去されます。

The man known as "the father of the American Industrial Revolution" is Samuel Slater.(一時的な動作の受動の結果としての状態)
アメリカの産業革命の父として知られている人はサムエル・スレーターです。

the English-speaking race(常態的、English は目的語)
英語を話す民族

oil-producing countries(常態的、oil は目的語)
産油国

a half-finished work(常態的、half は程度副詞)
半ば完成した仕事

a well-known writer(常態的、well は程度副詞)
著名な作家

[2例外]前の論述によって一時的であることが明らかになった場合は前位修飾が可能。

A girl was yawning. He said to the yawning girl, "You can go to sleep if you like."
ある女の子があくびをしていた。彼はそのあくびをしていた子に言った。「寝たいなら寝ていいよ」

[2-1]現在分詞においては自動詞、他動詞の区別はあまり問題にならない。だが、一語で前位修飾で形容詞化するとき、他動詞においては目的語は一般の人になり省略されている。

I found a interesting book yesterday.
私は昨日、面白い本を見つけた。

上の例文では、私はそれが一般に面白い本だと思っているのであり、 interesting の目的語は一般の人である。それに対して、以下は異なる。

I found a book interesting me yesterday.
私は昨日、私にとって面白い本を見つけた。

[2-2]それに対して過去分詞においては、自動詞の過去分詞は完了結果の意味をもち、他動詞の過去分詞は受動の意味をもつ。

an escaped prisoner
脱獄囚

上の例では、escape は自動詞でも他動詞でもあるが、自動詞としての escape が過去分詞になって、完了結果の意味をもっている。

the accused
被告人

上の例では、accuse は他動詞であり、過去分詞になって受動の意味をもち形容詞化し、さらに、the が付いて名詞化した。

[2-3]現在分詞の形容詞的限定用法を関係詞節へ書き換えるとき、現在形または過去形にするか、進行形にするかを考える必要がある。

Who's the girl dancing with your brother?(動作動詞、後位修飾、一時的な動作の継続)→
Who's the girl that is dancing with your brother?(進行形)
君の弟と踊っている女の子は誰ですか。

A dancing girl(動作動詞、前位修飾、常態的な動作の習慣的反復)→
A girl who dances(現在形)
ダンサー

Anyone wanting a ticket can apply to me.(状態動詞、一時的状態)→
Anyone that wants a ticket can apply to me.(現在形)
切符の欲しい人は誰でも私に申し出ていいです。

[3]分詞の主格補語としての用法=形容詞的叙述用法

[3] SV(to be)C の文型のCとして用いられる。一般に、形容詞化した分詞の一部では to be なしが可能、形容詞化していない分詞は to be を置く。

The girl seemed charming to me.(charming は形容詞化している)
その少女は私には魅力的に見えた。

It seems to be raining outside.(raining は形容詞化していない)
外は雨が降っているようだ。

The teacher seemed to be respected by the boys.(respected は形容詞化していない)
その教師は男子に尊敬されているようだった。

[3-1]上の規則はあくまでも「一般に」である。例えば、feel では to be は入らない。

He felt cheated.
彼はだまされたと感じた。

[4]SVO(小節)(小節の中の分詞の主語+分詞)

[4]従来SVOCの文型と考えられていたものの多くは、OCをまとめてOとでき、現代ではSVO文型とされ、Oの中に分詞の主語と分詞があるとされる。そのような文型をSVO(小節)と表現することにする。

例えば、

I saw a bird flying.
鳥が飛んでいるのが見えた。

は、鳥を見たのではなく、鳥が飛んでいることが見えたのである。

また、

I had the children playing.
私は子供たちを遊ばせておいた。

は子供たちが遊んでいるという状態を作ったのである。

そのようなSVO(小節)文型のうち、小節が分詞の主語+分詞になることがある。それらをさらに分類してみる。

[4-1]知覚動詞において

I felt myself falling in love.(完全に恋に落ちたかは分からない)
私は自分が恋をしかけているのを感じた。

We saw the snow cleared away.(全部見た)
私たちは雪かきが行われるのを見た。

We saw the snow being cleared away.(途中だけを見たのかもしれない)
私たちは雪かきが行われているのを見た。

[4-1-1]この文型における原型不定詞と現在分詞の意味の違い。この文型のように原型不定詞もとれる場合は、原型不定詞は、現在形または過去形と等価であり、その動作が行われるのを最初から最後まで/見る/聞く/感じる/という意味になり、現在分詞は、進行形と等価であり、その動作の継続、短時間の反復、終結への接近…などを/見る聞く/感じる/という意味になる。

例えば、

①I saw a man steal into the house.
私はある男がその家に忍び込むのを見た。

は、男が門から入って家の戸なり窓から入り込むまでを見たことになる。

それに対して、

②I saw a man stealing into the house.
私はある男がその家に忍び込んでいるのを見た。

は、男が家の中に入り込むまでを見ておらず、男は後で撤退したかもしれない。だから、①のほうが有力な目撃情報になる。②では男が家の周りを歩いているのを見ただけで、忍び込んだとは限らず、そもそも steal into という表現が正確ではないと言われかねない。

[4-1-1-1] see, hear, feel, look at, listen to, smell は明らかな知覚動詞だが、catch にも「~が~しているところを見つける」という知覚動詞としての意味がある。

I caught my son sneaking out of the room.
私は息子がこっそり部屋を抜け出そうとしているところを見つけた。

[4-1-2]過去分詞の意味。過去分詞の場合、①動作が行われる一部始終を/見る/聞く/感じる/という意味と②動作が行われた結果としての状態を/見る/聞く/感じる/という意味がある。動作の継続、短時間の反復、終結への接近…などを/見る/聞く/感じる/というなら、being+過去分詞 とする必要がある。

He saw his team beaten.
彼は自分のチームが負けるのを見た(最後まで試合を見て、本当に負けた)。

He saw his team being beaten.
彼は自分のチームが負けかけているのを見た(動作の終結への接近、最後まで試合を見たとは限らない。そもそも本当に負けたとも限らない)

[4-1-3]/分詞/原型不定詞/の主語を文の主語にした受動態が作れる。ただし、原型不定詞はto不定詞になる。

I saw her entering the house.→
She was seen entering the house by me.
私は彼女がその家に入っているところを見た。

I saw her enter the house.→
She was seen to enter the house by me.
私は彼女がその家に入るのを見た。

[4-1-3-1]ただし、watch, listen についてはそのように受動態にしたとき、不定詞が現在分詞に成る。

〇He was watched kicking her.
×He was watched to kick her.
彼は彼女を蹴っているところを見られた。

[4-2]使役動詞において

使役動詞そのものの基本的意味は、使役、受動、完了(過去分詞のみ)である。

Soon we had the mist coming down on us.(受動)
すぐに私たちの周りに霧が立ち込めてきた。

I won't have you saying such things about my mother.(使役)
母について君にそんなことを言わせておくわけにはいかない。

I could call my servants and have you arrested.(使役) 私は召使を呼んでお前を捕らえることもできるんだぞ。

He had his watch stolen.(受動)
彼は時計を盗まれた。

He had his leg broken in the accident.(受動)
彼は事故で足を骨折した。

My sister has had some money stolen.(完了(経験)+受動)
妹はカネを盗まれたことがある。

He had his plan made.(完了)
彼は計画を立ててしまっていた。

Get your hair cut.(受動)
散発してもらえよ。

He got his finger caught in the door.(受動)
彼は指をドアに挟まれた。

I got all this work finished in a day.(完了)
私はこの仕事をすべて一日で終わらせてしまった。

Can you make yourself understood in English?(使役)
あなたは英語を話せますか。

[4-2-1]代表的使役動詞

使役動詞意味どの品詞をとるか
make使役原型不定詞、過去分詞、形容詞、名詞
have使役、受動、完了(過去分詞のみ)原型不定詞、過去分詞、現在分詞、形容詞、名詞
get使役、受動、完了(過去分詞のみ)to不定詞、過去分詞、現在分詞、形容詞
let許容原型不定詞

上は代表的なものであって、他に bring, set, keep, leave などがある。

The bomb was set to explode at noon.
その爆弾は正午に爆発するように仕掛けられた.

それらに対して、force, urge, drive などはSVOC文型を作る。

[4-2-1-1]ただし、make において/分詞/不定詞/の主語が人のとき、本人の意志に反してさせることを意味するので、/分詞/不定詞/は人間の意志による行動を表す動詞に限る。ただし物・事が主語の場合は意志によらない行動を表す動詞も可能。

×The man made her die.
〇The man had her die.
その男のせいで彼女は死んだ。

〇The accident made her die.
その事故のために彼女は死んだ。

[4-2-1-2]また、make は使役の完了を意味するので、現在分詞は使えない。

×The accident made him dying.

[4-2-2]使役動詞の特殊な意味

[4-2-2-1] let は許容を意味する。

[4-2-2-2]/get/set/ 分詞の主語 現在分詞 は「に~し始めさせる」を意味する。

Hurry up and get those people moving.
急いであの人々を出発させてくれ。

His joke set everyone laughing.
彼のジョークでみんなが笑い出した。

[4-2-2-3] keep 分詞の主語 /現在分詞/過去分詞/は「~し続けさせる」を意味する。

The full moon kept my dog barking.
満月を見て、私の犬が吠え続けた。

[4-2-2-4] leave 分詞の主語 /現在分詞/過去分詞/は「~させておく」、つまり放置を意味する。

I left the engine running when I went into the shop.
私は、店に入るとき、エンジンをかけたままにしておいた。

[4-2-3] have, let においては、/分詞/不定詞/の主語を文の主語にした受動態が作れない。だから、そのような受動態にする場合は代わりに allow を用いる。他の使役動詞は/分詞/不定詞/の主語を文の主語にした受動態が作れ、受動態にすると原型不定詞はto不定詞になる。

My father /let/had/ me drive.
I was /allowed/×let/ to drive by my father.
私は父から運転することを許された。

He made me go.⇒
I was made to go by him.
彼は私を行かせた。

[4-3]欲求を表す動詞。want, like, etc

①SV+(for)不定詞の主語+to不定詞
②SV+(for)不定詞・分詞等の主語+(to be)/現在分詞/過去分詞/形容詞/名詞/
の形をとれる。②で to be を省略した形は命令口調で高圧的である。

I don't want you sitting here all day.
わたしはあなたにここに一日中座っていてもらいたくない。

I want it done at once.
わたしはそれをすぐにやってもらいたいと思う。

I don't like such subjects discussed.
私はそのようなことを議論して欲しくない。

[5]準主格補語として用いられる分詞

[5]主格補語と準主格補語の違い。後者は省略しても文が成り立つ。分詞節と準主格補語は区別は困難である。
[5-1]基本的に単純に二つの動作が並行して生じること、つまり、「~しながら」、付帯状況を表す。

Karen sat at the table reading a newspaper.
カレンはテーブルのところで座って新聞を読んでいた。

He awoke refreshed.
彼はさわやかな気持ちで目を覚ました。

I stood there entranced with the music.
私はその音楽にうっとりしてそこに立ち尽くした。

[5-1-1]分詞を動詞句の中に挿入することも可能である。

She ran screaming out of the room.
彼女は叫びながら部屋を走って出た。

She came running to meet me.
彼女は走って私を迎えに来た。

[5-2]慣用的に特別な意味をもつに至ったもの

/go/come/ -ing(~しに行く/来る)
go -ing(望ましくないことをしでかす)
get -ing(~し始める)
be busy (in) -ing(~で忙しい)
be late (in) -ing(~するのが遅い)
spend time (in) -ing(~に時を費やす)

[5-2-1]/go/come/ -ing

[5-2-1-1]しばしば習慣的行為に用いる。

Saturday afternoons I used to go studying in the library.
私は土曜の午後は図書館に勉強に行ったものだ。

[5-2-1-2]場所を示すのに to を用いない。/go/come/ではなく、- ing に重点があるから。

He went swimming in the river.
彼は川に泳ぎに行った。

[5-2-1-3]完了形で経験を表す。つまり、have gone -ing となると、通常の have gone to - 「行ってしまった」(完了)の意味が消える。

Have you ever gone swimming at Corney Island?
コーニーアイランドに泳ぎに行ったことがありますか。

[5-2-2] go -ing(望ましくないことをする)。略式体である。

Don't go telling me lies!
私にうそをつくようなことをするな。

[5-2-3] get -ing(~し始める)

We'd better get moving.
出発したほうがいい。

It's time you got cracking on that assignment.
その仕事にとりかかるときだ。

[5-2-4]以下は in があれば動名詞であり、元来はそうだった。in を省略しても準主格補語として通るので、慣用的に省略されることが多くなった。

be busy (in) -ing(~で忙しい)
be late (in) -ing(~するのが遅い)
spend time (in) -ing(~に時を費やす)

Father is busy writing letters.
父は手紙を書くので忙しい。

I was a little late finding the place.
私はその場所を見つけるのに少し手間取った。

He spend his spare time gardening.
彼は余暇を庭いじりで過ごす。

[6]分詞節(分詞構文)

[6]分詞を含む文の部分が等位節または従属節または関係節の機能をもつものを「分詞節」と呼べる。分詞の副詞的用法とも言える。様々な意味で用いられ、様々な接続詞または関係詞で書き換えられる。

Sitting at the back as I am, I can't hear a word.→
As I am sitting at the back, I can't hear a word.
こんなに後ろに座っているので、ひと言も聞こえない。

[6-1]能動態の現在形または過去形の節を分詞節に書き換えるときは、本動詞が現在分詞に変わる。受動態、進行形の being は通常、省略される。本動詞の being, 完了進行形、受動態完了形の having been は省略されることがある。

My work (having been) finished, I went to bed.(受動態完了形の having been の省略)
仕事が終わったので、私は寝た。

(Being) A proud person, she rejected the offer.(本動詞の being の省略)
自尊心の強い人だったので、彼女はその申し出を断った。

[6-1-1]能動態の現在形または過去形の節を分詞節に書き換えるときも、能動態進行形の節を分詞節に書き換えるときも、現在分詞を用いる。逆に言うと現在分詞の分詞節を接続詞等を用いて書き換えるときは、どちらにするか考える必要がある。

Sitting at the back as I am, I can't hear a word.
こんなに後ろに座っているので、ひと言も聞こえない。

"As I am"と代動詞として be を使用しているので進行形。また、sit は動作動詞なので進行形。

As I am sitting at the back, I can't hear a word.

Wanting a ticket as I do, I will apply one.
こんなにチケットが欲しいので、申し込んでおこう。

"As I do"と代動詞としてdoを使用しているので現在形。また、want は状態動詞なので、現在形。

As I want a ticket, I will apply one.

[6-2]分詞節の意味

[6-2-1]等位接続詞 and で書き換えられるもの。どちらの節も分詞節に書き換えられる。

He was aroused by the noise, and leapt to his feet.→
Aroused by the noise, he leapt to his feet.→
He was aroused by the noise, leaping to his feet.
彼は、その物音で目を覚まし、飛び起きた。

(注)上の例文の leap の過去形 leapt は英でしかも古語である。現在は英でも米でも leaped。

[6-2-2] when, while などの時の従属接続詞で書き換えられるもの

Seeing the policeman, he ran away.→
/When/As soon as/ he saw the policeman, he ran away.
警官を見かけると、彼は逃げた。

Walking down the street, I ran across an old friend.→
While I was walking down the street, I ran across an old friend.
通りを歩いていると、私は旧友とばったり会った。

Left to herself, she began to weep.→
When she was left to herself, she began to weep.
一人取り残されると、彼女は泣き始めた。

[6-2-3] because, as, since などの原因・理由の従属接続詞で書き換えられるもの

Not knowing what to say, I kept silent.→
Because I did not know what to say, I kept silent.
何と言ったらよいのか分からなかったので、私は黙り続けた。

Written in haste, the book has many faults.→
Because it has been written in haste, the book has many faults.
急いで書かれたので、その本は間違いが多い。

[6-2-3-1]挙げる原因・理由が旧情報なら、since, seeing that を用いて書き換える。

Living among grand friends as you are doing now, I don't suppose you will care to hear any of our news.→
Since you are living among grand friends, I don't suppose you will care to hear any of our news.
なにしろそのように立派なお友達に取り巻かれてお暮しなので、私たちのニュースなど聞く耳をお持ちにならないでしょう。

この場合の live は状態動詞だが、一時的状態なので進行形にできる。

[6-2-4] though, -ever など譲歩を表す従属接続詞で書き換えられるもの

Sitting in the sun, I still feel cold.→
Though I am sitting in the sun, I still feel cold.
陽だまりに座っているのに、私はまだ寒い。

Wounded, the brave soldier continued to fight.→
Though he was wounded, the brave soldier continued to fight.
負傷していたが、その勇敢な兵士は戦い続けた。

Whether it is testified or not, it is a fact.→
Testified or not, it is a fact.
立証されようがされまいが、それは事実だ。

[6-2-5] if など条件を表す従属接続詞で書き換えられるもの

The same thing, happening in wartime, would amount to a disaster.→
The same thing, if it should happen in wartime, would amount to a disaster.
同じことが戦時中に起こったら、惨事になるだろう。

Taken daily, vitamin pills can improve your health.
If they are taken daily, vitamin pills can improve your health.
毎日服用すれば、ビタミン剤は健康を増進するでしょう。
[6-2-6]分詞節が by+動名詞で書き換えられるもの。分詞節が手段を表す場合

(By) Using a sharp ax, he broke down the door.
鋭い斧を使って彼はドアを壊した。

[6-2-7]付帯状況。「~しながら」という意味

Walking on tiptoe, I approached the window.
つま先で歩きながら私は窓に近づいた。

She entered, accompanied by her mother.
彼女は母親に付き添われて入って来た。

Kate fell asleep watching television last night.
ケートは昨夜、テレビを見ながら寝てしまった。

[6-3]完了形の分詞節。意味は時、理由が多い。Having been は省略されることが多いが、完了の意味と一つ前の過去であることを強調する場合は省略しないことも可能である。

Having finished my work, I went out for a walk.
/After/As/ I had finished my work, I went out for a walk.
/仕事を済ませてから/仕事を済ませたので/、散歩に出かけた。

Not (having been) informed, we were completely in the dark.
As we had not been informed, we were completely in the dark.
知らされていなかったので、私たちは何が何やら分からなかった。

[6-4]分詞節の位置。文頭、文中、文末が可能である。
[6-5]分詞節で意味を明確にするために、分詞をそのままにして接続詞が用いられることがある。

Once having left the premises, you must buy another ticket to re-enter.→
Once you have left the premises, you must buy another ticket to re-enter.
一度、構内から出ると、再び入るためには切符をもう一枚買わないといけません。

When writing English, I often consult the dictionary.→
When I /write/×am writing/ English, I often consult the dictionary.
私は、英語を書くとき、よく辞書を引く。

[6-5-1]一見したところの分詞節の前に接続詞でも前置詞でもある語が来るとき、前置詞と見なせばそれに続く語は動名詞と解され、接続詞と見なせば分詞節とも従属節における主語+be動詞の省略とも解される。前置詞でしかない語に続く場合は動名詞でしかなく、過去分詞は、当然、不可である。接続詞でしかない語に続く場合は分詞とも従属節における主語+be動詞の省略とも解される。

On being introduced, British people often shake hands.(on は前置詞でしかなく、続くのは動名詞である)
×On introduced, British people often shake hands. 紹介されるとイギリス人はよく握手をする。

Once (it is) deprived of oxygen, the brain dies.(once は接続詞でしかなく、続くのは従属節における主語+be動詞の省略または分詞節である)
いったん酸素を奪われると、脳は死ぬ。

While (I was) reading, I fell asleep.(while は接続詞でしかなく、続くのは従属節における主語+be動詞の省略または分詞節である)
読書しているうちに私は寝入ってしまった。

I won't come until (I am) invited properly.(これは従属節における主語+be動詞の省略でしかない。理由は以下に述べる)
私はちゃんと招待されるまでは来ません。

上の例文では until は接続詞でも前置詞でもありえるが、動名詞が来ていないので、従属節における主語+be動詞の省略または分詞節でありえる。だが、until をとって完全な分詞節にした

I won't come invited properly.

は意味を成さない。だから、従属節における主語+be動詞の省略である。

After talking to you, I always feel better.(これは動名詞または分詞節でしかない。理由は以下に述べる)
君と話した後は、私はいつも気分がよくなる。

after をとって完全な分詞節にした

Talking to you, I always feel better.

は、

/When I talk/While I am talking/After I talk/ to you, I always feel better.
/君と話すと/君と話していると/君と話した後は/、私はいつも気分がよくなる。

と書き換えられる、After については進行形の be talking ではなく、現在形の talk である。だから、After talking to you, ... の taling to you は動名詞または分詞節である。

[6-6]独立分詞節。主節の主語と分詞節の主語が異なるもの。慣用的なものを除くと稀である。

[6-6-1]独立分詞節の主語の格。格式体では主格、略式体では目的格。

We appointed Max, /he/him/ being much the best qualified of the candidates.
われわれはマックスを指名した。候補者の中でずば抜けて適任だったから。

[6-6-1-1] there be 構文の there や 時間、天候などを表す it も独立分詞節の主語になれる。

It being very cold, we made a fire.
たいへん寒かったので、私たちは火を起こした。

There being nothing else to do, we went home.
他に何もすることがなかったので、私たちは家に帰った。

[6-6-2]独立分詞節における been, having been の省略。一般の分詞節と同様に省略されうる。

My work (having been) finished, I went to bed.
仕事が終わったので、私は寝た。

[6-7]独立分詞節の主語が話し手または一般の人であり省略され、慣用化したものがある。接続詞または接続副詞または前置詞の機能をもつ。慣用化したものは稀ではなくよく用いられる。strictly speaking (厳密に言って), generally speaking (一般的に言って) など 副詞+speaking の形をとるものが最も多い。

Judging from his expression, he's in a bad mood.(接続副詞的)
表情から判断すると、彼は機嫌が悪い。

Granting that you are innocent, can you prove it?(接続詞的)
君が無実だとしても、それを証明できますか。

She looks young considering her age.(前置詞的)
彼女は歳のわりには若く見える。

[6-7-1]分詞節の主語が話し手ではなく省略されないが、主語もろとも慣用化されたものもある。

All things considered, he is not intelligent.
すべてを考慮すると、彼は知的ではない。

[6-8] with+独立分詞節で付帯状況、理由を表すことがある。これは稀ではない。

The car was upside down, with its wheel turning.(付帯状況)
車がひっくり返り、車輪はまだ回っていた。

He died with that word unsaid.(付帯状況)
彼はその言葉を言わないまま死んだ。

We feel lonely with him gone.(理由)
彼がいないので私たちは寂しい。

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