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名詞
[1]名詞の種類
不可算名詞
物質名詞
抽象名詞
固有名詞
可算名詞
普通名詞
集合名詞
[1-1]不可算名詞
[1-1-1]不可算名詞で一般のものを表すには無冠詞とする。
Water boils at 100 degrees Celsius.
水は摂氏100℃で沸騰する。
Blood is thicker than water.
血は水より濃い。
Necessity is the mother of invention.
必要は発明の母。
[1-1-2]不可算名詞で限定されたものを指すときは the を付ける。
The coffee I like best is from Brazil.
私が最も好きなコーヒーはブラジル産です。
The abolition of nuclear weapons.
核兵器の廃止。
[1-1-3]不可算名詞の不定の量を表すには、some, any, much, little, no などの(数ではなく)量を表す不定数詞を付ける。
He has little experience in work of this sort.
彼にはこの種類の仕事に経験がほとんどない。
[1-1-4]容器などに入れて個物化したものを表すには、piece, cup, item などを用いる。
some pieces of furniture
家具数点
/a piece/an item/ of information
一つの情報
[1-1-4-1]形容詞が修飾する場合、どちらに付けるか?
不可算名詞と形容詞の結びつきが強い場合は不可算名詞に付け、その結びつきが弱いときはどちらに付けてもよい。
I have a piece of /good/bad/ news.(/good/bad/ と news の結びつきが強い)
/吉報/凶報/が一つある。
a cup of /hot/cold/ water(/hot/cold/ と water の結びつきが強い)
/熱湯/冷水/一杯
/a piece of red chalk/a red piece of chalk/
赤いチョーク
/a pair of huge eyes/a huge pair of eyes/
大きな目
[1-2]名詞の別の種類への変化
[1-2-1]不可算名詞の中には可算名詞化するものがある。物質名詞、固有名詞の可算名詞化について。
①製品、作品…など個物化したものを指すとき
②種類を指すとき
① a paper(新聞), two Rembrandts(レンブラントの作品二点), three cakes(ケーキ三個)
Have you read today's paper?
あなたは今日の新聞を読みましたか。
Two coffee, please.
コーヒーを二杯ください。
He threw a stone at the dog.
彼はその犬に石を投げた。
I drank a beer.
私はビールを一杯飲んだ。
I hate wearing glasses.
私は眼鏡を掛けるのが嫌いだ。
②
This is an excellent coffee.
これは上質のコーヒーだ。
[1-2-2]抽象名詞の中には可算名詞化するものがある。
①その属性をもつ事象、行為、人…などを指すとき
②種類を指すとき
①
a beauty(美人、美という属性をもつ人)
The party was a success.(成功した事象)
パーティーは成功だった。
He is a great authority on phonetics.(権威という属性をもつ人)
彼は音声学の権威者だ。
There was a silence.(沈黙という属性をもつ事象)
沈黙があった。
He has done me many kindnesses.(親切という属性をもつ行為)
彼は私にたくさんの親切なことをしてくれた。
He knew his own shynesses, awkwardnesses and reticences.(それらの属性をもつ自己の部分)
彼は自身の内気なところ、不器用なところ、無口なところを知っていた。
②
Patience is a virtue.(徳にも様々あり、その一つの種類)
忍耐は美徳である。
[1-2-2-1]抽象名詞が個体を表して普通名詞化したとき、a, manyなどの不定冠詞、不定数詞を付けたり複数形にすることができても、one, two などの具体的な数詞を付けることはできない。具体的な数詞を付けるなら、piece, item などを用いる。
He has done me many kindnesses.
彼は私にいろいろと親切にしてくれた。
/a piece/an item/ of information
一つの情報
[1-2-3]普通名詞の中には、the+普通名詞でその名詞がもつ属性を表し抽象名詞化するものがある。
The pen is mightier than the sword.(ペンがもつ属性→言論の力、剣がもつ属性→武力)
ペンは剣より強し。
He succeeded to the crown.(王冠がもつ属性→王位)
彼は王位を継承した。
The poet in him was moved at the sight.(詩人がもつ属性→詩心)
その光景を見て、彼の詩心が動いた。
[1-3]集合名詞の分類
[1-3-1] family型。一つのものとして考えるときは単数形で単数扱い、それが複数あれば複数形で複数扱い。個々の構成員について説明するときは単数形で複数扱い。ただし、米ではいずれも単数扱いが多い。例えば、米では team, government は常に単数扱い。だが、米でも family は単複を使い分ける。
The jury has returned a verdict of guilty.
陪審は有罪判決を下した。
My family are all healthy.(複数扱い)
私の家族は皆、健康だ。
[1-3-1-1]その集団の規模を表すときは単数扱いして、量を表す不定数詞をつける。数を表す具体的な数詞を付けることはできない。
There lives a large family.
そこには大家族が住んでいる。
There was a large audience in the hall.
ホールにはたくさんの聴衆がいた。
[1-3-2] police型。常に単数形で常に複数扱い。people, police と clergy, aristocracy などの社会階級を指す名詞。
The clergy occupy a high social position in England.
イングランドでは聖職者の社会的地位は高い。
Frequently enough, the police are themselves in league with some gangs.
よくあることだが、警察自体がいくつかの暴力団とぐるになっている。
Two thousand people died in what became a dead city.
死の街となった所で二千人の人々が亡くなった。
[1-3-2-1]数を表す不定の数量詞だけでなく具体的な数を表す数量詞も付けられる。量を表す数量詞は付けられない。
/many/×much/seven/ police are on duty there.
そこでは/多数の/七人の/警察官が勤務している。
[1-3-3]日常でよく出てくるものについて特に説明する。
[1-3-3-1] furniture。集合名詞のようだが実際は不可算名詞であり、複数形になることはない。
There were four pieces of furniture in the room.
部屋には家具が4点あった。
[1-3-3-2] fruit。通常、不可算名詞だが、種類をいうときは可算名詞であり、複数形になりえる。
These trees bear much fruit?
この木にはたくさんの果物がなりますか。
I like fruits such as orange and grapefruit.(種類)
私はオレンジやグレープフルーツのような果物が好きです
[1-3-3-3] fish。これはややこしい。通常、可算名詞、単複同形で複数形は fish。種類をいうときは可算名詞で複数形はfishes。魚肉の意味では不可算名詞。
He caught three fish.(単複同形)
彼は魚を3匹釣った。
There are many fishes in the Pacific.(種類)
太平洋にはたくさんの種類の魚がいる。
/dried/wet/salted/ fish(魚肉→不可算名詞)
/干し魚/鮮魚/塩漬け魚/
[1-3-3-4] hair
通常、不可算名詞。一本一本を指すときは可算名詞。
She has thick hair.
彼女は髪の毛が多い。
You have some gray hairs.
あなたには白髪が何本かあります。
[1-3-3-5] people 人々を指すときは police型で常に複数扱いであり、ten, twenty などの具体的な数量詞を付けられる。民族国民を指すときはfamily型。
There were twenty people at the meeting.
その会合には20人の人が出席していた。
There are many peoples in Asia.
アジアには多数の民族が分布する。
[1-3-3-6] sport。一般のスポーツを指すには英では不可算名詞。米では可算名詞であり、通常、複数形で用いる。
All her family like /英sport/米sports/.
彼女の家族は皆、スポーツが好きだ。
[1-4] A of B の数の一致
[1-4-1] A of B で B の数に従うA
most, half, part, a part, the rest, some, any, all, a lot, lots, plenty,
Part of the house is of stone.(可算名詞単数形、単数扱い)
その家の一部は石でできている。
Part of the applicants are aged people.(可算名詞複数形、複数扱い)
志願者の一部は高齢者だ。
The rest of the day was spent in reading.(可算名詞単数形、単数扱い)
その日の残りは読書に費やされた。
The rest of us are to stay behind.(代名詞複数形、複数扱い)
私たちの残りは後に残ることになっている。
Some of these apples are bad.(可算名詞複数形、複数扱い)
これらのリンゴのいくつかは腐っている。
Some of the milk was spilt on the carpet.(不可算名詞、単数扱い)
そのミルクのいくらかはじゅうたんにこぼれていた。
[1-4-2] A of B で常に複数扱いの A。意味からして B に常に可算名詞複数形が来る A である。
a number, many, a few, few
[1-4-3] A of B で常に単数扱いの A。意味からして B に不可算名詞が来る A である。
a quantity, a deal, much, a little, little
[1-4-4] A of B で集合名詞の大原則通りに扱われる A
couple, series
[1-4-5]その他
[1-4-5-1] pair は、動詞については単数扱い。それを受ける代名詞については複数扱い。また、反復するときは one で受けず、pair で受ける。
I bought a pair of socks and gave them to her daughter.
私はソックスを買って彼女の娘に与えた。
This pair of shoes /is/×are/ not mine. Mine is that new /pair/×one/.
この靴は私のではありません. 私のはあの新しい靴です。
[1-4-5-2] seriesについて。a series of の後の名詞が複数形でも動詞は単数で受けるのが原則。だが、複数で受けることがある。series 自体は単複同形である。/two/three/ series ofなら複数で受ける。
A series of talks /was/were/ held between the two countries.
一連の会談が二国間で開かれた。
[1-4-5-3] kind of の前後の数について
/a/the/this/that/ /kind/sort/type/ of 無冠詞単数名詞が原則。動詞は単数で受ける。だが、these /kind/sort/type/ of 無冠詞複数名詞、these /kind/sort/type/ of 無冠詞単数名詞、these /kinds/sorts/types/ of 無冠詞複数名詞さえも可能。それらは複数扱いする
I love /this/these/ type of /game/games/.
私はこのようなゲームが好きだ。
[1-5]固有名詞
[1-5-1]限定語句が付き、固有名詞の部分が限定される場合、本来 the の付かない固有名詞に the が付く。
I am interested in the France of the eighteenth century.
私は十八世紀のフランスに興味がある。
That was the Florence she loved.
それが彼女が愛するフローレンスだった。
[1-5-2]~家の人、~家の人々、~という人、物、~のような人、~の製品、作品、などの意味を表し固有名詞が普通名詞のように扱われる場合、固有名詞が可算名詞として扱われ、冠詞が付いたり複数形になったりする。
Her mother was a Johnson.
彼女の母親はジョンソン家の人だった。
All the Woods like /英sport/米sorts/.
ウッド家の人々はみなスポーツが好きだ。
There's a Spencer to see you.
スペンサーという人があなたに会いに来ておられます。
There are many Manchesters in the world.
世界にはマンチェスターという都市はたくさんある。
He will be a Lincoln some day.
いつか彼はリンカーンのような人になるだろう。
He is the Napoleon of crime, Watson.(唯一のものとして限定される場合は the が付く)
彼は犯罪の帝王だ。ワトソン君。
His car is a Ford.
彼の車はフォードの製品だ。
The museum owns two Renoirs and a Matisse.
その美術館はルノワールの作品二点とマチスの作品一点を所蔵している。
[1-5-3]家族、親戚の構成員を表す普通名詞が無冠詞で固有名詞として扱われることがある。大文字始める。
Is Aunt coming tonight?
叔母さんは今晩、来るの?
[1-5-4]唯一物を表す普通名詞が、the が付いて、固有名詞として扱われることがある。大文字で始めるものもある。
the sun, the earth, the God, the Tower, the President
太陽、地球、神、ロンドン塔、大統領
[2]名詞の名詞的用法以外の用法
[2-1]形容詞的用法
さらに以下に分類される
限定用法
叙述用法
主格補語
目的格補語
名詞句の後に置かれる(後位用法)
[2-1-1]名詞の形容詞的用法のうちの叙述用法。主語または目的語がもつ属性を補語としてそのまま示すことがある。属性を示す前置詞 of が省略されたと考えてよい。
[2-1-1-1]主格補語
The plank is not (of) the right width.
その板は幅が正しくない。
This book is (of) the same size as that.
この本はそれと同じ大きさだ。
What color is it?
それは何色ですか。
What price is that article?
その品物はいくらですか
[2-1-1-2]目的格補語
I always thought her rather a cold temperament.
彼女はかなり冷たい気質をしていると私はいつも考えていた。
What colour shall I paint your door?
ドアを何色に塗りましょうか?
[2-1-1-3]名詞句の後に置かれる(後位用法)
She extended a hand the color of cream.
彼女はクリーム色の手を差し伸べた。
I want to buy a car this size.
私はこれぐらいの大きさの車を買いたい。
[2-1-2]形容詞的限定用法の名詞の数。単数形が用いられる。ただし、複数形に固有の意味があるものや複数形のほうが正確というものを除く。
armchair
肘掛け椅子
toothbrush
歯ブラシ
strawberry-picking
イチゴ摘み
a trouser pocket
ズボンのポケット
a customs officer ×custom officer(税関という意味では複数形)
税関吏
arms race ×arm race(兵器という意味では複数形)
軍備競争
human rights activists(人権に様々なものがあることを強調している)
人権活動家
[2-1-2-1]数詞が付く場合について複雑だが、まとめてみる。数詞+名詞の形容詞的用法+名詞では形容詞的用法の名詞を複数形にしない。また、数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の限定用法+名詞においても形容詞的用法の名詞を複数形にしない。それに対して、数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の叙述用法では形容詞的用法の名詞を複数形にする。また、数詞+'s所有格+名詞においては、's所有格の名詞を複数形にする。
a six-year-old girl(数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の限定用法+名詞)=
a girl of six=
a girl six years old(名詞の後ろに数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の叙述用法が来たもの)
六歳の少女
A hairless sixty-seven-year-old man was staring back at me from the mirror.(数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の限定用法+名詞)
髪の毛のない六十七歳の男が鏡から私を見返していた。
a six-foot-tall boy(数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の限定用法+名詞)=
a boy six feet tall(名詞の後ろに数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の叙述用法が来たもの)=
身長6フィートの少年
a three hour delay(数詞+名詞の形容詞的用法+名詞)=
a delay of three hours=
a three hours' delay(数詞+'s所有格+名詞)
三時間の遅れ
[2-2]名詞の副詞的用法。昔は現代の目的格の一部に相当する対格というものがあり、名詞が対格として前置詞なしで副詞的に機能することがあった。その名残である。
Come this way, please.(this way が動詞 come を修飾する)
こちらへおいでください。
You are one train late.(one train が形容詞 late を修飾する)
あなたは一電車遅れています。
I always travel second class.(second class が動詞 travel を修飾する)
私はいつも二等で旅行をする。
The boy was nothing daunted.(nothing が形容詞的過去分詞 daunted を修飾する)
少年は少しもひるまなかった。
[2-3]名詞が接続詞のように現れることがある。さらに、それに関係副詞、when, that が続くことがある。
every time, next time, the moment, the instant
Give me a call next time (/when/that/) you come to Japan.
今度日本に来られるときには電話をしてください。
[3]名詞の性
[3-1]乳幼児、子供、babies, children
性別が不明または問題にならない場合は、it, who or which で受ける。親近感を表す場合は /he/she/, who で受ける。
"The child's father resembles it", "You are mistaken there; it is its father it resembles."(The child's father を it が受けている。二番目の it は強調構文の it である。強調構文の that は省略されている)
「その子の父親はその子に似ている」「それは間違いです。子供が父親に似ているのです」
The child showed me her doll.(女の子であることを強調している)
その子は私に自分の人形を見せてくれた。
[3-2]動物、animals
性別を問題にしなければ it, which で受ける。親近感を表す場合、擬人化する場合は /he/she/, who で受ける。
The cat caught a hen and killed it.(性別を問題にしない)
その猫は雌鶏を捕まえて殺した。
There was a rhino who came here each night.(親近感を表して who で受ける)
毎晩、ここにやって来るサイもいた。
[3-3] student, teacher, parent などの人間の男性も女性もなりうる地位、職業などを表す名詞は、性別に応じて、/he/she/, who で受ける。性別が不明または問題にならないまたは男女に共通のことがらを説明するときは、
① he で受けることは、性差別として現代ではない
② he or she で受けるのは、論理的だが、法律、公文書などで格式体
③ 単数名詞であっても they で受けるのが普通体。
A student who wants a passing grade must turn in his thesis.(古語)
A student who wants a passing grade must turn in his or her thesis.(格式体)
A student who wants a passing grade must turn in their /thesis/theses/.(普通体。この意味用法の /they/them/their/は単数扱いであり、thesis(単数形)でもよい)
合格点をもらいたい学生は論文を提出しなければならない。
[3-4] everyone, someone, anyone, no one などの単数の不定代名詞も同上である。
Has everyone finished their drinks?(普通体)
みんな飲み終わったかい。
Anyone can do it if they try.(普通体)
Anyone can do it if he or she tries.(格式体)
誰でもやってみればできる。
Nobody knows what his fate will be.(古語)
だれも自分の運命を知らない。
[3-5]古典語や他言語の性の影響
例えば、国名、都市名が女性扱いされることがあるのは、それらの名称がラテン語由来であり、元のラテン語の性が女性であったことによる。
England may well be proud of her poets.
イングランドがその詩人を誇りとするのは無理もない。
[3-6]文化的影響による性
その時代、地域の文化の影響を受け、定式はない。雄大で激烈なものは男性扱い、優美、可憐、生産的なものは女性扱いされることが多い。
I love Wisdom more than she loves me.
私は知恵が私を愛する以上に知恵を愛している。
The ship, /which/×who/ was on her maiden voyage, was way behind schedule.(関係代名詞まで who にすることはない)
その船は処女航海に出ていたが、大幅に遅れていた。
[4]名詞の複数形注意点
[4-1]規則複数注意点
[4-1-1]歯擦子音で終わる語には"es"を付ける。ただし、語尾に e があれば s だけを付ける。
glass→glasses
class→classes
[4-1-1-1] house の複数形 houses の発音。語尾を"iz"と発音するだけでなく、語幹の末尾の発音が"s"から"z"に変わる点に注意。つまり、houses[hauziz]
[4-1-2]子音+yで終わる語。y を i に変えて es を付ける。
spy→spies
city→cities
lady→ladies
[4-1-3]一音節語で短母音+1つの子音字または二音節以上の語で最後の音節にアクセントがあり、短母音+1つの子音字のとき、語尾の子音を重ねることがある。これは短母音の読みを保持するためである。
bus→/buses/busses(米で時に)/
[4-1-4]/長母音/二重母音/+th→ths(濁音)、/長母音/二重母音/+/f/fe/→vesとなることが多い。
bath→baths
path→paths
mouth→mouths
knife→knives
leaf→leaves
wife→wives
[4-1-5] o で終わる語
子音+o では es を付ける。母音+o では s を付ける。ただし、外来語と短縮語では子音+o でも s を付けるだけ。結局、s を付けるだけの語が多い。それは o で終わる語は外来語に多いためである。
[子音+o、外来語ではない]
hero→heroes
potato→potatoes
tomato→tomatoes
[母音+o]
bamboo→bamboos
folio→folios
zoo→zoos
radio→radios
[外来語]
solo→solos
tobacco→tobaccos
piano→pianos
photo→photos
kilo→kilos
pro→pros
[短縮語]
NGOs
[4-1-6]固有名詞の複数形の作り方。上記の規則に従わず元の綴り方を保持する。
〇the Kennedys
×the Kennedies
[4-1-7]文字、数字、記号、略号の複数形の作り方。"'s"を付けるのが原則だが、1980sなど誤解がない場合は"s"だけ付るのが最近の傾向である。
Dot your i's and cross your t's.
言動に注意を払いなさい。
[4-2]不規則複数の型
[4-2-1] -(r)en
children, oxen, brethren
[4-2-2]変母音複数
foot, goose, lice, men, mice, teeth,
[4-2-3]外来語について
[4-2-3-1]ギリシア語、ラテン語。徐々に英語化して、規則複数-(e)sになる傾向がある。
criterion(s)/criteria
dogma(s)/dogmata
schema(s)/schemata
focus(es)/foci
nebula(s)/nebulae
medium(s)/media
vortex(es)/vortices
[4-2-3-2]古典語の意味または学術的な意味では原語の複数形をとり、それらから派生する日常的な意味では s を付けることが多い。
phenomenon
phenomena(現象)
phenomenons(驚くべきもの、非凡な人)
stigma
stigmata(聖痕)
stigmas(汚名、烙印)
antenna
antennae(触覚)
antennas(アンテナ)
formula
formulae(公式)
formulas(決まり文句)
index
indices(指標)
indexes(索引)
[4-2-3-3]原語の単数形が用いられず複数形のみが単複同形で用いられるものがある。
datum(原語の単数形)
data(原語の複数形だが、これが単複同形として用いられる)
The data has been gathered from many sources.(単数形)
そのデータは多くの情報源から集められた。
We cannot tell you the results until we have looked at all the data.(複数形)
すべてのデータを調べてからでないと結果はお話できません。
[4-2-4]複合名詞の複数形の作り方
①構成要素に名詞があるとき、主要な名詞を複数形にする。
fathers-in-law, passers-by
②/man/woman/+名詞は両者を複数形にする。
menservants, women-suffragists
③構成要素に名詞がないとき、最後の語を複数形にする。
forget-me-nots, merry-go-rounds
[4-3]単複同形、その型
[4-3-1]動物のいくつかの種。群れをなし個体と群れの区別が重要でないような種である。
fish(後述), salmon, trout, carp, sheep, deer
[4-3-1例外]種類を意味するときは、fish の複数形は fishes である。つまり、fish は種類を意味するときは単複異形である。
He caught one fish and she caught ten fish.
彼は魚を一匹釣り、彼女は10匹釣った。
The aquarium exhibits many fishes.(種類を意味する)
その水族館は多くの種類の魚を展示している。
[4-3-2] -ese で終わる国民を意味する固有名詞。ese が複数の s を連想させるためである。
Burmese, Chinese, Japanese
[4-3-3]数量の単位のいくつか
hundred, thousand, dozen, score, head, pound, yen
[4-3-3例外1]それらも数が大きいことを表す概数を表すときは -s を付ける。
dozens of glasses
何ダースものグラス
tens of thousands of police
何万もの警察官
上のように数が大きいことを表す概数を表すときで、数量の単位が二個続くときは、二個ともに複数形にする。
[4-3-3例外2] million, billion は純粋な数量を表すときでも 名詞的用法では -s を付けることがある。
three million dollars(形容詞的用法)
He is said to be worth five hundred millions.(名詞的用法)
彼は5億の財産家だそうだ。
もちろん、それらも概数を表すときは -s を付ける。
Millions of civilians died in the Vietnam war.
ベトナム戦争では何百万人もの民間人が亡くなった。
Tens of millions of civilians died in the Second World War.
第二次世界大戦では何千万人もの民間人が亡くなった。
[4-3-3例外3]上の例のような数量が大きいことを表す概数では、A of B のA,Bの両方を複数形にする。それに対して、一秒の何分の一のような数量が大きいことを表さない概数ではBを単数にする。
The contraction of a muscle lasts for tenths of a second or seconds.
筋肉の収縮は一秒の何十分の一または数秒の間、持続する。
[4-3-3-1]特に foot については説明しておく必要があると思う。2フィート以上について、
①あとにインチを示す数詞を伴う場合は foot がふつう。
He is five foot two.
彼は身長が5フィート2インチだ。
②何も伴わないときや「数詞+inch(es)」を伴うときは feet がふつう。
Its length is six /feet/×foot/.
その長さは6フィートだ。
Its length is five /feet/foot/ two inches.
その長さは5フィート2インチだ。
③記号では5′2″(=five feet two inches)のように表す。
④名詞を前位修飾するときは常に単数形
There is a five-foot-deep river
深さ5フィートの川がある
⑤形容詞を修飾するときは複数形が普通。
He is five feet tall.
彼の身長は5フィートだ.
It is nearly 50 feet high.
それは高さがほぼ50フィートある。
[4-4]絶対複数。常に複数形で用いられる名詞。呼応は必ずしも複数扱いではない。
[4-4-1]対の部分からなる衣服、道具。複数扱い。数詞、不定数詞を直接、付けられない。数詞を付ける場合は - pair(s) of - を用い、その場合、 a pair of - は動詞の受け方は単数扱い、代名詞の受け方は複数扱い。two pairs of - などは複数扱い。pair は 代名詞 one で受けられない。
These pants are dirty.(複数扱い)
このズボンは汚れている。
several pairs of slacks(複数扱い)
スラックス数本
My shoes are so tight that they pinch my toes.(複数扱い)
私の靴はきついので足指が締め付けられる。
This pair of shoes /is/×are/ not mine. Mine is that new /pair/×one/.(動詞の受け方は単数扱い)
この靴は私のではありません。それは彼のです。私のはあの新しい靴です。
[4-4-2] -icsで終わる学問名。単数扱い。ただし、学問名でない場合は複数扱いが多い。ただし、単複両様に扱えるものもある。
[4-4-2-1]学問名を意味しないときは複数扱いするもの
Economics(経済学→単数扱い、経済状態、経済問題→複数扱い),
statistics(統計学→単数扱い、統計→複数扱い)
The economics of the country still /need/×needs/ to be looked at carefully.
その国の経済状態はまだ注意深く見守る必要がある.
These statistics show deaths per 1,000 of the population.
この統計は人口1000人当たりの死者を指す。
[4-4-2-2]学問名を意味しないとき単複両様扱いするもの
mathematics(数学→単数扱い、数学的処理、計算→単複両様扱い)
If my mathematics /is/are/ right, the answer is 142.(一つの計算を意味すれば単数扱い、複数の計算を意味すれば複数扱い)
私の計算が正しければ、答えは142だ。
[4-4-2-3]意味によって扱いの違うもの。
politics (政治学→単数扱い、政治→単数扱い、政治的見解、政策→複数扱い)
Politics is an uncertain business.
政治はつかみどころのないものだ。
What are your politics?
あなたの政治的見解はどうですか?
[4-4-3]身体の部分。複数扱い。
bowels(腸)
entrails(内臓)
loins(生殖器)
gums(歯肉)
[4-4-4]ゲーム。単数扱いと単複両様扱いがある。
[4-4-4-1]単数扱い
billiards(ビリアード)
dominoes(ドミノ)
[4-4-4-2]単複両様扱い
cards(トランプ)
[4-4-5]病気。単複両様扱い。
blues(憂鬱)
dumps(塞ぎ込み)
measles(麻疹)
mumps(おたふくかぜ)
[4-4-6]場所、建物。単複両様扱い。
links(ゴルフ場)
precincts(車の入れない専用区域(英)、投票区(米))
outskirts(郊外)
surroundings(環境)
barracks(兵舎)
eaves(ひさし)
headquarters(本部)
works(工場)
The ironworks /is/are/ on sale.(敷地が複数あれば複数扱い、一つの敷地ならば単数扱い)
その鉄工所は売りに出されている。
[4-4-7] means。「手段」は単複両様扱い。「財産」「収入」は複数扱い。
A means of transport is essential.
交通手段が不可欠である。
Several means of transport are available.
いくつかの交通手段が利用可能である.
His means have been much reduced.
彼の収入はひどく減った。
[4-4-8] series。単複両様扱い。
A series of lectures was given.
一連の講義が行われた。
Several series of lectures were given.
何回か続きの講義が行われた。
[4-4-9] species。単複両様扱い。
That species has died out.
その種は絶滅した。
Many species of butterflies are found on that island.
その島には多くの種類の蝶がいる。
[4-4-10] pains「骨折り」。複数扱い。ただし、manyで修飾できない。ちなみに、pain「苦痛」は不可算名詞であり、単数扱い。
He takes /great/×many/ pains with his pupils.
彼は生徒のことでたいへん骨を折る。
[4-4-11] clothes 複数扱い。
[4-5]二通り以上の複数形をもつ名詞。多くは意味が異なる。規則複数と異なる複数形は原語に近い意味をもつ。
brothers(兄弟), brethren(同胞、同信者)
cloths(布地), clothes(衣服)
dies(ダイス型), dice(さいころ、複数扱い)
geniuses(天才), genii(守り神)
indexes(索引), indices(指標)
pennies(ペニー硬貨), pence(ペンス(金額))
This biro costs 60 pence.
このボールペンは60ペンスだった。
Would you please change a pound note into pennies?
1ポンド紙幣をペニー硬貨に両替してもらえませんか。
[4-6]分化複数。複数形が単数にない意味をもつもの。もっとも、元の意味から発展する。以下、特に断りのない限りは複数扱いである。
advice(忠告、不可算名詞), advices(通知)
arm(腕), arms(武器、数詞、複数扱いだが、many,fewを付けられない)
confidence(信頼、自信), confidences(打ち明け話、内緒事)
custom(習慣), customs(関税、単複両様扱い。税関、複数扱い)
effect(結果), effects(動産)
force(力), forces(軍隊)
letter(文字、手紙), letters(文学、単複両様扱い)
look(見ること), looks(容貌)
have one's good looks
美貌に恵まれる
lose one's looks
美貌が衰える
manner(方法、態度), manners(行儀、風習)
premise(前提), premises(建物と敷地)
quarter(四分の一), quarters(宿舎)
respect(尊敬), respects(よろしくという伝言)
Give my respects to the widow and children.
(夫を亡くした)奥様とお子さんたちによろしくお伝えください。
spectacle(光景), spectacles(眼鏡)
good(善), goods(商品)
spirit(精神), spirits(気分、精神状態)
be in /high/good/great/ spirits
上機嫌である
be in /low/poor/ spirits (=be /low/poor/-spirited)
意気消沈している
[5]名詞の複数形の意味用法
[5-1]無冠詞名詞の複数形の意味
[5-1-1]未限定の複数のものを指す。some が省略されたと考えればよい。
She bought apples, not grapes.
彼女はブドウではなくリンゴを買った。
[5-1-2]一般のものを指す総称。
Owls cannot see well in the daytime.
フクロウは日中、目がよく見えない。
I like horses.
私は馬が好きだ。
[5-1-2補足]総称を指す四つの方法
①不定冠詞(a)+可算名詞の単数形
A tiger is a dangerous animal.
トラは危険な動物である。
②定冠詞(the)+可算名詞の単数形
The tiger is a dangerous animal.
③(無冠詞)可算名詞の複数形
Tigers are dangerous animals.
④(無冠詞)不可算名詞
Oil floats on water.
油は水に浮く。
①は、一つを代表として挙げ論じる「任意」のというような意味がある。全体を論じることはできない。例えば、以下は間違い。
×A tiger is being extinguished.
トラは絶滅しつつある。
②典型的なという意味を指す。例えば、サーカスのトラは除外される。これも、全体を論じることはできない。
③④総称として最もよく用いられる。
[5-1-3]強意複数。量の大きさを表す。主として物質名詞、抽象名詞で。
The ship was sailing across the waters.
船はその海域を航海していた。
It is a thousand pities.
それは非常に残念だ。
Many thanks.
大変、ありがたい。
The moon was already bright in the heavens.(定冠詞を付けて the heavens で=sky。古語である。)
空には既に月が照っていた。
She was down in the depths of despair.
彼女は絶望のどん底にいた。
be lost in the mists of time
時間という霧のかなたに紛れてしまう.
[5-1-4]相互複数。複数でなければ成り立たないものを複数で表す。
Shall we exchange seats?
席を変わりましょうか。
You must change cars at this station.
この駅で乗り換えです。
I am friends with him.= He and I are friends.
私は彼と友達です。
I'll be lovers with my crush.
今は片思いの人と恋人同志になるでしょう。
He and she are lovers.
彼と彼女は恋人同士だ。
[5-1-5]数詞の複数形。以下がありえる。
[5-1-5-1]数字が複数あることを示す。
My ID number is four fours by accident.
私のID番号はたまたま、4444です。
[5-1-5-2]on all fours などの成句で。on all four limbs の limb が省略されたもの。
To go on all fours is to crawl on all four limbs.
To go on all fours というのは4本の手足で這うことである。
[5-2]名詞の複数形の用法
[5-2-1]名詞が複数扱いされた場合、基本的に動詞は複数形をとり、代名詞は複数代名詞で受ける。例外は前述。
The first modern police were probably those in 17th-century Paris.
最初の近代的な警察は恐らく17世紀のパリのものだろう。
[6]名詞の対格
[6]現代の英語の名詞には主格、目的格、所有格があるのに対して、古い英語の名詞には主格、対格、与格、奪格、所有格があった。対格は現代の直接目的語に相当し、主として物を手渡しなどで直接的に与えたりする。与格は現代の間接目的語に相当し、主として人に与えるが、それは物を手渡しなどで受け取った後、人はなんらかの方法で保管しなんらかの目的で使用しなんらかの利害を得る。そのように間接的である。他にも対格には用法があった。それが現代にもわずかに残っている。それらを説明する。
[6-1]属性を示す対格。通常、属性の of を補うことができるが、of がないほうが普通である。主格補語、目的格補語として、また、名詞の後において同格として機能する。
This building is (of) the same size as that one.(主格補語)
このビルはあのビルと同じ大きさだ。
What age is he?(主格補語)
彼は何歳ですか。
What price is that article?(主格補語)
その品物の値段はいくらですか。
What are potatoes today?(主格補語)
きょうはポテトはいくらですか。
What color shall I paint your door?(目的格補語)
ドアを何色に塗りましょうか。
Why can't you be like other girls (of) your age?(前の名詞と同格)
何故、君は同年代の女の子みたいになれないのか。
Nowhere could I discern a cloud (of) the size of a man's hand.(前の名詞と同格)
どこにも手のひらほどの雲も見えなかった。
The table is about this high.(主格補語)
そのテーブルはこれくらいの高さだ。
This is a model, the size of life.(前の名詞と同格)
これは実物大の模型です。
[6-2]副詞的対格。古い英語の対格は副詞として用いることができた。その一部が慣用的に残っている。
[6-2-1]空間的副詞
He fell all his length.(動詞を修飾)
彼はばったり倒れた。
Step this way, please.(動詞を修飾)
どうぞこちらへ。
The sea went mountains high.(補語である形容詞 high を修飾)
海の波は山のように高くなった。
[6-2-2]時間的副詞
They danced all the evening.(動詞を修飾)
彼らは一晩中踊った。
I'll come next Thursday.(動詞を修飾)
次の木曜日に来ます。
[6-2-3]程度を表す副詞
He talked a great deal.(動詞を修飾)
彼は大いに語った。
I see you haven't changed an atom.(動詞を修飾)
私はあなたが少しも変わっていないことが分かります。
[6-2-4]様態を表す副詞
We sat tailor fashion.(動詞を修飾)
私たちはあぐらをかいて座った。
He ran out bare-foot.(動詞を修飾)
彼は素足で走り出た。
We shall see God face to face.(動詞を修飾)
私たちは神を面と向かって見るだろう。
[6-2-5]対句になっている副詞
They walked day and night.
彼らは昼も夜も歩いた。
[6-3]動名詞、不定詞、分詞の主語を示す対格。
[6-3-1]動詞的動名詞は主語を所有格または対格で示す。
I have no objection to him coming to stay.
私は彼が泊まりに来ることに異存はない。
[6-3-2]通常、不定詞の主語は for で示すが、for が現れないとき、それは対格である。
I like boys to be quiet.
私は男の子が大人しくしているのが好きだ。
[7]名詞の与格
[7-1]SVIODO型文型のIO(間接目的語)が与格の一用法である。
[7-1-1] to句で書き換えられる普通に物を受領する人・物を示す与格。
He gave the girl a book.=
He gave a book to the girl.
彼はある本をその女の子に与えた。
[7-1-2] for句で書き換えられる利害を受領する人・物を示す与格
He bought his daughter a new dress.=
He bought a new dress for his daughter.
彼は娘に新しいドレスを買った。
She bought herself a new dress.=
She bought a new dress for herself.
彼女は新しいドレスを買った。
He built himself a house.=
He built a house for himself.
彼は家を建てた。
She will make him a good wife.=
She will make a good wife for him.
彼女は彼にとって良い妻になるだろう。
Boil me some water.=
Boil some water for me.
私にお湯を沸かしてくれ。
[7-1-3] 前置詞句で書き換えられない利害を受領するものを表す与格
It will last you for life.
それは一生もちます。
The meal cost us about £40.
その食事は40ポンドほどかかった。
I can refuse you nothing.
私はあなたには何も断れません。
He bored me a deep-rooted grudge.
彼は私に根深い妬みを抱いていた。
Don't grudge /his success/him his success/.
彼の成功をねたむな.
People envied (him) his wealth.=
People envied him /for/on account of/because of/ his wealth.
人々は彼の財産をうらやましがった。
[7-1-4]SVO文型で古い英語の与格と考えられる目的格
I thanked him.(~に感謝を与える)
私は彼に感謝した。
I believe you.(~に信を与える)
私は君の言葉を信じる。
The umbrella stood me in good stead.(~に効能を与える)
その雨傘はとても私の役に立った。
[7-2]聞き手の注意を引くために挿入される you, me。現代英語では for you で表現される。
There's a queer woman for you now!
それはそれは奇妙な女が来ているんですよ。
There are some fine apple for you!
それはそれは見事なリンゴがあるんですよ。
[7-補足] SVIODO文型で間接目的語の中には of を用いて書き換えられるものがある。ask である。
May I ask you a favor.=
May I ask a favor of you.
お願いしていいですか。
これは他言語にある奪格に等しい。奪格は「~から(奪う)」という意味である。古い英語にも奪格があったのであり、ask にだけそれが残っている。
[8]所有格(属格)
[8]所有格(属格)には、's所有格とof所有格がある。人の所有格には's所有格を用い、物の所有格にはof所有格を使う慣用があったが、現代では人についても物についても 's所有格を使う傾向にある。
[8-1]'s所有格の作り方
①-sで終わらない単数形名詞、-sで終わらない複数形名詞には「's」を付ける。
②-sで終わる複数形名詞には「'」だけを付ける。
③複数形名詞以外でsで終わる名詞について、「'」「's」の両様がありえる。古代、中世の人名には「'」、それ以外には「's」を付けることが多い。
Socrates' death(古代ギリシア)
ソクラテスの死
Jesus' teachings(古代ローマ)
イエスの教え
Keats's poems(近代イギリス)
キーツの詩
Dickens's novels(近代イギリス)
ディケンズの小説
[8-1-1]名詞句、名詞節の所有格。最後の語に「's」または「'」を付けて所有格にすることがある。現代では長い句、節も所有格になりえる
[Who else's] hat is this?
これは他の誰の帽子ですか。
That's [the man I saw yesterday's] son.
あれは昨日私が会った人の息子だ。
[8-1-2] AとBの共通のCという場合は、A and B's Cとし、DのFとEのFという場合は、D's F and E's F または D's and E's Fs(複数形) とする。
Ann and Richard's close friend
アンとリチャードの(共通の)親しい友達
共通の親しい友達が複数いれば、
Ann and Richard's close friends
Steele's and Addison's works
スティールの著作とアディソンの著作
[8-1-3]二個の所有格を繋げることも可能である。
Tim's father's shop
ティムの父親の店
He was my father's sister's husband.
彼は私の父の妹の夫だった。
[8-1-4]三個以上の所有格の連結は極めて稀である、俗語か洒落である。of を用いるのが普通。
John is a connection of Mary's mother's family.
ジョンはメアリーの母親の家族の親戚だ。
[8-2]s'所有格も冠詞相当語句(a, the, this, that, some, any, no, etc)に含まれ、英語では冠詞相当語句を二個以上繋ぐことはできない。冠詞相当語句と所有格が続くように見える場合は以下のいずれかである。
[8-2-1]他の冠詞相当語句と名詞が一つの名詞句を構成して名詞句の所有格として後続する名詞を修飾する。
[the man's] son
その男の息子
[a lady's] bag
ある婦人のバッグ
[8-2-2]所有格が用途、目的などを表し後続する名詞を修飾するなどして結びつきの強い名詞句を構成し、その名詞句を他の冠詞相当語句が修飾する。
the [women's college]
その女子大学
a [ladies' hat]
ある夫人帽
this [our land]
この母国
on the eve of this [her sixty-third birthday]
この彼女の63歳の誕生日の前夜に
The American Congress gave Nixon a [hero's welcome].
アメリカ議会はニクソンを英雄として歓迎した。
[8-2-3]数詞+'s所有格+名詞も可能である。他に、名詞+of+数詞+名詞、数詞+名詞(名詞の形容詞的用法、名詞は単数形)+名詞も可能である。
a three hours' delay =
a delay of three hours =
a three hour delay
3時間の遅れ
a ten pounds' baby =
a baby of ten pounds =
a ten pound baby
10ポンドの赤ちゃん
[8-3]無生物名詞については of所有格を用いるのが標準だったが、's所有格は増加傾向。特に米で。
[8-3-1]慣用句のいくつかでは、's所有格だけが用いられる。's が省略されえるものもある。
to one's heart's content
心ゆくまで
at one's wits' end
途方に暮れて
for /God's/Christ's/heaven's/goodness(')/conscience(')/ sake
お願いだから
for its own sake
それ自身が目的で
one's journey's end
旅路の果て、人生の終わり
at the water's edge
水際で
For God's sake, give up smoking.
お願いだからタバコを吸うのはやめてください。
I study philosophy for its own sake though it seems useless.
役に立ちそうにないが、私は哲学をそれ自身が目的で勉強する。
[8-3-1-1]それらの慣用句から少しでも外れると、必ずしも's所有格でなくなる。例えば、at the water's edge の water, edge の代わりに lake, surface が来ると、また、for its own sake において own が抜けると、以下のようになる。
They camped at the water's edge.
彼らは水際でキャンプをした。
They camped at the edge of the lake.
彼らは湖の際でキャンプをした。
The mountain was reflected on the surface of the water.
山は水面に反射していた。
She was generous with her money /for her name's sake/for the sake of her name/.(これについてはs'所有格もof所有格も可能)
彼女は自分の評判のため気前よく金を出した。
[8-4]所有格の意味
[8-4-1]狭義の所有
John's passport(the passport which John have)
ジョンのパスポート
[8-4-2]人間関係
my son's wife(the wife who my son have)
息子の妻
John's lawyer
ジョンの弁護士
[8-4-3]所属、帰属
this girl's class
この女の子のクラス
a flock of birds
鳥の群れ
[8-4-4]属性・機能・傾向・習性など抽象的なもののの所有。これはよくある。
a woman's voice(the voice which a woman utters)
女の声
a man's roughness(the roughness which a man has)
男の粗暴さ
a mother's love(The love which a mother has)
母性愛
a fool's errand(the errand which a fool does)
無駄骨
a child's play
児戯
The party's policy=the policy of the party
その政党の政策
The earth's gravity(the gravity which the earth has)
地球の重力
[8-4-5]起源、創造
the girl's story(the story told by the girl)
その少女の話
Einstein's theory(the theory constructed by Einstein)
アインシュタインの理論
[8-4-6]時間
today's news
今日のニュース
a summer's day
ある夏の日
[8-4-7]空間
the earth's surface = the surface of the earth
地球の表面
the baby's eyes
その赤ちゃんの目
[8-4-8]数量
ten days' absence
10日間の不在
four pounds' weight
4ポンドの重さ
[8-4-8-1]数詞+名詞の's所有格+名詞においては、's所有格の名詞を複数形にすることができる。それに対して、数詞+名詞の形容詞的用法+名詞では形容詞的用法の名詞を複数形にしない。また、数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の限定用法+名詞においても形容詞的用法の名詞を複数形にしない。それに対して、数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の叙述用法では形容詞的用法の名詞を複数形にすることができる。
a three hour delay(数詞+名詞の形容詞的用法+名詞)=
a delay of three hours=
a three hours' delay(数詞+名詞の's所有格+名詞)
三時間の遅れ
a six-year-old girl(数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の限定用法+名詞)=
a girl of six=
六歳の少女
The girl is six years old.(数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の叙述用法)
その少女は六歳だ。
a five-foot-tall boy(数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の限定用法+名詞)=
身長5フィートの少年
The boy is five feet tall.(名詞+数詞+名詞の形容詞的用法+形容詞の叙述用法)=
その少年は5フィートの身長だ。
[8-4-9]用途、目的
a [women's college] = a college for women
女子大学
a [ladies' hat] = a hat for ladies
夫人帽
[8-4-10]動名詞、動詞由来の名詞、形容詞由来の名詞を修飾してそれらの主語を示す
I don't like your smoking.(動名詞)
君に煙草を吸ってほしくない。
We were surprised by the lady's appearance at the party.(動詞由来の名詞)
その婦人がパーティーに現れたことに私たちは驚いた。
Can you prove the man's innocence?(形容詞由来の名詞)
あなたはその男の無実を証明できますか。
Our teacher's absence has thrown the schedule out.(形容詞由来の名詞)
先生の欠席で予定が狂ってしまった。
[8-4-11]動名詞、動詞由来の名詞を修飾してその目的語を示す。目的語を示すには of所有格のほうがよく用いられる。特に、's所有格とof所有格が続く場合は前者は主語を示し後者は目的語を示す。
He is very keen about his children's education.(目的語)=
He is very keen about how to educate his children.
彼は自分の子供の教育に非常に熱心だ。
His education of his children is very earnest.('s所有格は主語を示し、of所有格は目的語を示す)=
It is very earnest how John educate his children.
彼の子供たちに対する教育は真剣なものだ。
I succeeded through your assistance.(主語)=
I succeeded because you assited me.
あなたの援助で私は成功しました。
They came to your assistance.(目的語)=
They came to assist you.
彼らは君を援助するために来たんだよ。
I appreciate your assistance of my students.('s所有格は主語を示し、of所有格は目的語を示す)=
I appreciate /you/your/ assisting my students.(動詞的動名詞の主語は目的格または所有格で示す)
私の学生に対するあなたの援助には感謝します。
The hostages' release took place yesterday.(目的語)=
They released the hostages yesterday.
人質の解放は昨日行われた。
[8-4-補足]名詞の's所有格、名詞のof所有格にその名詞の形容詞形が取って替わることがある。
The Iran-Iraq War began in 1980 with /Iraq's/an Iraqi/ invasion of Iran.(Iraqi はIraqの形容詞形)
イラン・イラク戦争は1980年のイラクのイランへの侵攻によって始まった。
[8-4-12] of所有格で属性を表す。
a man of action
行動の人
goods of high quality
高品質な商品
[8-4-13] of所有格で一般的部分を表す。
two of the students
それらの学生のうちの二人
eat /two portions/a double portion/ of food
二人前食べる
[8-4-14] of所有格で同格を表す。現代ではof所有格が使われる。内容のより詳細で具体的な説明になる。
the city of Roma
ローマ市
the crime of murder
殺人罪
[8-4-15] of所有格で素材を表す。
a crown of thorns
イバラの冠
raiment of camel's hair
ラクダの毛でできた衣装
[8-4-16] of所有格で比喩を表す。
a bruit of a husband
獣のような夫
an angel of a girl
天使のような少女
a rascal of a landlord
ならずもののような地主
[8-4-17] of所有格(名詞 of 同じ名詞の複数形)で最上級を表す。形容詞の最上級と併用する場合がある。
the holy of holies
最も神聖な場所
his foe of foes
彼の最大の敵
the poorest of the poor
最も貧しい人
[8-5]人と物についての使い分け以外の's所有格とof所有格の違い
①of所有格は属性、部分、材料、同格などの意味で専ら用いるられる。
②一般に's所有格を重ねることは避けられるが、of所有格はよく重ねられる。
③本来の名詞でない語は's所有格に成らない。
×the poor's life
〇the life of the poor③
貧しい人々の生活
④慣用的に意味が異なる場合がある。
The king's English
純正英語
The English of the king
国王の英語
[8-6]意外な所有格
〇someone else's
He was wearing someone else's coat.
彼は他の誰かのコートを着ていた。
〇each other's
The twins often wore each other's clothes.
その双子はよく服の取り換えっこをしていた。
[9]独立所有格
所有格が修飾する名詞句が省略されて、所有格が名詞句に転じたもの。
[9-1]独立所有格を用いる場合
[9-1-1]所有格が修飾する語が前後に存在する場合
These books are /John's/his/.
これらの本は/ジョン/彼/のものだ。
Ours is a small world.
私たちの世界は小さい。
[9-1-2]所有格が修飾する語が前後に存在しないが、文脈から了解される場合
I am staying at my uncle's.(house が省略)
私はおじの家に滞在している。
He underwent operation at St. Luke's.(hospital が省略)
彼は聖ルカ病院で手術を受けた。
You can get it at a greengrocer's.(shop or store が省略)
それは八百屋で買えます。
I'm going to the barber's.(shop が省略)
散髪屋にいくところです。
[9-1-2-1]百貨店などでは複数形に成り「'」が省略されることが多い。
He buys shoes at /Harrods/Selfridges/.
彼は靴を/ハロッズ/セルフリッジ/で買う。
[10]二重所有格(後置所有格)
[10]英語では冠詞相当語句(冠詞、指示代名詞、不定数量詞、所有格)を二つ以上連ねて一つの名詞を修飾することができない。そこで他の冠詞相当語句+名詞+of+'s所有格が用いられるようになった。これを「二重所有格」または「後置所有格」と呼ぶ。
×I will welcome any the teacher's student.→
〇I will welcome any student of the teacher's.
あの先生の教え子なら誰でも歓迎する。
×How do you like this Tom's motorbike.→
〇How do you like this motorbike of Tom's.
このトムのバイクはどうですか。
×This is no the president's fault.
〇This is no fault of the president's.
これは大統領の落ち度ではない。
[10-1]二重所有格に対する制約。
① of の後の名詞代名詞は限定されたものでなければならない。
×an opera of a composer's→
〇an opera of a composer (of所有格)
ある作曲家のあるオペラ
〇an opera of the composer's (二重所有格)
その作曲家のあるオペラ
② of の後の名詞代名詞は人でなければならない。
×a city of Chile's→
〇a city of Chile (of所有格)
チリのある都市
③前置の主要語は不定冠詞相当の限定されないものでなければならない。ただし、this, thatで修飾される場合を除く。この場合のthis, thatは「例のよく知られたという意味」である。また、既に話題に出ているとき、関係代名詞が付くときは/the/that/を用いることができる。
×The daughter of Mr. Brown's has arrived.→
〇The daughter of Mr. Brown has arrived.(of所有格)
ブラウンさんの娘さんが到着した。
The daughter of Mr. Brown's that I mentioned has arrived.(二重所有格、関係代名詞が付く)
私が触れたブラウンさんの娘が到着した。
[10-2]二重所有格は's所有格の代用なので、主語を示すことが多い。それに対して、of所有格は目的語を示すことが多い。
a painting of my sister's (創作にせよ所有にせよ主語)
/私の妹が描いた絵/私の妹が所有している絵/
a painting of my sister(創作の目的語)
私の妹を描いた絵
a painting by my sister
私の妹が描いた絵
a painting of my sister by my mother
母が描いた妹の絵
He was a student of Freud's.
彼はフロイトの教え子だった。
He is a student of Freud.
彼はフロイトの研究家だ。
[11]副詞的所有格
[11]古い英語では's所有格が空間、時間、様式を表すことがあった。その名残。以下に例を挙げる。
always, nowadays, once, twice, thrice, hence, thence, towards, backwards, homewards, seawards, westwards, nights, evenings, mornings, Sundays,
The museum is open Sundays.
その美術館は日曜日に営業している。
Evenings he would read for hours.
夜は彼は何時間も読書した。
[11-1]副詞的of所有格。副詞的's所有格に取って代ったもの。
He would take a walk of an evening.
彼は夕方はよく散歩したものだった。
We have not seen him of late.
私たちは最近、彼と会っていない。
Many of the jobs are, of necessity, temporary.
それらの仕事の多くは必然的に一時的なものである。