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要素の移動、倒置
[1]SV→VSの倒置の型
以下の型がある。
[1-1]/助動詞 S V/do S V/be S/型の倒置。この型では主語が代名詞でも倒置する。
①助動詞を含む文について、助動詞 S 原型不定詞
上の原型不定詞は助動詞 be, have の原型不定詞を含む。
②do動詞のみの文について、/do/does/did/ S 原型不定詞。
この場合、助動詞doを用いる。
③be動詞のみの文について、/am/is/are/was/were/ S。
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このタイプの倒置を起こすのは以下の場合である。
[1-1-1]疑問文で。付加疑問文を含む。疑問詞を含む疑問文を含む。ただし、疑問詞が主語になる疑問文は含まない。間接疑問文は含まない。
Do you like him?
あなたは彼が好きですか。
/Who/Whom/ do you like?
あなたは誰が好きですか。
このように疑問詞を含む文でも倒置は起こる。ただし、後述するとおり、疑問詞が主語になる場合を除く。
Who like him?(疑問詞 who が主語)
彼を好きになる人間がいるのか。
You don't like him, do you?
あなたは彼が嫌いなのですね。
このように付加疑問文でも倒置は起こる。
She asked me /if/whether (or not)/ I liked him.
彼女は私に彼は好きかどうか尋ねた。
She asked me /who/whom/ I liked.
彼女は私に誰が好きなのか尋ねた。
上の二文のように間接疑問文では倒置を起こさない。
[1-1-1例外]主語が疑問詞になるまたは疑問詞を含むときは倒置はない。
What makes you laugh so?
あなたは何故そんなに笑うのですか。
Whoever said so?
いったい誰がそう言ったのですか。
Who said what to whom?
誰が何を誰に行ったのですか。
Whose glass is broken?(主語が疑問詞を含む)
だれのグラスが割れているのですか。
Which street goes to the station?(主語が疑問詞を含む)
どの通りが駅に通じていますか。
[1-1-2]条件節のifが省略されるとき、/助動詞 S V/do S V/be S/型の倒置が生じる。条件節が were, had, should を含む場合に限る。他の助動詞で倒置が生じるのは稀である。いずれにしても文語調である。
If the sun were to go out, all living things would die.→
Were the sun to go out, all living things would die.
もし太陽が消滅したら、すべての生き物は死ぬだろう。
If anything should happen to him, call me at once.→
Should anything happen to him, call me at once.→
もし彼に何かあったら、わたしにすぐに電話してください。
If it had not been for the Manhattan Project in the World War Ⅱ, nuclear weapons would have been developed in the Cold War.→
Had it not been for Manhattan Project in the World War Ⅱ, nuclear weapons would had been developed in the Cold War.
もし第二次世界大戦中にマンハッタン計画がなくても、核兵器は冷戦で開発されていただろう。
[1-1-2-1] 上の例文のように not の位置に注意。/助動詞 S V/do S V/be S/型の倒置では、縮約されない not の位置は、/助動詞 S not V/do S not V/be S not/である。
[1-1-3]否定を強調する場合に、否定語を含む句または節が文頭に来て、/助動詞 S V/do S V/be S/型の倒置が生じる。few, little, hardly, rarely, only なども否定語に含まれる。
At no time did he lose his self-control.
いかなるときも彼は自制を失うことがなかった。
Under no circumstances must a soldier leave his post.
いかなることがあっても兵士は持ち場を離れてはならない。
No sooner was the second edition on sale than the third was being planned.
第二版が販売されるとすぐに第三版が計画されていた。
Hardly had she left home when it began to rain.
彼女が家を出たとたん雨が降り始めた。
In no circumstances will I allow you to go there.
いかなる状況でも私はあなたがそこへ行くことを許さない。
Not until we lose our health do we realize its value.
健康を損なって初めてその価値が分かるものだ。
At no stage did they tell us anything.
どの段階でも当局は私たちに何も語らなかった。
Only if the genes contributed by both parents are recessive, is the recessive form of the trait expressed in a child.(only を含む節が主節の前に来ている)
両親に由来する遺伝子が両方とも劣性の場合にだけ、子供に劣勢の遺伝形質が発現する。
[1-1-3例外1]ただし、主語が否定語であるまたは否定語を含むときは倒置は生じない。
Nobody knew where he had gone.
誰も彼がどこに行ってしまったか知らなかった。
[1-1-3例外2]文否定で倒置が起こるのであって、構成素否定では倒置は起こらない。
Few people would I trust with such a mission.(文否定)
そのような使命を託せる人は私にはほとんどいない。
Not far from here you can see foxes.(構成素否定)
ここからさほど遠くないところに狐が見える。
[1-1-3-1] only は否定の副詞と言い難く、well は明らかに否定の副詞ではないが、それらでも同様の倒置が生じる。
Only after her death was I able to appreciate her.
彼女が死んだ後でしか私は彼女の真価が分らなかった。
Well do I remember the day I saw you for the first time.
君に初めてあった日をよく覚えている。
[1-1-3-2]文の先頭だけでなく、節の先頭に否定語が来てもこの形の倒置をする。それは次の二例で明らかになる。
[1-1-3-2-1]等位接続詞 nor で
He neither has long hair nor does he wear jeans.
彼は長髪にもしてないしジーンズもはかない。
[1-1-3-2-2] not only A but also B において A, B が節のとき、not only の後でこの形の倒置が起こる。
Not only have we completed a week of intensive talks at the highest level, we have set up a procedure whereby we can continue to have discussions in the future.
私たちは最高指導者レベルでの一週間の集中的な話し合いを終えただけでなく、未来の討論へと進む手順を樹立した。
上の例文のように、also だけでなく but also がまるごと省略されることはある。
[1-1-4] the 比較級+the 比較級の比例比較の構文で。主語が長い時、随意的に
The more separated is a administrative power, the larger is its maintenance cost and the smaller is its efficiency.
行政権の分枝が激しくなるほど、その維持費は高額になり、その効率は低下する。
[1-2]上記以外の倒置の型。
上記が最も一般的な倒置の型である。以下は特殊な場合に限られる倒置の型である。
[1-2-1]/so/as/nor/neither/ 助動詞 S 型の倒置。VOCは省略される。前文または節と同様であることを示す。主語が代名詞でも倒置する。so, as は肯定文に続いて、同様であることを表し、nor, neither は否定文に続いて、同様であることを表す。
The Soviet Union was finished and so was Mikhail Gorbachev.
ソビエト連邦は終わった。ミカエル・ゴルバチョフもだ。
You are the only witness. If you disappear, so will justice.
あなたが唯一の目撃者です。もしあなたが消えたら、正義もそうなるでしょう。
"I can't remember his name." "/Nor/Neither/ can I."
「わたしは彼の名前を思い出せない」「わたしもそうだ」
"Of course, they will want total privacy" "As will I"
「もちろん、彼らは完全に秘密にして欲しいだろう」「私もそうだ」
[1-2-1-1] so の後に too が入ることがある。
By now, the Balkans and most of Poland were in Soviet hands, so too was much of Czechoslovakia and Hungary.
目下のところバルカン諸国とポーランドのほとんどはソビエトの手中にあった。チェコスロバキアとハンガリーの多くもそうだった。
[1-2-2]There be S 構文で、There (助動詞) V S 型の倒置が生じる。Vには be を含む存在を表す動詞が来る。主語が代名詞でも倒置する。疑問文では there が主語として扱われて、/助動詞 there V S/do there V S/be there S/ の語順になる。there は不定詞、分詞、動名詞の主語にもなりえる。
There must not be any mistakes in your paper.=
There must be no mistakes in your paper.
レポートには誤りがあってはならない。
Mustn't there be any mistakes in my paper.=
Must there be no mistakes in my paper?
レポートには誤りがあってはいけませんか。
It is unusual for there to be so many people there.(不定詞の主語)
そこにそんなにたくさんの人々がいるのは珍しい。
There remains a lot to do.
するべきことはたくさん残っている。
Does there remain anything to do?
するべきことは何か残っていますか。
[1-2-3]SVC文型で、補語を文頭において強調するとき、C (助動詞)V S 型の倒置が生じる。ただし、主語が人称代名詞のとき倒置は起こらず、C S (助動詞)Vの語順である。
So great was his astonishment that he was speechless.
彼は非常に驚いたので、口がきけなくなった。
"We'd better be leaving soon." "Right you are."(主語が代名詞)
「すぐに去ったほうがよさそうだ」「君の言うとおりだ」
Faint grew the sound.
その音はかすかになった。
Among those who fled were a young Argentine doctor, Ernesto Che Guevara, who went to Mexico and there met Fidel Castro.
逃げた人々の中には若いアルゼンチン人の医者、エルネスト・チェ・ゲバラがいて、メキシコに行きそこでフィデル・カストロと会った。
Such a fool he is that he cannot understand this.(主節の主語が代名詞)
彼は馬鹿だからこれが理解できない。
[1-2-3-1]既に上の例文にも表れているが、程度・結果を表す so, such - that - などの複文においても主節または従属節において同様の倒置が生じるえる。
/So great/Such/ was his astonishment that he was speechless.
彼は度肝を抜かれたのでしゃべれなくなった。
So absurd was his manner that everyone stared at him.
彼の態度は非常に馬鹿げていたので、皆が彼を見つめた。
[1-2-4]直接話法の伝達部が後にあるとき、伝達動詞 S 型の倒置が生じえる。主語が人称代名詞の場合は倒置は生じない。
"Return to Heathrow Airport," the hijacker said to the pilot.=
"Return to Heathrow Airport," said the hijacker to the pilot.
「ヒースロー空港へ引き返せ」と乗っ取り犯は操縦士に言った。
"Leave me alone," he said.(伝達部の主語が人称代名詞)
「一人にしておいてくれ」と彼は言った。
[1-2-5]本動詞が運動を表し、方向を表す副詞句を伴う場合、副詞句→動詞→S の語順になり、倒置が生じる。主語が人称代名詞のときは倒置は生じない。
Off went the man!
その男は立ち去った。
Off he went.(主語が代名詞では倒置しない)
彼は立ち去った。
Away flew my hat!
帽子が飛んで行った。
Here comes the bus.
バスが来る。
Here we are at the station!(主語が代名詞では倒置しない)
さあ、駅に着いたぞ。
Into the stifling smoke plunged the desperate man.
息も詰まるような煙の中に死に物狂いの男は飛び込んだ。
[1-2-5-1]場所を示す関係詞が導く関係節においても同様の倒置をすることがある。
They are planning to rebuild the old church under which are buried six martyrs.
彼らは六人の殉教者が葬られている古い教会を改築しようと計画している。
I met the social reformer to whom fell that important task.
その重要な仕事を押し付けられた改革者と私は会った。
[1-2-6] 比較の than, as の後で助動詞→主語の倒置を起こすことがある。特に主語が長い時。主語が代名詞のときはない。
She spoke more convincingly than did a professor of the university.
彼女はその大学のある教授より説得力のある話し方をした。
She spoke more convincingly than he did.(主語が代名詞)
彼女は彼より説得力のある話し方をした。
[1-2-6-1] as については比較の as だけではない。前述の「~もそうだ」という意味の as のときは必ず倒置し、代名詞でも倒置する。その他の関係詞または接続詞の as については倒置は任意であり、代名詞では倒置しない。
He was a democrat, as were most of his friends.(「~もそうだ」という意味の as )
彼は民主党支持者だった。友人のほとんどもそうだった。
[1-2-7]結局、主語が代名詞のときに倒置しないのは、[1-2-3]SVC文型で、[1-2-4]直接話法の伝達部が後にあるとき、[1-2-5]本動詞が運動を表し、方向を表す副詞を伴う場合、[1-2-6] than, as の後で、である。
[2]要素の移動
SVOCが文の要素の順序の基本である。以下にその基本から外れる場合を挙げる。
[2-1]動詞、前置詞の目的語を文頭において強調するとき、O S (助動詞) Vの語順で、S V ⇒ V S の倒置は生じない。ただし、目的語に否定語がついている場合は前述の倒置が生じる。
That I can't say.(動詞の目的語)
そんなこと私には言えない。
Cowards we have no use for.(前置詞の目的語)
臆病者に用はない。
Not a single mistake did I find in your manuscript.(目的語に否定語が付く)
あなたの原稿には間違いは一つとしてなかった。
[2-2]強調のため補語を文頭に置く場合。主語が代名詞である場合を除いて、前述の倒置が起こす。
Faint grew the sound of the bell.
鐘の音がかすかになった。
In contrast to those to construction, Wide is the gate, and broad is the way, that leads to destruction. That, too, is the law of entropy.
構築に対して、破壊への門は広く、その道も広い。それもエントロピーの法則である。
"We'd better be leaving soon." "Right you are."(代名詞では倒置が生じない)
「すぐに出発したほうがいい」「そうだね」
[2-3]譲歩節中で以下のような語順変化が生じることがある。古語に戻り、現代の文法からは見慣れない形になる。
[2-3-1]/形容詞/副詞/無冠詞名詞/ /as/though/ S V の語順になる。SVは倒置しない。以下の[2-3-2]と比較すると現代でもよく使われる。
Unbelievable as it was, they actually welcome us.(形容詞)
信じられないことだが、彼らは本当に私たちを歓迎した。
Hard though they tried, they couldn't persuade her.(副詞)
一生懸命やってみたが、彼らは彼女を説得することができなかった。
Egoist as he was, his parents loved him.(無冠詞名詞)
彼はわがままだったが、両親は彼を愛した。
[2-3-1-1] as がもう一つ、前に付くことがある。助動詞 may/might が付くことがある。
As powerful as he may be, we will protect this village from him.
彼がどんな権力をもっていようが、私たちはこの村を彼から守るつもりだ。
[2-3-2]動詞が文頭に来て、V as S 助動詞/V what S 助動詞/Be it ever so 形容詞…などの形を取る。命令法である。古語。
Try as he would, he could not lift the rock.
どんなにやってみても、彼はその岩を持ち上げることができなかった。
Say what you may, I won't change my mind.
あなたが何を言っても、私は自分の考えを変えません。
Come what may, I'll be ready.
何が起こっても、私は覚悟ができています。
上の例文で主語は what である。
Be it ever so humble, there's no place like home.
どんなにみすぼらしくても、わが家にまさる所はない。
[3]左方転移、右方転移
[3-1]左方転移
代名詞が指す名詞句が文頭に現れることがある。
That lecturer who entered, do you know his name?
入って来たあの講師、あの人の名前を知っているかい。
[3-2]右方転移
代名詞が指す名詞句が文末に現れることがある。
They are all the same, these politicians.
彼らは皆、同じだ。それらの政治家は。
It's the ideal cure for laziness, marriage.
それは怠惰の理想の治療法だ。結婚は。