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動詞が目的語として動名詞をとるか不定詞をとるか
[0]動名詞を目的語としてとる動詞は過去または現在の現実を容認したうえでとる心的機能を表す。これを「現実受容的」表現と呼べる。不定詞をとる動詞は現実を認めるにせよ認めないにせよ未来に向かってとる心的態度を表す。これを「未来志向的」表現と呼べる。
[1]目的語として、動名詞をとり、不定詞をとらない動詞
[1]現実受容的である。
[1-1]熟考。熟考するとすれば、現実でしかない。consider, contemplate
The US should consider withdrawing its support for his government and persuading the monarch to abdicate.
アメリカ合衆国は彼の政府の支持を撤回することと王の退位を説得することを熟考するべきだ。
In this case, you should consider seeking professional advice.
この問題では専門家の助言を仰(あお)ぐことを考えた方がいい。
She is contemplating taking a trip to Hawaii.
彼女はハワイへ旅行しようかと考えている。
[1-2]現在の快楽。enjoy
I enjoy working for this company.
私はこの会社に勤めることが楽しい。
I dislike being alone.
1人でいるのはいやだ。
[1-3]完結、終止、放棄。既に現実に行っている行動を完結、終止、放棄する。finish, give up, stop
Have you finished reading the book?
あなたはその本を読み終えましたか。
He gave up smoking.
彼はタバコをやめた。
She stopped smoking.
彼女はタバコをやめた。
[1-4]逸失。現実を逸失する。miss
We missed watching her ride her horse.
私たちは彼女が馬に乗るのを見損ねた。
[1-5]延期。延期するのは現在するべき行動でしかない。postpone
We postponed going for a picnic till the first fine day.
私たちは次の晴れの日までピクニックに行くことを延期した。
[1-6]遅延。現実にするべき行動を遅らせる。delay
Why have you delayed seeing the dentist?
歯医者に行くのをどうして遅らせているのですか。
[1-7]奨励。現実的となるべき行動を奨励する。recommend は英では不定詞も可能
He recommended reading the book before seeing the movie.
彼は映画を見る前にその本を読むことを薦めた。
She recommended him to quit smoking.
彼女は彼にタバコをやめるように勧めた。(英)
[1-8]容認、容赦。現実を容認、容赦する。admit, accept, excuse
He admitted /having failed/that he had failed/ to do the job.
彼はその仕事をやらなかったことを認めた。
I excused (myself for) /being late/my late arrival/.
僕は遅れて来たことの言い訳をした。
[1-9]否認。現実を打ち消す。deny
He denied /(that) he had ever seen her/ever having seen her/.
彼は彼女を見たことがないと言った。
[1-10]忍耐。現実を耐える。bear, endure, stand
He cannot endure seeing her treated unkindly.
彼は彼女が冷たく扱われるのを見ることに耐えられない。
I couldn't stand waiting for three hours.
3時間も待つのは耐えられなかった。
[1-11]直面。現実に直面する。face, confront
I couldn't face seeing him.
どうしても彼に会う勇気がなかった。
[1-12]回避。現実を回避する。escape
The boy barely escaped /being hit/×to be hit/ by a car.
少年はもう少しのところで車にひかれるところだった。
[1-13]否定文で現実を考えたくない。fancy
I don't fancy living in this house.
この家に住みたくない。
[1-14]触れる。現実に言及する。mention
I mentioned having seen her in the park.
公園で彼女に会ったことを私は口にした。
[1-15]実施、練習。実際的なことを練習する。practice
Today we're going to practice parking.
今日私たちは駐車の練習をします。
[1-16]憤慨。現実に対して憤慨する。resent
My son resents having to do his homework.
私の息子は宿題をしなければならないのをひどくいやがる。
[1-17]抵抗。現実に抵抗する。resist
resist being carried off
連れ去られまいと抵抗する.
[2]目的語として不定詞をとり、動名詞をとらない動詞
[2]未来志向的である。
[2-1]願望、意図、計画。want, intend, plan など多数。
I hope to see him soon.
私はすぐに彼と会いたいと思ってる。
I don't care to see the film.
私はその映画を見たくない。
We're planning to visit Australia this summer.
私たちはこの夏、オーストラリアを訪れる予定です。
[2-2]決定。decide, determine など多数。
He decided to go to America.
彼はアメリカに行くことに決めた。
[2-3]賛成、同意。agree, consent など
He agreed not to tell it to anyone.
彼はそれを誰にも言わないことに同意した。
[2-3-1] 前置詞(to)+動名詞の形は可能。だが、動詞+to不定詞の賛成は直接的であり、動詞+前置詞+動名詞の賛成は間接的であるの違いがある。
The employees agreed to talk with the employer.
被雇用者は雇用者と話し合うことに同意した。
The Security Council agreed to creating the PKF in that region.
安全保障理事会はその地域での平和維持軍の創設に同意した。
[2-4]約束、誓約。promise, swear, pledge など
She swore /not to be late/that she would not be late/.
彼女は絶対に遅れないと約束した。
[2-5]未来の活動に係る思考。多数ある。
He thinks to deceive us.
彼は私たちを騙そうと考えている。
[2-6]未来の活動に関する拒否。多数ある。
He refused to answer any questions about his personal beliefs.
彼は個人的な信念にかかわる質問にはどれにも答えないと言った。
[2例外]過去形・完了形においては不定詞の内容が実際に実現したことを表す動詞がある。bother, care, condescend, dare, fail, forget, happen, get, learn, manage, neglect, pretend, remember, venture, have the misfortune, have the kindness, etc.
She didn't bother to reply.(過去形)
彼女は答えようともしなかった。
Don't bother to call me back.(過去形・完了形ではない)
折返し電話をかけていただくには及びません。
The royal party has graciously condescended to appear at the charity ball.(完了形)
国王の一行は慈善舞踏会におでましになった。
He wouldn't condescend to shake my hand.(助動詞の過去形)
彼はいばることなく握手をしてくれた。
She didn't dare to go.
彼女は行く勇気がなかった。
He failed to pass the test.
彼は試験に受からなかった。
I forgot to call John.
私はジョンに電話をするのを忘れた。
We got to know each other.
私たちは互いに知り合いになった。
Bill happened to break the window.
ビルはたまたま窓を割った。
He learned to like the dog.
彼はその犬が好きになった。
I managed to solve the problem.
なんとかその問題を解決した。
Don't neglect to answer the letter.(過去形・完了形ではない)
忘れずに手紙の返事を書きなさい。
She remembered not to go out alone.
彼女は言われた通りひとりで外出しなかった。
May I venture (to make) a suggestion?(過去形・完了形ではない)
あえて1つ提案をしてもよろしいでしょうか。
Would you have the kindness to pull up the window?(助動詞の直接法過去ではなく、控えめ表現の仮定法過去である)
すみませんが窓を上げてくださいませんか。
[3]不定詞と動名詞の両方を取りえるが意味が異なる動詞
[3]この場合も動名詞をとる場合の意味は現実受容的、to不定詞をとる場合の意味は未来志向的である。
remember, forget, stop, go on, continue, try, regret, mean, be afraid, be /certain/sure, etc.
[3-1]remember
remember+動名詞=~したことを覚えている
remember+to不定詞=忘れずに~する
I don't remember telling you that.
私はあなたにそのことを話したことを覚えていない。
Please remember to post this letter.
この手紙を忘れずに投函してください。
[3-2]forget
forget+動名詞=~したことを忘れる
don't forget+動名詞=(否定文で)忘れずに~する。
I shall never forget seeing the Queen.
私は女王に会ったことを決して忘れない。
Don't forget to write to Aunt Martha.
忘れずにマーサおばさんに手紙を書きなさい。
[3-3]stop
stop+動名詞=~するのをやめる
stop+to不定詞=これは自動詞+to不定詞の副詞的用法である=~するために立ち止まる
I have stopped smoking.
私はたばこをやめた。
I stopped to smoke.
私はたばこを吸うために立ち止まった。
[3-3-1]stop に対して、cease は動名詞でも不定詞でも意味に大差がなく「~するのをやめる」。ただし、cease がto不定詞をとるとすれば、状態動詞のものでなければならない。
The Ming dynasty ceased /to exist/×existing/ in 1644.(状態動詞)
明王朝は1644年に滅亡した。
He ceased writing in 1950.(動作動詞)
彼は1950年に作家活動を終えた。
[3-4]go on
go on+動名詞=~し続ける
go on+to不定詞=別の動作をしていて、または、いったん中断して、~し始める
He went on reading for hours.
彼は何時間も読書を続けた。
He stopped speaking and went on to read the letter.
彼は話をやめその手紙を読みにかかった。
[3-5]continue
continue+動名詞=中断せず~し続ける
continue+to不定詞=いったん中断した後で~し続ける
[3-6]try
try+動名詞=~を試みる
try+to不定詞=~しようと努力する
I tried skating, and found it rather difficult.
私はスケートをしてみたが、かなり難しかった。
I tried to skate, but fell over at once.
私はスケートをしようとしたが、すぐに転んだ。
[3-7]regret
regret+動名詞=~したことを後悔する
regret+to不定詞=残念ながら~する
She deeply regrets losing her temper.
彼女は癇癪を起したことを深く後悔している。
I regret to inform you that your father has died.
遺憾ながらお父様が永眠されたことをお知らせします。
[3-8]mean
mean+動名詞=~することを意味する→~することになる
mean+to不定詞=~するつもりである。
This new order will mean working overtime.
この新しい命令では超過勤務をすることになるだろう。
I meant to call on you, but I couldn't.
私はあなたを訪ねるつもりでしたが、できませんでした。
[3-9] love, like, prefer, hate, loatheなどの好き嫌いを表す動詞の目的語として不定詞をとるか動名詞をとるかの違い。この場合も動名詞は現実容認的、to不定詞は未来志向的。
I like dancing, but I don't like to dance /now/this evening/.
私はダンスが好きだが、/今は/今夜は/踊りたくない。
She loves being a woman.
彼女は女であることを気に入っている。
I would love to get to France someday.
私はいつかフランスに行きたいと思っています。
[3-9例外] would like の成句では動名詞は使えない。
×I would like telling you something.→
I would like to tell you something.
ちょっと話があるんだけど。
[3-10]次の動詞・形容詞では動名詞はそのままで受動を表すことができる。deserve, need, want, worth
He deserves praising.=
He deserves to be praised.
彼は称賛する価値がある。
This machine needs repairing.=
This machine needs to be repaired.
この機械は修理する必要がある。
This book is worth reading.
この本は読む価値がある。
[3-11]be afraid
~しないかが不安だ 恐くて~できない
be afraid of - 〇 〇
be afraid to - × 〇
I am afraid of losing my way.
路に迷わないか心配だ。
I am afraid /of going out/to go out/ alone at night.
恐くて夜に一人で外出できない。
She was afraid of upsetting her parents.
彼女は両親を狼狽させないかと恐れていた。
The child is still afraid /of sleeping/to sleep/ in its own bedroom.=
その子供はまだ怖くて自分の寝室で眠れない。
[3-12]be /sure/certain/
S be /sure/certain/ of -ing = Sが~することを確信している(主語の確信)。=S be /sure/certain/ that -
S be /sure/certain/ to - = Sが必ず~する(と話し手が確信している) = It is /certain/×sure/ that S -
He is /sure/certain/ of her wining the election.
He is /sure/certain/ that she will win the election.
彼は彼女が選挙に勝つと確信している。
She is /sure/certain/ to win the election.
It is /×sure/certain/ that she will win the election.
彼女はきっと選挙に勝つ(と話し手が確信している)
[4]目的語として動名詞をとるか不定詞をとるかで、意味に大差のない動詞
[4] attempt, intend, propose, start, begin, commence, cease, be accustomed, be committed,
She commenced /studying/to study/ law.
彼女は法律を勉強し始めた。
I am not accustomed /to giving/to give/ personal information about myself to strangers.
私に見知らぬ人に私事を語る習慣はない。
He was committed /to taking/to take/ his trial at the next Sessions.
彼は次の開廷時に裁判を受けることを決意していた。
[4-1] cease は意味には大差がないが、状態動詞が続く場合はto不定詞のみ。
The Ming dynasty ceased /to exist/×existing/ in 1644.(状態動詞)
明王朝は1644年に滅亡した。
He ceased writing in 1950.(動作動詞)
彼は1950年に作家活動を終えた。
[4-2]動詞が不定詞も動名詞もとれる場合でも、進行形ではto不定詞が好まれる。
I'm beginning to learn karate.
私は空手を習いかけている。