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動名詞
[1]動名詞総論
[1]動名詞は現代英語でよく用いられている。
[1-1]文の要素として
[1-1-1]主語。形式主語を用いるのはかなり略式体。難易、無意味を表す場合、情緒性を強調する場合に限られる。動名詞の前にコンマが置かれると容認されることが多い。
It is no good writing or calling him.(無意味)
彼に手紙を書いても電話しても何にもならない。
[1-1-2]主格補語
My hobby is collecting old stamps.
私の趣味は古い切手を集めることです。
[1-1-3]目的格補語(小節の中の補語)
We can call that asking for trouble.
それは自業自得というものだ。
[1-1-4]他動詞の目的語
I don't like being lied to.
私は嘘をつかれるのが嫌いだ。
[1-1-4-1]名詞と同様に the, a, some, any, no などを付けて do の目的語にすることはよく行われる。
Shut up! I'm doing the talking now!
黙れ。おれがその話をしているんだ。
Let me do all the worrying that needs to be done.
する必要がある心配は全部、私にさせてください。
It wasn't he who'd done the killing.
その殺しをやったのは彼ではない。
上の三文の the は文脈、状況から限定されるものであることを指す the である。
Did you do any writing?
少しは書き物をしたかい。
She did /some shopping/some mending/a great deal of telephoning/.
彼女は/買い物/修理/電話をたくさん/した。
Have you done nursing long?
看護師は長いのですか。
上の some, any 無冠詞も名詞と同様の用法である。
[1-1-5]小節の中の主語。前述と同様に難易、無意味を表す場合、情緒性を強調する場合に限られる。義務的に形式主語 it で受ける。
I think it pointless starting before eight o'clock.
8時前に出発しても意味がないと私は思う。
[1-1-6]前置詞の目的語。すべての動詞は前置詞の後では動名詞またはそれから派生する名詞になる。
On arriving home I discovered they had gone.
私は、帰宅するとすぐに、彼らが帰ったのを知った。
[1-1-7]動名詞のその他の用法
[1-1-7-1]形容詞的用法。あくまでも名詞として名詞を修飾する名詞の形容詞的用法に似た形容詞的用法。複合名詞を作るともいえる。現在分詞または形容詞との違いに注意せよ。
a sleeping car (動名詞)→
a car for sleeping
寝台車
a sleeping beauty (現在分詞→形容詞)→
a beauty who is sleeping forever
眠れる美女
drinking water(動名詞)→
water for drinking
飲料水
a drinking man(現在分詞→形容詞)→
a man who is drinking customarily
飲んだくれ
[1-1-7-2]名詞句と同格
一般に名詞句との同格を表現する方法には以下のパターンがある。名詞句の後に
①to不定詞
②of+動名詞or動詞派生の名詞
③動名詞
④which is 動名詞
⑤that節
I got a job /②③(of) driving/④which is driving/×①to drive/ a truck.
私はトラックを運転する仕事を得た。
There is no way /②of knowing/①to know/ where he's gone.
彼がどこに行ってしまったか知る由もない。
There is no possibility /⑤that he will succeed/②of his success/①for him to succeed/.
彼が成功する可能性はない。
He has the ability /①to speak/②of speaking/ ten languages.
彼には十か国語を話す能力がある。
[1-2]動詞から派生した名詞があるときは、普通、名詞が使われる。
We're all excited about his arrival.
彼の到着に私たちは皆、興奮している。
[2]名詞的動名詞と動詞的動名詞
[2-1]名詞的動名詞の特徴
文法的に名詞と同様に扱われる。具体的には
①冠詞・冠詞相当語句が付きえる。
②動詞を修飾していた副詞が形容詞化される。
③直接的に目的語を取らず、of などの前置詞を必要とする。
④複数形になりえる。
⑤完了形にならない。
⑥動作動詞しかこれになれない。
⑦所有格主語をとる。
I have a liking for music.①③
私は音楽が好きだ。
I hate all this useless arguing.①②
私はこういう無駄な議論がすべて嫌いだ。
His careless driving irritates me.②⑦
彼の不注意な運転にはイライラする。
I don't approve of his driving of the car.③⑦
私は彼がその車を運転することに賛成しない。
Sightings of UFO's make her nervous.③④
UFOを何回か見たので彼女は不安になっている。
[2-2]動詞的動名詞の特徴
文法的に動詞として扱われる部分がある。具体的には
①冠詞・冠詞相当語句は付かない。ただし、名詞代名詞の所有格は付きえる。
②動詞を修飾していた副詞が形容詞化されず、副詞がそのまま動詞を修飾する。
③直接的に目的語を取る。
④複数形になりえない。
⑤完了形・受動態になりえる。
⑥状態動詞も動作動詞もなれる。
⑦所有格主語も目的格主語もとれる。所有格主語は格式体。目的格主語は略式体。
He denied having seen it.③⑤
彼はそれを見たことがないと言った。
I don't like being asked to make a speech.⑤
私はスピーチを頼まれることが嫌いだ。
I doubt of their having been married.⑤⑦
私には彼らが結婚していたことが疑わしい。
His drawing the picture rapidly surprised us.②③⑦
彼が素早くその絵を描いたのには私たちは驚いた。
/His/×The/ swimming in the pond was a mistake.①⑦
彼が池で泳いだのは間違いだった。
Bill eavesdrops by seeming to be asleep.⑥(seem は状態動詞)
ビルは眠った振りをして盗み聞きをする。
She was angry at /his/him/ trying to lie to her.⑦
彼が嘘をつこうとしたので彼女は怒った。
[2-3]混合動名詞。名詞的動名詞と動詞的動名詞の両方の特徴を併せ持つ。
There is no satisfying spoilt children.(冠詞相当語句が付き、目的語をとる)
甘やかされた子供を満足させることはできない。
This having to defend himself seems to be bugging him.(冠詞相当語句が付き、状態動詞)
このように自己弁護しないといけないことが彼を悩ませているようだ。
[3]動名詞の主語
[3-1]動名詞の主語を表す必要がない場合
[3-1-1]文の主語と同一
He insisted on going.(主語を表す必要がない)
彼は行くと言い張った。
He insisted on her going.(主語を表す必要がある)
彼は彼女が行くことを主張した。
[3-1-2]文の動詞の目的語と同一
Illness prevented me from going out.
病気のため私は外出することができなかった。
Thank you for waiting.
待っていただいてありがとうございます。
[3-1-3]主語が一般の人であるとき
Seeing is believing.
百聞は一見にしかず。
[3-2]その他の場合は主語を表す必要がある。
[3-2-1]名詞的動名詞は所有格で、動詞的動名詞は格式体で所有格で、略式体で目的格で、主語を示す。目的格となると名詞では主格等と同一である。
His writing of a novel surprised us.
彼が小説を書いたのに私たちは驚いた。
She was angry at /his/him/ trying to lie to her.
彼女は彼が嘘をつこうとしたので怒った。
"Would you mind opening the window?" "No, not at all."(動名詞の主語と文の主語が同一)
「窓を開けてもらえませんか」「いいですとも」
"Would you mind /my/me/ opening the window?" "No, not at all."
「窓を開けていいですか」「いいですとも」
You couldn't imagine me being a poor man's wife, could you?
私が貧乏な男の妻であるなどあなたは想像もできないでしょう。
You can't stop people saying what they think.(英)
You can't stop people from saying what they think.(米)
人々が自分の考えを述べるのを止めることはできない。
[3-3]動名詞の主語を示すのに所有格でなければならない場合
①名詞的動名詞
②助動詞+主語の疑問文の主語の位置に動名詞が来るとき
③強調構文の強調部分が動名詞になるとき
④強調のため文頭に置くとき
⑤admire, defend などの目的語としてto不定詞などを取れず名詞か動名詞だけをとる動詞の目的語となるとき
×Did he beating his wife surprised you?
〇Did his beating his wife surprised you?②
彼が妻を殴ったことに驚きましたか。
×It was he beating his wife that surprised me.
〇It was his beating his wife that surprised me.③
私が驚いたのは彼が妻を殴ったことです。
×He beating his wife I can't imagine.
〇His beating his wife I can't imagine.④
彼が妻を殴るなど私は想像もできない。
×We admire him saving the boy from drawing.
〇We admire his saving the boy from drawing.⑤
その男の子が溺れるのを彼が助けたのに私たちは感心した。
[3-4]動名詞の主語を示すのに所有格であってはならない場合
①thereを主語にするとき
②動名詞中の目的語が疑問詞または関係詞になる場合
×I imagined there's being five men in the room.
〇I imagined there being five men in the room.①
その部屋には男が5人いると想像した。
Who do you imagine /he/×his/ kissing?②
彼が誰にキスをしたとあなたは思いますか。
[3-5]所有格+動名詞 and 所有格+動名詞 は複数扱い、目的格+動名詞 and 目的格+動名詞 は単数扱いである。
A soldier's beating a citizen and the citizen's shooting the soldier were astonishing to all the spectators.
A soldier beating a citizen and the citizen shooting the soldier was astonishing to all the spectators.
兵士が市民を叩き、市民が兵士を撃ち殺したのに見物人は皆、驚いた。
[3-6]動名詞、その主語、notの位置。主語、not,動名詞の順である。
He insisted on her not going there alone.
彼は彼女が一人でそこへ行くべきではないと主張した。
I'm sorry for /your/you/ not having come with us.
あなたが一緒に来れなかったのが残念です。
[4]完了形動名詞
[4-1]単純形動名詞の表す時は、文の動詞の表す時と同一かそれより未来である。それに対して完了形動名詞は文の動詞の表す時より過去か、文の動詞の表す時における完了、結果、継続、経験を表す。
I am proud of my son being a teacher.(現在)
私は息子が教師であることを誇りにしている。
I am sure of my son winning the race.(未来)
息子がレースに勝つことを私は確信している。
He repents of having been idle in his school days.(過去)
彼は学生時代に怠けていたことを後悔している。
He repents of having pushed the button.(現在、完了)
彼はボタンを押してしまったことを後悔している。
[4-2-1] remember, forget, regret, admit, etc. + 動作動詞の動名詞では、それらだけでも過去のことについてのことを表わし、単純動名詞も完了形動名詞も意味が変わらず、前者を使うことが多い。
I remember seeing him somewhere before.
以前に彼とどこかで会ったことを私は覚えている。
I regret telling you all this.
そのすべてを君に話したことを私は後悔している。
He admitted taking the money.
彼はそのカネを取ったことを認めた。
[4-2-2]それに対して、それらの動詞+状態動詞の動名詞では、単純動名詞と完了形動名詞で意味が異なって来る。
I admit knowing him.
彼を知っていることを私は認める。
I admit having known him.
彼を/かねてから知っている/知っていた/ことを私は認める。
[5]動名詞の受動態
[5]動名詞の受動態
I dislike being talked back to.
私は口答えされるのは嫌いだ。
The bed showed no sign of having been slept in.
ベッドに人が寝た形跡はなかった。
[5-1] want, need, require, deserve, bear +動名詞では、動名詞を受動態にしない。to不定詞では受動態にする。
I don't think this article deserves /reading/to be read/.
この論文は読むに値しないと私は思う。
Your hair needs /cutting/to be cut/.
君の髪の毛は散髪する必要がある。
The plants want /watering/to be watered/ daily.
それらの植物は毎日、水をやる必要がある。
My dress requires /pressing/to be pressed/.
私のドレスはアイロンをかける必要がある。
His joke doesn't bear /repeating/to be repeated/.
彼の冗談は繰り返して言えないほどだ。
[6]動名詞を補部にとる語句
[6-1]名詞+of+動名詞で同格を表す名詞
[6-1-1] to不定詞に書き換えられないもの。
hope
There is actually no hope /×for them to win the war/of their winning the war/that they (will) win the war/.
彼らがその戦争に勝つ見込みは本当にない。
[6-1-2] to不定詞に書き換えられるもの
intention, possibility, capability, way, etc.
I have no intention /of retiring/to retire/ just yet.
引退するつもりは目下のところない。
Her way /of speaking/to speak/ is disgusting.
彼女の話し方にはむかつく。
There is no possibility /of his succeeding/for him to succeed/.
彼が勝つ見込みはない。
have the capability /of dealing/to deal/ with difficult problems
難問を処理する能力がある。
[6-1-2-1] ability については to不定詞のみを補部にとる。
Our ability /to think and speak/×of thinking and speaking/ separates us from other mammals.
考えたり話したりする能力によって,私たちは他の哺乳動物から区別される。
[6-1-2-2] ability, capability については for+動名詞も可能である。money, time は to不定詞または for+動名詞をとる。for+動名詞は意味的に同格ではなく、目的である。
He has the ability /to speak/for speaking/ ten languages.
彼は10の言語を話せる。
There is no /money/time/ /to repair/for repairing/ broken windows in my house.
家の壊れた窓を修理する/カネ/時間/がない。
[6-1-3] chance は、to不定詞に書き換え可能だが、意味が異なる。見込みという意味では of+動名詞を取り、機会という意味ではto不定詞もof+動名詞も取る。
She has only a slim chance of passing the exam.
彼女が試験に受かる見込みはごくわずかしかない。
Please give me a chance /to explain/of explaining/.
説明する機会を下さい。
[6-1-4] of を省略できるもの。job, career。すると、動名詞は分詞ともとらえられる。
I am looking for a job (of) driving a car.
私は車を運転する仕事を探している。
We can offer you a career (of) counselling delinquents.
非行少年のカウンセリングの仕事を提供できます。
[6-2]形容詞+前置詞+動名詞の形をとる形容詞
[6-2-1] to不定詞に書き換え可能なもの
quick in -, slow in -
He is quick to learn.=
He is quick in learning.
彼は覚えが早い。
[6-2-2] to不定詞に書き換え不能のもの
busy (in) -, late (in) -, worthy of -, sure of - , certain of -, etc. ただし、例外がある。それは後述する。
She is too busy (in) writing letters.
彼女は手紙を書くのに忙しい。
Spring is late (in) coming.
春が来るのが遅れている。
Kyoto is worthy of being visited.
京都は訪れる価値がある。
I am /sure/certain/ of his coming soon.=
I am /sure/certain/ that he will come soon.
彼はすぐに来ると私は確信している。
[6-2-2-1] sure of - , certain of - は「確信している」という意味以外では例えば以下のように to 不定詞を補部に取る。
He is /sure/certain/ to come soon.=
It is /×sure/certain/ that he will come soon.
彼がすぐに来ることは確かだ。
[6-2-2-2] busy は、too ... to の形は可能である。
She is too busy to write letters.
彼女は忙し過ぎて手紙を書けない。
[6-2-2-3]形容詞 worthy に対して、worth は前置詞でも形容詞でもありえ、worthwhile は形容詞であり不定詞も動名詞も主語にとる。
Kyoto is worthy of being visited.(形容詞)=
Kyoto is worth visiting.(前置詞)=
It is worth visiting Kyoto.(形容詞)=
It is /worthwhile/worth while/ /visiting Kyoto/to visit Kyoto/.(形容詞)
[6-3]目的語として動名詞をとる動詞
『動詞が目的語として動名詞をとるか不定詞をとるか』の章で述べる。
[7]動名詞を含む慣用表現
[7-1] cannot help 動名詞「~しないわけにはいかない」
~することが避けられないが原義である。
cannot help 動名詞 が最も一般的だが、以下の形もある
cannot help but 原型不定詞(米略式体)
cannot but 原型不定詞、cannot choose/avoid but 原型不定詞(格式体)
[7-1-1] cannot help 動名詞 で動名詞の主語の示し方。動名詞としては前述の動詞的動名詞が来るので、所有格または目的格で主語を示せる。
I can't help /his/him/ being such a bore.
彼があんなに退屈なのはどうしようもない。
[7-2] no /use/good/ 動名詞。「~するのは無駄である」「~しても仕方がない」
「~するのは役に立たない」「~するのは利益がない」が原義である。
It's (of) no /use/good/ /your/you/ complaining.=
It's (of) no /use/good/ for you to complain.=
There's no /use/good/ (in) /your/you/ complaining.=
There's no /use/good/ for you to complain.
君が不平を言っても仕方がない。
[7-3] worth 動名詞
This book is worth reading.(worth は前置詞)
It is worth reading this book.(worth は形容詞)
It is worthwhile reading this book.(worthwhile は形容詞)
It is worthwhile to read this book.(worthwhile は形容詞)
This book is worthy of being read.(worthy は形容詞)
この本は読む価値がある。
×This book is worthwhile reading.
[7-4] besides -ing = in addition to -ing「~する他に」
Besides being a professor, he is also a novelist.
彼は教授であるだけでなく、小説家でもある。
[7-5] make a point of 動名詞「必ず~することにしている」
He makes a point of attending such meetings.
彼はそのような会合には必ず出席することにしている。
[7-6] there is no point (in) -ing「~することに意味はない」
There is no point in torturing ourselves.
自分を苦しめても意味がない。
[7-7] for the -ing 「~しさえすれば」
It's yours for the asking.
あなたが頼みさえすればあげます。
[7-8] feel like 動名詞「~したい気がする」
I don't feel like drinking beer tonight.
私は今夜はビールを飲む気がしない。
[7-9] It goes without saying that節「~であることは言うまでもない」
It goes without saying that health is above wealth.
健康が富に勝ることは言うまでもない。
[7-10] /not/never/ - without 動名詞「~するときは必ず~する」
He never goes out without losing his umbrella.
彼は外出すると必ず傘を忘れて来る。
[7-11] There is no -ing「~することができない」
There was no saying why it had happened.
何故、そんなことが起こったのか分からなかった。
[7-12] of one's (own) -ing「自分で~した~」
These thoughts were not of his own making.
これらの考えは彼が自分で考えたものではない。
[7-13] used to -ing「~することに慣れて」
You'll soon get used to living in the country.
あなたは田舎で生活することにすぐに慣れるでしょう。
[7-14] on -ing 「~するとすぐに」接触の意味の on からの発展である。
On leaving school he went into business.
彼は学校を出るとすぐに実業界に入った。
[7-15] look forward to -ing 「~を期待する」
We are looking forward to seeing you again.
私たちはあなたと再会することを楽しみにしています。