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補部

句の中で、主要部と修飾語の間に、単なる修飾被修飾関係でなく、動詞と目的語のような文の要素の間にあるような関係があるとき、その修飾語を、単なる修飾語と区別して、補部と呼べる。また、修飾語のうち不可欠なものを付加部(A)と呼べる。

I live in London.
私はロンドンに住んでいます。

in London を省略した I live. では「住む」という意味を成さず、in Londonは不可欠なので、in London は付加部である。

a student of English
英語の学生

a student who studies English と書き換えられるので、of English は、文の要素の目的語に相当し、補部である。

[1]名詞句の補部

[1-1]名詞句の補部と単純修飾語の違い
a student of English with long hair→
a student with long hair who studies English
髪の長い英語の学生

of English が補部。with long hairが単純修飾語。

① a teacher of English → ② an English teacher→
a teacher who teaches English
英語教師

①の of English は補部。また、②の English は形容詞ではなく英語という意味の名詞であり、補部である。

an English teacher→
a teacher who is from England.
英国人教師

English は形容詞であり、単純修飾語である。

[1-2]名詞句の補部または単純修飾語を連ねる場合の規則。

①補部と単純修飾語を連ねる場合は前者を先行させる。
②補部と補部を連ねる場合は and を用いる。
③補部と単純修飾語を連ねる場合は and を用いない。
④単純修飾語と単純修飾語を連ねる場合は and を用いても用いなくてもよい。

a student of English with long hair(①と③による)
髪の長い英語の学生

a student of English and (of) chemistry(②による)
英語と化学の学生

a student with long hair (and) in black clothes(④による)
髪の長い黒い服を着た学生

[1-3]名詞句の補部の一部から疑問詞、関係詞を取り出すことはできる。それに対して、名詞句の単純修飾語の一部からの取り出しは不可。
〇Which city did you see the mayor of?
どの都市の市長と会ったのですか。

×Which city did you see a student from?→
Which city did the student you saw come from? あなたがあった学生はどの都市から来たのですか。

[1-4]主要部の右側に出現する補部の分類

[1-4-1]前置詞句。

[1-4-1-1]自動詞+前置詞句の名詞化。前置詞は不変。

He specializes in Greek History.→
He is a specialist in Greek History.
彼はギリシア史の専門家だ。

He didn't refer to the incidence.→
He made no reference to the incidence.
彼はその事件に言及しなかった。

You must allow for his youth.→
You must make allowance for his youth.
君は彼の若さを考慮しなければならない。

He didn't reply to my letter.→
He made no reply to my letter.
彼は私の手紙に返事をくれなかった。

[1-4-1-2]形容詞+前置詞句の名詞化。前置詞は不変。

She is averse to hard work.→
She has an aversion to hard work.
彼女は骨の折れる仕事を毛嫌いしている。

I am greatly interested in British history.→
I have a great interest in British history.
私は英国史に大いに興味がある。

No one doubts that he is fit for the post.→
No one doubts his fitness for the post.
彼がその地位に適していることを疑う者はいない。

He permitted himself a rare moment when he was /content/contented/ with watching a woman.
He permitted himself a rare moment of contentment with watching a woman.
彼は女性を見ることに満足する稀な瞬間を自らに許した。

[1-4-1-3]他動詞+目的語の名詞化。前置詞として通常、of を用いる。欲求の対象、目的などを表すときは for を用いる。

Edison invented the radio.→
Edison was the inventor of the radio.
エジソンはラジオの発明者だ。

I don't know his whereabouts.→
I have no knowledge of his whereabouts.
彼の居所を知らない。

I greatly admire the poet.
I have a great admiration for the poet.
私はその詩人を大いに賛美している。

The Soviet propaganda said that their conscripts were not fighting a war but helping the Afghans to reconstruct the country, building schools, kindergartens and roads, and guarding caravans with food. Basically, it was total disinformation of the Soviet public.
徴収兵は戦争をしているのではなく、学校や幼稚園や道路を建設し食物を運ぶ隊商を護衛し、アフガニスタン人が国を再建するのを助けているのだと政府は宣伝した。基本的に、それはソビエトの大衆に対する全くの誤情報だった。

動詞 inform は目的語として情報を告げられる人をとる。上の例文の disinformation はその動詞 inform の用法を残しており、結局、of の目的語は政府によって誤情報を提供された大衆ということになる。

[1-4-2]不定詞。不定詞は不変。

[1-4-2-1]他動詞+to不定詞の名詞化

You don't need to worry.→
You have no need to worry.
心配する必要はありません。

We decided to invest in his invention.→
We made the decision to invest in his invention.
私たちは彼の発明に投資することに決めた。

[1-4-2-2]形容詞+to不定詞の名詞化

Is he able to do the work?→
Does he have the ability to do the work?
彼にはその仕事をする能力があるのか。

I am not ambitious to be famous.
I have no ambition to be famous.
有名になりたいという野心はない。

[1-4-2-3]主要部と同格の(主要部の内容を説明する)場合

Will you have the goodness to show me the way?
道を教えてくれませんか。

He had the misfortune to lose his wife.
彼は不幸にも妻をなくした。

They didn't have the decency to apologize.
彼らは詫びを言う礼儀もわきまえていなかった。

He had the imprudence to talk back to his teacher.
ジョンは軽率にも先生に口答えした。

[1-4-3]前置詞+動名詞

[1-4-3-1] of を用いて主要部との同格を示す場合

There is actually no hope /×for them to win/of their winning/that they (will) win/ the war.
彼らが戦争に勝つ見込みは本当にない。

hope の場合はto不定詞を用いた書き換え不能である。

I have no intention /to retire/of retiring/ just yet.
引退するつもりは目下のところない。

intention の場合はto不定詞を用いた書き換え可能である。

[1-4-3-1-1] chance が of+動名詞、to不定詞を取る場合の意味の違い。見込みという意味ではof+動名詞を取り、機会という意味ではto不定詞を取る。

She has only a slim chance of passing the exam.
彼女が試験に受かる見込みはごくわずかしかない。

Please give me a chance to explain it.
それを説明する機会を下さい。

[1-4-3-1-2] of は省略されることがある。すると、動名詞は現在分詞ともとらえられる。

I am looking for a job (of) driving a car.
私は車を運転する仕事を探している。

We can offer you a career (of) counseling delinquents.
非行少年のカウンセリングの仕事を提供できます。

[1-4-4]that節。主要部と同格であり主要部の内容を説明する。前置詞は入らない。

Is there any certainty that he will support us.=
Is there any certainty of his supporting us.
彼が支持してくれるのは確かですか。

[1-4-5](前置詞+)wh節。that節に対して、wh節では前置詞が入ることがある。

The problem (of) how to contact the party vexed him.
その一行といかに連絡を取るかという問題が彼を悩ませた。

He is still in some doubt (of) whether to go or not.
彼は行くべきかどうかまだ迷っている。

I haven't the faintest idea (of) what you're talking about.
君が何について話しているのか全く分からない。

[2]形容詞の補部


[2-1]前置詞句を補部とする形容詞

He was angry with me about it.(with - は補部。about - は純粋修飾語)
彼はそれについて私に腹を立てていた。

She got angry at what I said.(at - が補部)
私の言ったことに彼女は腹を立てた。

Sam is bad at mathematics.(at - が補部)
サムは数学ができない。

You will be answerable to the boss for this.(to - と for - の両方が補部)
君はこのことで上司に説明しなければならないだろう。

I want a different pen from this one.(from - が different の補部)
私はこれとは違うペンが欲しい。

They proposed /a different project/a project different/ /from what I expected/than (what) I expected/
私が期待していたのと違った計画が提案された。

上の例文で、from は前置詞でしかないので、what を入れなければならない。それに対して、than を前置詞と見なせば、what を入れなければならず、関係詞と見なせば what を入れてはならない。

[2-1-1]上の例文のように、限定用法の形容詞が補部をとることがある。

I had made a different plan from my past one when he proposed one against it.
彼が私の過去の計画に反対してある計画を提案したとき、私は過去のものとは異なる計画を立てていた。

[2-1-2]人、物、事のいずれが補部になるかによって前置詞が異なる場合がある。

      人   物   事
angry(英)  with  at   at
angry(米)  at   at   at

He was angry /with(英)/at(米)/ me about it.(/with/at/ me は補部。about it は純粋修飾語)
彼はそれについて私に腹を立てていた。

She got angry at what I said.
私の言ったことに彼女は腹を立てた。

[2-2]that節を補部とする形容詞

以下のようなものがある。

[2-2-1]that節内を直接法として、様々な確信度での認識を表す形容詞。

[2-2-1-1]認識する人と認識内容(that節)を主語にすることができる形容詞。

〇I am certain that she will come.
〇It is certain that she will come.
彼女はきっと来る。

[2-2-1-2]認識する人だけを主語にすることができる形容詞。

×It is sure that he will help me.
〇I am sure that he will help me.
私は彼が私を助けてくれると確信している。

×It was not aware that there was any danger.
〇She was not aware that there was any danger.
彼女は危険があることに気づいていなかった。

[2-2-1-3]認識の内容(that節)だけを主語にすることができる形容詞。

×I am very likely that he will not consent.
〇It is very likely that he will not consent.
彼はまず同意しそうにない。

[2-2-2]仮定法現在(米)またはshould(英)を用いて命令、要求…などを表わす形容詞。

They were insistent that he (should) go.
彼らは彼が行くことを要求した。

[2-2-2-1] insist, propose などの動詞+that節(仮定法現在または - should -)のほうがよく用いられる。

They were insistent that he (should) go.→
They insisted that he (should) go.
彼らは彼が行くことを要求した。

[2-2-2-2]That節が主語で、形式主語になることがあり、その場合も仮定法現在または should を用いる。だが、直接法になることもある。

It is essential that the ban (should) be lifted tomorrow.(仮定法現在またはshould)
明日、それを解禁することが不可欠だ。

It is necessary that everyone has a share.(直接法)
すべての人が分け前にあずかることが必要だ。

[2-2-3] should を用いて that 節の内容が主観的または感情的判断であることを強調する形容詞。主観的または感情的判断であることを強調しないなら、should を用いず直接法にする。

It is strange that she should be so late.
彼女があんなに遅れるなんておかしい。

It is strange that she is so late.
彼女があんなに遅れるのはおかしい。

I'm so glad you've come.
おいでくださってうれしいです。

It is natural that he should get angry.(彼に対する同情を強調している)
彼が怒るのも無理もない。

[2-3] wh節または前置詞+wh節を補部として、疑いを表す形容詞。確信を表す形容詞でも否定文と疑問文ではwh節を取れる。that節が来るときは前置詞は入らないが、wh節が来ると前置詞が入ることがある。

[2-3-1]疑う人が主語の場合。前置詞は省略可能である。

I am doubtful (about/as to) whether I will succeed.
私は自分が成功するか疑わしい。

He was totally ignorant (of) what was happening in the firm.
彼は会社で何が起こっているか全く知らなかった。

I'm not sure (about) whether he will come or not.
彼が来るか来ないか確信がもてない。

Are you sure (of) how much the machine costs?
その機械がいくらするか確かですか。

I'm worried about where she is.
私は彼女がどこにいるのか心配だ。

上の例文のように前置詞句が補部でない場合は前置詞は省略できない。

[2-3-2]形式主語 it を用いる場合を含めてwh節が主語になる場合は前置詞は使用しない。

It's doubtful whether he'll be able to come.
彼が来れるか疑わしい。

[2-4] than+句または節を補部としてとる形容詞

They have /a house larger/a larger house/ than ours.
彼らは私たちより大きな家を所有している。

She is quite a different girl than she was five years ago.
彼女は5年前とは全く違った女の子だ。

[2-4-1] different で than と from の使い分け。後に名詞句または名詞節が来る場合は前置詞の from が普通。後に名詞節以外の節が来る場合は関係代名詞である than しかない。

She is quite a different girl than she was five years ago.(関係代名詞+関係詞節)=
She is quite a different girl from what she was five years ago.(前置詞+名詞節)
彼女は5年前とは全く違った女の子だ。

[2-5] to不定詞を補部とする形容詞。以下のタイプがある。

[2-5-1]TypeⅠ。①形容詞が人を主語として人の属性を表し、不定詞がその属性についての判断の理由を表す。それを②形式主語 It is 形容詞 of句 to不定詞の形に書き換えることができ、そのとき形容詞は不定詞が表す行為の属性を表す。②では of が不定詞の主語を示す機能をしているように見えるが、実際はこの of は属性が所属するものを示す of である。だから、休止は of句とto不定詞の間に置く。

You were very kind to play.①
君は(トランプの)相手をしてくれるとはとても親切だった。
It was very kind of you (休止) to play.②
君が(トランプの)相手をしてくれたのはとても親切だった。

How foolish he is to make a fuss.①
騒ぎ立てるとは彼は馬鹿だ。
How foolish it is of him (休止) to make a fuss.②
彼が騒ぎ立てるのは馬鹿だ。

[2-5-1-1] it を過去の行為では that に現在の行為は this で書き換えることができるが、this, thatの中に不定詞が含まれてしまい、それが形式主語として機能しない。

Why, that's good of you.
まあ、あんなことしてくれてありがとう。

[2-5-2]TypeⅡ。形容詞が主語の感情を表し、不定詞が感情の原因を表す。

He was angry to hear about it.=
It made him angry to hear about it.
彼はそれについて聞いて怒っていた。

I'm glad to see you.=
It makes me glad to see you.
私はあなたに会えて嬉しい。

[2-5-3]TypeⅢ。このタイプの形容詞は、不定詞が含む動詞または前置詞の目的語を主語として、その主語になった目的語の属性を表す。不定詞はその属性が当てはまる範囲を限定する。

例えば、

This sentence is hard to translate.
この文は翻訳するのが難しい。

では、translate の目的語が文の主語になっており、不定詞は何をするのに難しいかを限定している。

形容詞の叙述用法も限定用法も可能である。

This nut is tough to crack.①(叙述用法)
This is a tough nut to crack.①(限定用法)
これは砕くのに難しいナッツだ。

以下のサブタイプがある。

[2-5-3-1]TypeⅢ-1 It is 形容詞 for 不定詞の主語 to不定詞への書き換えが可能なもの。

He is easy to please.
彼は喜ばせるのにやりやすい人だ。

It is easy (for us) to please him.
彼を喜ばせることは簡単だ。

This sonata is easy to play on this violin.
このソナタはこのバイオリンで弾くのにやりやすいものだ。
This violin is easy to play this sonata on.
このバイオリンはこのソナタを弾くのにやりやすいものだ。

It is easy (for us) to play this sonata with this violin.②
このソナタをこのバイオリンで弾くことは簡単だ。

[2-5-3-1-1] impossible はTypeⅢだが、possible は TypeⅢではない。

×Your team is possible to defeat.
〇It is possible (for our team) to defeat your team.
君のチームを負かすことは可能だ。

〇Our team is impossible to defeat.=
〇It is impossible (for your team) to defeat our team.
私たちのチームを負かすことは不可能だ。

[2-5-3-1-2]不定詞が含む動詞または前置詞の目的語が文の主語になる場合で、その目的語を代名詞で不定詞の中で表示してよい場合は、不定詞が「~が~するためには」という目的を表すと解される場合である。

This problem is too difficult for him to solve.
この問題は彼が解くには難し過ぎる。

This problem is too difficult for him to solve it.
この問題は彼が解くためには難し過ぎる。

[2-5-3-1-3]不定詞の主語を示すfor句と「~にとって」という意味のfor句が併存することもある。

It would be tough for him for his wife to accept this view.
妻がこの見解を受け入れることは彼にとってはつらいことだろう。

It is important for me for you to visit my mother.
あなたが私の母を訪ねて来ることが私にとっては重要です。

[2-5-3-2]TypeⅢ-2 It is 形容詞 for 不定詞の主語 to不定詞に書き換えられないもの。too, enough で修飾されることがある。

This coffee is hot to drink.
×It is hot to drink this coffee.
そのコーヒーは飲むには熱い。

The peaches are ripe and ready to eat.
×It is ripe and ready to eat the peaches.
この桃は熟していて食べ頃だ。

This coffee is too hot to drink.
そのコーヒーは熱くて飲めない。

This radio's small enough to put in your pocket.
このラジオは小さいのでポケットに入る。

[2-5-3-0] It is 形容詞 /for 不定詞の主語 to不定詞/that節/の形のみ可能な形容詞もある。

possible, necessary, important, essential, vital, obligatory.

×Our team is possible to defeat.
〇It is possible to defeat our team.
私たちのチームを負かすことは可能だ。

×He is necessary to prepare for the worst.
×The worst is necessary for him to prepare for.
〇It is necessary for him to prepare for the worst.
〇It is necessary that he (should) prepare for the worst.(仮定法現在またはその代用のshould)
彼は最悪の事態に備えておく必要がある。

×He is important to get the job.
×The job is important for him to get.
〇It is important /to/for/ him to get the job.
〇For him to get the job is important.
〇Getting the job is important /for/to/ him.
〇It is important that he gets the job.(直接法)
〇It is important that he (should) get the job.(仮定法またはその代用のshould)
彼がその職を得ることは重要なことだ。

[2-5-3-0-1] to不定詞の代わりに動名詞も来るものがある。難易、無意味を表す形容詞、名詞、情緒性を強調する場合に限られる。動名詞の前にコンマが置かれると容認されることが多い。

It is no use crying over /spilled/spilt英/ milk.
こぼれた牛乳を嘆いてもどうにもならない。

[2-5-3-3]TypeⅢ-3 適応範囲を指定するのに to不定詞と(前置詞)+動名詞の両方をとるもの。

quick, slow

He is quick to learn.=
He is quick in learning.
彼は覚えが早い。

[2-5-3-4]TypeⅢ-4 適応範囲を指定するのに (前置詞+)動名詞のみをとるもの。前置詞は省略されることがある。

busy, late, worthy, etc.

She is busy (in) writing letters.
彼女は手紙を書くのに忙しい。

ただし、busy について、too ... to不定詞の用法に限って不定詞も可能である。

She is too busy to write letters.
彼女は忙し過ぎて手紙を書けない。

Spring is late (in) coming.
春が 来るのが遅れている。

Kyoto is worthy of being visited.
京都は訪れる価値がある。

[2-5-3-4-1] worthy に対して、worth は前置詞または形容詞であり、worthwhile は形容詞だが不定詞または動名詞のみを主語にとる。

Kyoto is worth visiting.(前置詞)=
Kyoto is worthy of being visited.(形容詞)=
It is worth visiting Kyoto.(形容詞)= It is /worthwhile/worth while/ /visiting Kyoto/to visit Kyoto/.(形容詞だが、不定詞または動名詞のみを主語にとる)

[2-5-4]TypeⅣ 話し手の様々な度合いの確信をもっての推測を表す。以下のサブタイプがある。

[2-5-4-1]TypeⅣ-1 話し手の推測を表し、it is 形容詞 that節に書き換えられるもの。certain, likely。

He is /certain/sure/ to win.(話し手の確信をもっての推測)=
It is /certain/×sure/ that he will win.(話し手の確信をもっての推測)
彼は必ず勝つ.

He is likely to live to ninety.(話し手の推測)=
It is likely that he will live to ninety.(話し手の推測)
彼は90歳まで生きられそうだ。

[2-5-4-2]TypeⅣ-2 話し手の推測を表し、it is 形容詞 that節に書き換えられないもの。sure。上の例文を繰り返すが、

He is /certain/sure/ to win.=
It is /certain/×sure/ that he will win.

[2-5-4-3]TypeⅣ-3 主語 be 形容詞 /that節/前置詞句/の形をとれるが、その場合は主語の推測を表すもの。certain, sure。


He is /certain/sure/ to win.(これは話し手の確信をもっての推測である)=
I am /certain/sure/ of his win.(主語の確信をもっての推測)=
I am /certain/sure/ that he will win.(主語の確信をもっての推測)
彼は必ず勝つ.

[2-5-5]TypeⅤ 不定詞が本来もつ未来志向性の意味があり、不定詞以外に書き換えられないか、前置詞句に書き換えられるもの。

bound, destined, about, due, going, liable, willing, supposed, anxious, dying, hesitant, willing

[2-5-5-1] ~するよう運命づけられている。bound, destined。~するよう義務付けられている。bound。

He was /bound/destined/ to die before he finished his work.
He was /bound/destined/ for death before he finished his work.
彼は作品を完成させる前に死ぬ運命にあった。

We are bound by the rules to attend the meeting.
我々は規定によりその会議に出席する義務がある。

[2-5-5-2] due。到着予定で、~する予定で。

The train is due in London at 5:30.
列車は5時30分にロンドン到着の予定だ。

I am due for promotion this spring.
私は今年の春昇進の見込みだ。

The animal health regulations is due to take effect next January.
獣疫法が来年1月に発効する予定である。

[2-5-5-3] liable 「~しがちである」「~の法的責任がある」

In winter we are liable to catch cold.
冬になると我々はかぜをひきやすい。

be liable /for/to pay/ one's wife's debts
妻の借金を払う義務がある

be liable to the death penalty
死刑に処せられるべきである

[2-5-5-4] supposed。平叙文で 「~することになっている」、否定文では「~してはいけない」。しばしば非現実を表す。

You are supposed to come at seven o'clock.
君は7時に来ることになっている。

You're not supposed to say things like that.
そんなことを言ってはいけません。

You're supposed to be one of my old friends.
おれたち親友のはずだろう。

She was supposed to arrive at three.
彼女は3時に着くことになっていた(が着かなかった)。

We're supposed to arrive at three.
我々は3時には着くことになっているんだ(が, 着きそうにない)。

[2-5-5]意欲の高揚、低下、動揺…などを表す。文の主語と不定詞の主語が異なるときは for で不定詞の主語を示すことができる。anxious, dying, hesitant, willing

I am anxious to see you.
お目にかかることを切望しています。

He is hesitant to agree with you.
彼はあなたに同意することをためらっている。

I am dying to know what happened.
何が起こったのか是非知りたい。

I am anxious for you to see her.=
I am anxious that you (should) see her.(that の中は仮定法現在またはその代用のshould)
君が彼女に会うことを切望している。

I am willing to help you.
喜んでお手伝いします。

[2-5-6]interested to不定詞は、①前出の感情の原因を表すこと、②直前の未来志向的な意欲を表すこと、③条件を表すことがある。

I was interested to hear it.①
私はそれを聞いて興味深く思った。

I would be interested to hear your views on that question.②
その問題についてあなたのご意見を伺いたい。

You'll be interested to hear that I'm engaged.③
私が婚約していることを聞けばあなたは興味を抱くでしょう。

[3]動詞の補部

動詞の補部は結局、文型の問題であり、文型と動詞の章で述べる。

[4]副詞の補部

[4]数少ない副詞は前置詞句を補部に取る。
They acted quite independently of each other.
彼らは互いに全く独立して行動した。

He was loved equally with his elder brother.
彼は兄と同様に愛されていた。

Fortunately for me, I did not lose my head.
私にとって幸運なことに、私はあわてなかった。

He was appareled similarly to the guards.
彼は番兵と似たような服装をしていた。

I can't walk other(wise) than slowly.
私はゆっくりとしか歩きようがない。

His brain is constructed differently from the brains of the others.
彼の頭脳は他の人の頭脳とはできが違う。

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