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比較

[1]比較級、最上級の作り方

[1-1] -er, -estを付けて比較級、最上級を作る形容詞、副詞
[1-1-1]一音節語

You can get one /cheaper/more cheaply/ secondhand.
中古ならもっと安く手に入る。

[1-1-1例外]一音節語でも real, right, wrong, like は more, most を付ける。

She is more like her grandmother than her mother.
彼女は母より祖母に似ている。

この like は目的語 her grandmother を取るという点では前置詞的だが、比較級があるという点では、形容詞的である。

[1-1-2]二音節語で y, le ,ow , er で終わる語は -er, -est を付ける。y で終わる語には y を i に変えて -er, -est を付ける。le で終わる語には -r, -st を付ける。

happy, happier, happiest
lovely, lovelier, loveliest
early, earlier, earliest
simple, simpler, simplest
narrow, narrower, narrowest
clever, cleverer, cleverest

[1-1-2例外1]形容詞+lyの副詞はいかなるときも more, most を付ける。

You can get one /cheaper/more cheaply/ secondhand.
中古ならもっと安く手に入る。

[1-1-2例外2]分詞、分詞形容詞にはいかなるときも more, mostを付ける。

The carpet was most worn here.
絨毯はここが最もすり減っている。

[1-2]それら以外は more, most を付けて比較級、最上級を作る。形容詞句、副詞句も more, most を付ける。

I was more in doubt about it than any of them were.
私は彼らの誰よりそのことを疑っていた。

[1-2例外]接頭辞 un- の付く形容詞、副詞は元が -er, -est を付けるならそうする。

easy → easier, easiest
uneasy → uneasier, uneasiest

[1-3]不規則比較級、最上級

品詞意味原級比較級最上級
形容詞よいgoodbetterbest
形容詞健康なwellbetterbest
副詞上手にwellbetterbest
形容詞悪いbadworseworst
形容詞病気のillworseworst
副詞悪くillworseworst
副詞悪く、ひどくbadlyworseworst
形容詞多数のmanymoremost
形容詞多量のmuchmoremost
副詞とてもmuchmoremost
形容詞少量しかないlittlelessleast
副詞あまりないlittlelessleast

Today's weather is worse than yesterday's.(形容詞 bad の比較級)
今日の天気は昨日のより悪い。

My daughter is behaving worse than ever.(副詞 ill または badly の比較級)
私の娘の振る舞いは以前より悪くなっている。

[1-3例外1]小さいという意味の形容詞 little は比較級、最上級として代用的に smaller, smallest を用いる。米では littler, littlest も用いる。

Some of the /smaller/米littler/ children were crying.
もっと小さい子供の何人かは泣いていた。

[1-3例外2]重要でないという意味の形容詞 little は比較級、最上級として lesser, least を用いる。米では littler, littlest も用いる。

Where love is great, the littlest doubts create fear.
愛が重要な場合、どんな些細な疑いでさえも恐怖である。

[1-3例外3]「好き」という意味の動詞 like を修飾する much の比較級、最上級としては better, best を用いる。

I like bananas better than apples.
私はリンゴよりバナナが好きである。

[1-3例外4] badly は want, need などと用いると very much の意味になるが、その比較級、最上級として英では more badly, most badly が用いられ、米では worse, worst が用いられる。

She badly needed his help.
彼女はどうしても彼の助けが必要だった。

She needed his help /英more and more badly/米worse and worse/.
彼女はますます彼の助けが必要になった。

[1-4]上の例外の他に比較級、最上級が二通りある形容詞

意味原級比較級最上級
古い、歳をとったoldolderoldest
兄弟間の長幼oldolder(米)
elder(英)
older(米)
eldest(英)
遅い、遅れてlatelaterlatest
順序latelatterlast
距離farfartherfarthest
距離・程度farfurtherfurthest

[1-4-1] elder, eldest には限定用法しかなく、兄弟間の長幼のみに用いる。米ではその elder, eldest も古風で現代では older, oldest がとってかわっている。

his /英elder/米older/ brother
彼の兄

×He is three years elder than I.(叙述用法は不可)
〇He is three years older than /I/me/.
彼は私より三歳年上です。

[1-4-1-1] elder の派生語 elderly は「年配の」という意味で、old, aged の婉曲的表現である。

a home for elderly people
老人ホーム

[1-4-2] later, latest は単純な時間的比較に用いられ、latter, last は順序を強調する。

His latest book might be his last.
彼の最近の本が最後の本になるかもしれない。

[1-4-2-1] last /week/month/year/ と the last /week/month/year/ の違い。前者は先週/先月/去年、後者はここ一週間/ここ一か月/ここ一年。

I had flu last week.
私は先週、インフルエンザに罹った。

I've had flu the last week.
ここ一週間、私はインフルエンザにかかっている。

[1-4-2-1例外]前世紀は、the last century/×last century。the last centuryでこの百年間の意味もある。

The last century saw two world wars and a cold war.
前世紀(二十世紀)は二度の世界大戦と一度の冷戦を体験した。

The world population has quadrupled in the last century.
この百年間で世界の人口は四倍になった。

[1-4-2-2]/last/next/ /week/month/year/について現在を基準時として/先~/次~/というときは the が省略される。日常会話では現在を基準時にすることが多いので、慣用的に the が省略されたのである。それに対して、過去を基準時として/先~/次~/というときは以下のようになる。

last week→/the previous week/the week before/
next week→/the next week/the following week/

He said to me, "I will come back (無冠詞) next week."(""内は現在を基準時とした発言)⇒
He told me (that) he would come back /the next week/the following week/.(言った時が基準時)
彼は私に「僕は来週、帰ってくるよ」と言った。

He said to me, "I saw her (無冠詞) last month."(""内は現在を基準時とした発言)⇒
He told me (that) he had seen her /the month before/the previous month/.(言った時が基準時)
彼は私に「僕は先月、彼女と会った」と言った。

[1-4-3] farther, farthest は距離について、further, furthest は比喩的距離、つまり、程度について用いられるが、くだけた言い方では距離にも程度にも further, furthest を用いる。

He lives /farther/further/ on.
彼の家はもっと先です。

For further information, ask the secretary.
詳細は秘書まで。

[2]比較総論

[2-1]比較級、最上級にならない形容詞、副詞は、量が連続的に変化することが不可能、つまり、程度の差をもたない形容詞、副詞である。それらは very で修飾できず、almost, nearly, quite, not quite, etc.で修飾できる。比較級、最上級にならない形容詞、副詞には以下のようなものがある。

[2-1-1]意味が最上級に等しい形容詞、副詞。only, mere, whole, total, main, supreme, absolute, etc.

×the most supreme joy
〇supreme joy
無上の喜び

[2-1-1例外] unique などは比較級、最上級になることがある。

This animal displays one of the most unique patterns of behavior.
この動物は最もユニークな行動様式のひとつを見せてくれる。

[2-1-2]名詞派生の形容詞。earthen, atomic, musical, English, etc.

[2-1-2例外1]「~らしい」「~のような」というような比喩的な意味では比較級、最上級になる。

How much is this wooden doll?
この木製の人形はおいくらですか。

He is English.
彼はイギリス人だ。

He is more English than me.(イギリス人らしいという意味)
彼は私よりイギリス人らしい。

His performance is more wooden than before.(木のようにぎこちないという意味)
彼の演技は以前よりぎこちない。

[2-1-3]限定用法のみの形容詞の一部。daily etc.

×her dailier life
〇her daily life
彼女の日常生活

[2-1-4]上の形容詞から派生した副詞の他に、焦点化の副詞、場所、時の副詞は比較級、最上級にならない。

×She's the most absolutely brilliant singer.
〇She's an absolutely brilliant singer.
彼は無条件にすばらしい歌手だ。

[2-2]形容詞の中には比較や how を用いた疑問文で反対の意味からの程度を表せるものがある。そのような意味を「純粋数量的意味」と呼べる。例えば、

She is older than he is.
彼女は彼より年上だ。

How old are you?
あなたは何歳ですか。

において、彼や彼女やあなたは必ずしも高齢ではなく、若いかもしれない。そのような意味が純粋数量的意味である。それに対して、How young are you? の young は純粋数量的意味をもたず、若いことが分かっている人にしか使えない。

"How old is he?" "Young." "How young?"
「彼は何歳ですか」「若いです」「どれぐらい若いですか」

[2-2-1]純粋数量的意味の有無に基づいて形容詞を以下のように分類できる。

①同等比較でも比較級最上級でも純粋数量的意味をもちえる。これが本来の純粋数量的意味である。
old, deep, tall, high, wide, thick, long, strong, big, etc.

②同等比較で純粋数量的意味をもたず、比較級最上級でもちえる。これを「相対的」純粋数量的意味と呼べる。
young, swallow, short, low, narrow, thin, short, weak, small, etc.

③同等比較でも比較級最上級でも純粋数量的意味をもたない。
wise, stupid, foolish, intelligent, beautiful, etc.

結局、

(1)She is as old as he is.
彼女は彼と同い年だ。

(2)She is as young as he is.
彼女は彼と同様に若い。

(3)She is older than he is.
彼女は彼より年上だ。

(4)She is younger than he is. 彼女は彼より年下だ。

のうち、二人とも若いことが分かるのは(2)だけであり、他は単に二人の年齢を比較しているだけである。

[2-3]比較するものは以下のように様々である。

[2-3-1]同じものの同じ属性の異なる部分または状況での比較。

This lake is deepest here.(異なる部分)
この湖はここが一番深い。

This mountain is most beautiful in spring.(異なる状況)
この山は春が一番、美しい。

[2-3-2]異なるものの同じ属性の比較。最も多い。

She is taller than he (is).(異なる主語の同じ属性の比較)
彼女は彼より背が高い。

Mary loves John more than Jane (does).(メアリーがジョンを愛する程度とジェーンがジョンを愛する程度の比較)
ジェーンがジョンを愛するよりメアリーはジョンを愛している。

John loves Mary more than (he loves) Jane.(ジョンがメアリーを愛する程度とジョンがジェーンを愛する程度の比較)
ジョンはジェーンよりメアリーを愛している。

A whale is no more than a fish than a horse is.(異なる主語の同じ属性の比較) 鯨が魚でないのは馬が魚でないのと同様である。

[2-3-3]同じものの異なる属性の比較

The river is as deep as it is wide.
その川の深さと幅は同じだ。

She is more shy than unsocial.
彼女は非社交的というより恥ずかしがり屋だ。

[2-3-3-1]上の例文には「非社交的」という表現より「恥ずかしがり屋」という表現のほうが適切だという意味もある。このように表現方法を比較していることもある。

[2-3-4]異なるものの異なる属性の比較

Mary is as clever as Jane is pretty.
メアリーの利口さはジェーンのかわいさと同じだ。

[2-3-5]全く異質な属性の比較はできない。

×The desk is as high as the fox is cunning.

[2-4] as, than の後の主語+助動詞は縮約できない。

×He is more clever than she's.
〇He is more clever than she is.
彼は彼女より賢い。

そもそも、一般に動詞句が省略された主語+助動詞の縮約はできない。

×You'll need some money, and I'll, too.
〇You'll need some money, and I will, too.
君はカネがいくばくか必要になるだろう。私もそうだろう。

"Is she an actress?" "Yes, /〇she is/×she's/〇she's an excellent one/."
「彼女は女優ですか」「はい、/そうです/優れた女優です」

[2-5]異なる主語の比較の場合、①あとに助動詞が続く場合は主格にし、②助動詞を省略する場合は目的格とするのが普通。つまり、前者の場合、than, as は接続詞であり、後者の場合、それらは前置詞である。③同一主語で異なる目的語の比較の場合は目的格にする。この場合、than, as は接続詞とも前置詞ともとれる。④異なる主語で同一目的語についての比較の場合は than, as の後に主格+助動詞を置く。この場合、than, as は接続詞である。

She is as tall as I am.①=
She is as tall as me.②
彼女は私と同じ背の高さだ。

She loves him more than me.③
彼女は私より彼を愛している。

He loves her more than I do.④
私が彼女を愛しているより彼は彼女を愛している。

[2-6] as - as と -er than を併記するときの正しい用法は、as - as or -er than -。だが、二番目の as を落とした as - or -er than - も正用である。

The situation went as bad (as) or worse than we had expected to be.
状況は予想以上に悪くなった。

Our hope was that by taking train we might get to Beckenham as soon as, or sooner than, the carriage.
私たちの希望は、汽車に乗れば、馬車に乗るのと同様にまたはそれ以上に早くベッケナムに着けるかもしれないというものだった。

[2-7]二者の中の比較では、最上級を用いず、the+比較級+of+the+two(+名詞句) の形を用いることが多いが、くだけた言い方で最上級を用いることがある。

He is the taller of the two (boys).(普通体)=
He is the tallest of the two (boys).(略式体)
彼はその二人の中で背が高い/ほう/少年/です。

[2-8] than, as の後に名詞句が続くときは than, as は前置詞または接続詞と見なされ、節が続くときはそれらは接続詞または関係代名詞と見なされる。

[2-8-1] than, as の後に名詞句が続くとき、前置詞と見なされれば目的格が続き、接続詞と見なされれば主格または目的格が続く。

①He is /taller/as tall/ /than/as/ her.(目的格、前置詞と見なされる)
③He is /taller/as tall/ /than/as/ she.(主格、接続詞と見なされる)
彼は彼女より背が高い。

頻度は①②③の順である。

それに対して、

The priest loved him more than her.
その司祭は彼より彼女を愛した。

のように目的語の比較では上の文のみが正しい。

[2-8-2] than, as の後に節が続き、関係詞の生成に必要な部分だけが欠落しているときは than, as は関係詞と見なされる。関係詞の生成に必要な部分以外も欠落しているときは than, as は接続詞と見なされる。

He spent three more days in England than he had originally intended.(接続詞)
He spent three more days in England than he had originally intended to spend.(関係代名詞)
彼は最初の予定より3日長くイングランドで過ごした。

She sings as well as playing the piano.(動名詞が続くので前置詞と見なされる)
She sings as well as she plays the piano.(as に続く節で副詞が欠落しているので関係副詞と見なされる)
彼女はピアノ演奏だけでなく歌唱も上手い。

[2-9] than, as の後にthat節、if節が来ることがある。

I desire nothing more than that you should come.
あなたが来てくれることしか望んでいません。

I am much happier than if I were rich.
私は金持ちであるよりずっと幸福だ。

I recall the whole thing as vividly as if I'd seen it yesterday.(as if の後は非現実を表す仮定法過去完了)
まるで昨日見たかのようにそのすべてをありありと覚えている。

[2-10]最上級の母集団は、可算名詞複数形または複数扱いの集合名詞のときは of で示し、単数扱いの集合名詞のときは in で示す。

He is the fastest in the team.(team は集合名詞であり、米では常に単数扱い)
彼はそのチームの中で最も足が速い。

The country was the most amicable of the belligerents.(可算名詞複数形)
その国は交戦国の中で最も友好的だった。

[2-10-1]母集団を示さないときは、上の限りでない。

The rest of the puzzle's pieces were provided by perhaps the greatest spy of the Cold War, Oleg Pencovsky.
パズルの残りのピースは、恐らく冷戦で最も偉大なスパイ、つまり、オレグ・ペンコフスキーによって提供された。

上の例文では、spy of the Cold War が一つの名詞句になっており、この中の of は母集団を示すのではない。

[2-11]副詞の最上級はぎこちない表現になるので、代わりに比較級+than+any other - などを用いることが多い。

He expresses himself (the) most subtly of all the contemporary writers.→
He expresses himself more subtly than any other contemporary writer.
彼は同時代の他のどの作家より繊細な表現をする。

[2-12]厳密な比較級、最上級に対して、曖昧なそれらがある。後述する絶対比較級、絶対最上級もそれに含まれる。前者が much で修飾できるのに対して、後者は修飾できない。また、後者は /than/as//句/節/を伴うことができない。

the upper story
上の階
×the much upper story

upper animals ⇔ lower animals (絶対比較級)
高等動物 ⇔ 下等動物
×much upper animals ⇔ ×much lower animals

Higher education is something.(絶対比較級)
高等教育にも何かがある。
×Much higher education is something.

I don't have the foggiest idea.(絶対最上級)
私にはさっぱり分からない。
×I don't have much the foggiest idea.

A chimpanzee is a higher animal (×than a rabbit).
チンパンジーは高等動物である。

[3]比較級、最上級を修飾する語

[3-1]比較級、最上級を修飾する基本語

verymuchfarby far
far and away
a lot
way
still
even
quite
比較級
最上級

ただし、最上級ついて、very は the と最上級の間に入り、他は the の前に置く。

This dictionary is the very best.
This dictionary is /much/by far/ the best.
この辞書が断然よい。

[3-2]比較級を修飾する some, any について。any+比較級は否定文、疑問文で可能。一般に some+比較級は不可。somewhat+比較級とする。ただし、比較級を作る more ではなく単なる many, much の比較級の more について、some+more+名詞は可能。

Do you feel any better today?
今日は幾分かは気分がいいですか。

×I feel some better today.
I feel somewhat better today.
今日は幾分か気分がいいです。

Give me some more books.
もっとたくさんの本を下さい。

[3-3]一般に比較の差を表す数量を表す名詞句は、比較級の前における。比較の差を表す語句が長いときは by - を用いことも可能である。

Tom is two years older than I.
トムは私より二歳、年上です。

Tom is older than I by three and a half months.
トムは私より三か月半、年上です。

[3-4]比較級を作る more, less ではなく、単なる many の比較級 more と、few の比較級 fewer を some, many, few, one, two などの数を表す数量詞が修飾でき、単なる much の比較級 more と 単なる little の比較級 less を 量を表す数量詞、some, much, little などが修飾できる。

Give me many more notebooks.
もっとたくさんのノートを下さい。

Give me two more notebooks.
ノートをもう二冊下さい。

There were many fewer cars in the parking area than usual.
駐車場には普段より車がだいぶん少なかった。

There was much less water in the pool than usual.
池には普段より水がだいぶん少なかった。

There were /many/a few/ more applicants than the job openings.
仕事の空きより/ずっと/少し/多くの応募者がいた。

You'll need /much/a little/ more money to rent such a house.
そのような家を借りるには/ずっと/もう少し/多くのカネが要るぞ。

[3-5]比較級を修飾する even, still, yet の意味。比較の差を表すというより、何であれより~であることを強調する。

Tom is tall, but Joe is still taller.
トムは背が高いが, ジョーはさらに高い。

[3-6] ever が比較級を修飾すると、「ますます」という意味になり、時間的変化増減を表す。

An ever more elaborately patterned embryo is created through the repetition of cell division.
細胞分裂の繰り返しを通じて、ますます入念にパターン化された胚が形成される。

The market shapes to an ever-greater degree the way people conduct their romanmtic and sexual lives.
人々の恋愛や性生活の流儀はますます市場によって形成されている。

as, than, that の後で強意でよく用いられる語

[4]比較表現で as, than, that の後で強意でよく用いられる語は、any, ever, yet である。これらは否定文、疑問文、条件文でもよく使われる。

[4-1] any

比較級+than+any+other+可算名詞単数形 を基本として、「他の誰(何)より~」という意味になり、最上級と等しくなる。

Apple is bigger than any other company in the world.
アップルは世界の他のどの会社より大きい。

[4-1-1]主語が複数なら、/than/as/ any other の後も複数になる。

American farmers produce more individually than any other farmers in the world.
アメリカの農場主は世界の他のどの農場主より一人当たりの生産性が高い。

[4-1-2]それらに対して、as 原級 as any other 可算名詞/単数形/複数形/ となると、「どれにも劣らないほど」の意になり、比較級を用いるのと大差はない。

Apple is as big as any other company in the world.

[4-1-3] other を落とすと、それが属さない集合との比較になる。

She is a better dancer than any of the other girls.(それが属する集合との比較)
彼女は他のどの(限定された)少女よりダンスがうまい。

She is a better dancer than any of the boys.(それが属さない集合との比較)
彼女はどの(限定された)少年よりダンスがうまい。

[4-1-3例外]だが、それが属する集合との比較において、other が省略されることがある。

He is as clever as anybody.
彼は誰より利口だ。

[4-1-4] No (other) 可算名詞/単数形/複数形/が主語になると、other が落ちる可能性は高くなる。また、単数形でも複数形でもよい。

No (other) /mountain/mountains/ in Japan /is/are/ /as high as/higher than/ Mt. Fuji.
日本のどの山も富士山ほど高くない。

Never has any (other) audience been so stimulating to writers.(否定語が先頭に来てSV→VSの倒置が起こった)
作家にとって読者がこれほど刺激的であったことはない。

[4-1-5]必ずしも any を必要としない。そういう表現も稀にある。

He is more stupid than the other boys.
彼はそれらの少年の誰より間抜けだ。

[4-2] ever

基本的に /最上級/原級/ (that) S /have ever 過去分詞/ever 過去形/の形をとる。

It is the best book I've ever read.
こんないい本はまだ読んだことがない。

Keats is as great a poet as ever lived.
キーツは不世出の大詩人だ。

[4-2-1] as 原級 as ever なら「あいかわらず」。同一物についての異なる時間の中での比較である。

She is as pretty as ever.
彼女は相変わらずかわいい。

[4-3]最上級+yet。「かつてない」

This is the hardest job yet.
これは今までにない厳しい仕事だ。

For Brezhnev and Nixon, this was the most dramatic proof yet of the new relationship between their two countries.
ブレジネフとニクソンにとって、これは彼らの二つの国の間の新しい関係の最も劇的な証だった。

[4-4]最上級+alive。「かつてない」

He was the shyest man alive.
彼は世にも内気な男だった。

[5]最上級と等しい原級、比較級

[5]まとめてみる。

Apple is the biggest company in the world.=
Apple is the biggest of all (the) companies in the world.=
Apple is bigger than any other company in the world.=
Apple is bigger than any of the other companies in the world.=
Apple is bigger than all (the) other companies in the world.=
Apple is bigger than every company else in the world.=
No (other) company in the world is bigger than Apple.=
No (other) company in the world is /as/so/ big as Apple.
アップルは世界最大の企業だ。

[6]劣勢比較

[6] less - than -, the least - /of/in/ - の形をとる。

それらを説明するには前に説明した本来の「純粋数量的意味」をもう一度持ち出す必要がある。例えば、old という形容詞について、若い二人 A, B にも A is older than B. という表現ができる。それが本来の純粋数量的意味の例である。

① 前述の純粋数量的意味をもちえる形容詞については、その劣勢比較を用いるより、その反対の意味の形容詞の比較級・最上級を用いるのが普通である。例えば、
△She is less old than him.→
〇She is younger than him.
彼女は彼より若い。

② 純粋数量的意味をもちえない形容詞のときは not /as(米)/so(英)/ - as -
のほうが普通である。例えば、

△She is less intelligent than him.→
〇She is not so intelligent as him.
彼女は彼ほど知的ではない。

だが、
③接頭語 un-, im- で反意語を作れるような形容詞では、/less -/the least -/またはnot as - as - が more un-, the most im- より普通である。例えば

△She is more /imperceptive/unsophisticated/ than him.→
〇She is less /perceptive/sophisticated/ than him.
〇She is not /as/so/ /perceptive/sophisticated as/ him.
彼女は彼ほど/洞察力がない/洗練されていない/。

△She is the most unsophisticated of the three.→
〇She is the least sophisticated of the three.
彼女は三人の中で最も洗練されていない。

[7] not more than ⇔ not less than ⇔ no more than ⇔ no less than

[7-1] not more - than, not less - than

A is not more - than B は文否定であり、「A は B より~でない」つまり「以下である」ことを意味する。また、A is not less - than B は文否定であり。「A は B より~劣っていることはない」つまり「以上である」ことを意味する。それらは単に以上または以下であることを意味するだけである。

This question is not more difficult than that one.
この問題はあれほど難しくない。

I am not less anxious than you to study abroad.
私は君に劣らず留学したいと思っている。

[7-2] no more - than, no less - than

これらは構成素否定であり、no more の no は more だけを否定し、no less の no は less だけを否定する。

① /A is no more - than B/A is - no more than B/ (異なるものの同じ属性の比較)
② /X is no more A than B/X is A no more than B/ (同じものの異なる属性の比較)
③ /A is no more B than C is D/A is B no more than C is D/ (A is B という事象と C is D という事象の比較)
は、比較級だけを否定し、A、B、A is B, C is D のいずれにも否定的な態度をとる。それに対して、
④ /A is no less - than B/A is - no less than B/ (異なるものの同じ属性の比較)
⑤ /X is no less A than B/X is A no less than B/ (同じものの異なる属性の比較)
⑥ /A is no less B than C is D/A is B no less than C is D/ (A is B という事象と C is D という事象の比較) は、比較級だけを否定し、A、B、A is B, C is D のいずれにも肯定的な態度をとる。
それらのすべてについて動詞としては be動詞だけが来るのではない。
また、それらのすべてについて、no more = not any more である。not any less の形はない。

She is no less beautiful than her older sister.①
彼女は姉にまさるとも劣らず美しい。

A man without money is no less a man than a monkey without it is a monkey.⑥
カネのないサルがサルであるのと同様にカネのない人間は人間である(カネのないサルが尊いのと同様にカネのない人間も尊い)。

A whale is no more a fish than a horse is (a fish).①
鯨が魚でないのは馬が魚でないのと同様である。

A whale is no less a mammal than a horse is.④
鯨が哺乳類であるのは馬が哺乳類であるのと同様である。

I suppose that iguanas are no more unusual as pets than tortoises.①=
I suppose that iguanas are no less usual as pets than tortoises.④
私はイグアナはカメと同じでペットとして異常でないと思う。

上の二文は結果的に等しくなった。

I no more believe in UFO's than you do.①
私は君と同じでUFOの実在を信じない。

"Your answer does not deserve any consideration." "Your question deserves consideration no more than my answer does."①
「君の答えは考慮に値しない」「君の質問が考慮に値しないのと同様だよ」

A home without love is no more a home than a body without a soul is a man.③
愛のない家庭が家庭でないのは、魂のない人間が人間でないのと同様である。

[7-3] not more than, not less than

not more than - は文否定であり、「~以下」「多くて~」を表し、not less than - で「~以上」「少なくとも~」を表す。

例文は以下でまとめて挙げる。

[7-4] no more than - は比較級を否定し、意味的に = only - であり、「~しか」を表す。no less than - も比較級を否定し、意味的に = as /many/much/ as - であり、「~も」を表す。

I have not more than ten dollars.
私がもっているのはせいぜい10ドルだ。

I have not less than ten dollars. 私は少なくとも10ドルもっている。

I have no more than one dollar.
私は1ドルしかもっていない。

I have no less than a hundred dollars.
私は100ドルももっている。

[7-4-1] no more than -, no less than - は数詞を強調するだけでなく他の品詞を強調することも可能である。

He is no more than a puppet.
彼は傀儡に過ぎない。

He /did no more than smile/only smiled/ at her.
彼は彼女に微笑んだだけだった。

No less a figure than John Foster Dulles, head of the State Department was part of the firm of lawyers acting for the United Fruit Company.
国務省の一番のお偉いさんであるジョン・フォスター・ダラスのような人物までもがユナイテッド・フルーツ社を擁護する弁護士集団の一翼を担っていた。

[7-5] [7-2][7-4]の no を nothing で置き換えても、結果的に意味は等しくなる。

The Divine Comedy became such a pillar of Italian culture that Dante's writing style has been credited with nothing less than the codification of the modern Italian language.
神曲はイタリア文化の支柱になったので、ダンテの文体は現代イタリア語の成文化であるとまで言われている。

Unless we face world population head-on, we are doing nothing more than sticking a Band-Aid on a fast-growing cancerous tumor.
世界の人口にまっこうから直面しない限り、私たちがしていることは、急速に広がる悪性腫瘍にバンドエイドを貼っているようなものだ。

[8]比例比較

[8]用いられる the は「それだけいっそう」という意味の副詞とされる。以下の二つの形がある。

[8-1] ~するほど~。以下の二番目の that は関係副詞である

①The more - S V, the more - S V.
②The more - that S V, the more - S V.(格式体)
③S V the more -, the more - S V.

V Sの倒置は格式体で、特に主語が長いとき、生じることがある。

The more (that) one has, the more one wants.①②=
One wants the more, the more one has.③
人は持てば持つほど欲しくなる。

The more light that falls on the eyes, the more the pupils contract to vertical slits.(この that は関係代名詞であり、)
目に当たる光が多いほど、瞳孔は収縮して垂直の切れ目になる。

ところで、垂直の切れ目になるのは人間以外の脊椎動物においてである。人間では切れ目にならず小さな円孔になる。

The bigger the crime is, the more obvious, as a rule, is the motive.
犯罪が大きいほど、概して動機が明らかになる。

[8-2] ~のためそれだけいっそう~

all the -er /for 句/because 節/ ~だからいっそう~
none the -er /for 句/because 節/ = ~だからといって~でない
not - any -er /for 句/because 節/

I feel all the better for a night's sleep.
一晩寝たのでそれだけいっそう気分がいい。

He seemed none the worse for his accident.=
He didn't seem any worse for his accident.
彼は事故があったからと言って(病状が)悪くなっていないように見える。

[9]漸増漸減比較

[9-1]基本は比較級 and 比較級で「ますます~」を表す。比較級が -er である形容詞・副詞ではそれを用いる。

The road got /worse and worse/×more and more bad/.
道はますます悪くなった。

We are going /more and more slowly/×more slowly and more slowly/.
私たちの進行は次第にゆっくりとなった。

[9-2-1]副詞がこの慣用句を構成するだけでなく形容詞が構成することがある。

The days get longer and longer in spring.(形容詞の叙述用法)
春は日はますます長くなる。

Tribes fused into larger and larger groups, creating fewer and fewer civilizations.(形容詞の限定用法)
部族はますます大きい集団に融合し、文明の数はますます少なくなった。

[9-2-2] ever+比較級でも漸増漸減を表すことができる。

The road got ever worse.
道は次第に悪くなった。

[10]絶対比較級

[10]比較の対象が一般のものである。以下の二つの慣用的表現がある。

[10-1]一般のものを反対語によっておおざっぱに二分することが多い。これはあくまでもおおざっぱな分類である。

the higher animals⇔the lower animals
高等動物⇔下等動物

the upper classes⇔the lower classes
上流階級⇔下層階級

the younger generation⇔the older generation
若年層⇔老年層

[10-2]断定的表現を避け曖昧に表現することによって少しでも関係者の感情を害したくないときに有用である。例えば、下の表現は、an old man, a large dress, cheap ones と言うより少しだが関係者の感情を損ねない。だから、店員が客に対してよく使う。

an older man
年配の男性

a larger dress
大きめのドレス

cheaper ones
安めのもの

[11]絶対最上級


[11]強意である。

以下の用法はあくまでも基本である。

①限定用法で可算名詞の単数形または複数形を修飾するときは、the を付けず、a を付けるまたは無冠詞とし、一音節語等でも -est を付けず、most を用いる。
②不可算名詞を修飾する場合は the を付け、一音節語等では -estを付ける。通常の最上級とは文脈で区別する。
③叙述用法では the を付けず、一音節語等でも most - を用いる。
④副詞にはtheを付けず、一音節語等でも most - を用いる。

⑤だが、それらはあくまでも原則であり、①③④で the を付けることがあり、theを付けないより強意になる。また、-est を用いることもある。

Isn't she a most beautiful woman?①
彼女はとても美しい女性ではないですか。

They are most beautiful women?①
彼女らはとても美しい女性たちだ。

That is /most kind/×kindest/ of you.③
ご親切ほんとうにありがとうございます。

He made the rudest remark.⑤
彼は無礼千万な所感を述べた。

At all times her dress was of the poorest.⑤
彼女のドレスはいつも粗末極まりないものだった。

She behaved most generously.④
彼女は非常に気前よく振る舞った。

[11-1]絶対最上級は主観的な形容詞で用いられ、客観的な形容詞では用いられない。

She is most beautiful.
彼女はすごい美人だ。

She is /very/×most/ tall.
彼女は非常に背が高い。

[12]ラテン語由来の比較表現

[12]比較の対象を表すのに than ではなく to を用いる。

[12-1] junior⇔senior

[12-1-1]年齢について。以下の表現が可能。

He is two years older than /I (am)/me/.
He is older than /I (am)/me/ by two years.
He is two years senior to me.
He is senior to me by two years.
He is two years my senior.
He is my senior by two years.
彼は私より2歳年上だ。

She is five years younger than me.
She is younger than me by five years.
She is five years junior to me.
She is junior to me by five years.
She is five years my junior.
She is my junior by five years.
彼女は私より5歳年下だ。

[12-1-2]地位、学年などについて

He is younger than I am, but he is senior to me at the office.
彼は私より年下だが, 職場では地位が上だ。

senior army officers
陸軍高官

[12-2] superior⇔inferior

[12-2-1]質について

The quality of their products is superior to that of their competitors'.
彼らの製品の品質は競争相手よりすぐれている。

[12-2-2]地位について

I'll report you to your superior officer.
あなたの所業について上官に報告します。

A manager is inferior to a general manager.
支配人は総支配人より下の地位だ。

[12-3] prior⇔posterior。限定用法のみ。

[12-3-1]時間的順序について

I have a prior /engagement/arrangement/ on Friday.
金曜日は先約があります。

[12-3-2]権利・義務の優先順位について

I have (a) prior claim /to/on/ the position.
私にはその地位に就く優先権がある。

[12-4] prefer A to B

I prefer watching games to playing them.
試合をするより見る方が好きだ。

[12-4例外] A, B にto不定詞が来ると、to ではなく、rather than を用いる。B がtoなし不定詞(原型不定詞)になることがある。

I prefer to rent the video rather than (to) see the film in a theater.
映画館で映画を見るよりビデオを借りる方がいい。

[13]倍数表現

[13]- times as 原級 as - と - times 比較級 than - がある。thrice などもあるが、二倍は twice, 三倍以上は three times を用いるのが普通。

[13-1] twice では as 原級 as を用い、三倍以上ではどちらも可能。ただし、how many times -? では 比較級 than を用いる。

How many times bigger is the U.S. than Japan?
アメリカ合衆国は日本の何倍の大きさですか。

[13-2] - times が形容詞または副詞ではなく名詞を修飾する場合は、- times+名詞(または代名詞)となり、比較表現は用いられない。

The war cost the Soviet Union 27 million lives ― nearly 40 times American and British losses put together.(losses を修飾)
戦争でソビエト連邦は二千七百万人の戦死者を出した。それはアメリカとイギリスの戦死者の合計の40倍近くだった。

Amongst Blacks, unemployment was nine times that of Whites.(that を修飾)
黒人の間では失業は白人の9倍だった。

[13-3]名詞を修飾する場合で、二倍、三倍の場合は、double, triple もよく使われる。

Israel gained double the size of its former territory, that is, it trebled its size.
イスラエルは以前の領土の二倍を得た。つまり、領土を三倍にした。

[14] no longer, no more

[14] no longer は(時間的に)「もはや~ない」ことを表し、no more は(時間的にを含む量的に)「もうこれ以上~ない」ことを表す。no longer - は、= not - any longer であり副詞でしかない。no more - は = not any more - で代名詞または形容詞または副詞である。いずれにしても、これらを含む文は文否定になる。英語は否定語をできるだけ先に表す傾向が強いので、例えば以下の①②③の順で好まれる。②のように否定語を敢えて文頭に移動させると主語と動詞・助動詞の倒置が生じる。

①We cannot stay here any longer.=
②No longer can we stay here.=
③We can stay here no longer.
これ以上ここにはいられない。

①He won't smile any more.(この more は副詞である)
②No more will he smile.
③He will smile no more.
彼はもう笑わないだろう.
He is no more in show business.(この more は副詞である)
彼はもはや芸能界にはいない.

There are no more (seats) left.(この more は seats がなければ代名詞である。seats が入れば形容詞)
もう(席は)残っていません。

Say no more.(この more は代名詞である)
それ以上のことは言わないでくれ。

[15]直喩

[15]狭義の同等比較の as - as -と比喩的表現(直喩)のそれとの違い。

後者では前の as を省略できる。また、後者では as - as の後に名詞句だけが来る。また、後者では形容詞、副詞は純粋数量的意味をもたない。

He is as old as the actor (is).(狭義の同等比較。彼とその俳優は高齢とは限らない)
彼はその俳優と同年配だ。

He is (as) old as Adam (×is).(直喩。ジョンもアダムも高齢であり、純粋数量的意味をもたない)
彼はアダムのように歳を取っている。

[15-1]どの形容詞に対してどの比喩を用いるかはだいたい慣用的に決まっている。as - as の後には必ずしも a+可算名詞が来るのではない。不可算名詞や可算名詞複数形が来ることもある。

as busy as a /bee/beaver/
as cool as a cucumber
as proud as a peacock
as old as Adam

/He/They/ /is/are/ as busy as /a bee/bees/.
/彼/彼ら/はミツバチのように忙しい。

[15-2] as - as if - という形もある。

I recall the whole thing as vividly as if I'd seen it yesterday.(非現実なので仮定法過去完了)
まるで昨日見たかのように私はすべてを思い出す。

[15-3] like so many - という慣用表現もある。

They worked like so many ants.
彼らは蟻のように働いた。

[16]最上級と定冠詞相当語句

[16-1]定冠詞相当語句を付ける場合

①最上級形容詞が限定用法として用いられる場合。名詞が唯一のものとして限定されるので。
②最上級形容詞が修飾する名詞が省略されていると考えられる場合。
③絶対最上級で不可算名詞を修飾する場合。

The lake is the deepest (one) in this district.②
その湖はこの地方で最も深い。

I owe him the deepest gratitude.③
私は彼にはとても感謝している。

[16-1-1]ここで付くのはあくまでも定冠詞相当語句であって、必ずしも定冠詞 the が付くとは限らない。例えば、名詞代名詞の所有格も定冠詞相当語句であり、最上級に付く。

Allende's first big step, supported by all chilean political parties, was the nationalization of copper, chile's biggest industry.(名詞の所有格)
チリのすべての政党に支持されたアジェンデの最初の大きな一歩は、銅山、つまり、チリの最大の産業の国有化だった。

Once again, going on strike, the truck owners paralyzed the world's longest and thinnest country.(名詞の所有格。the は world を修飾しているのであって、最上級を修飾しているのではない)
もう一度、ストライキをして、例のトラック所有者たちが世界で最も長く細い国を麻痺させた。

[16-2]定冠詞相当語句を付けない場合

①形容詞の叙述用法で同一物の中での比較であるとき。
②副詞で同一物の中での比較であるとき。
③絶対最上級、限定用法で可算名詞の単数形または複数形を修飾するとき。
④絶対最上級、叙述用法。

The lake is deepest at this point.①
この湖はここが最も深い。

She works hardest when she's doing something for her family.② 彼女は家族のために何かをしているとき、最も精を出す。

Jack is a most clever man.③
ジャックはとても利口な男だ。

They were most pleasant people.③
彼らはとても感じのよい人たちだった。

He is very helpful and most kind.④(絶対最上級の most は very より強い)
彼はとても役に立ってこのうえなく親切だ。

[16-3]随意的である場合

①形容詞叙述用法の最上級
②副詞の最上級

[17]例外的比較級最上級

[17-1]一音節語等でも /-er/-est/ ではなく /more/most/ を必ず用いる場合

[17-1-1]絶対最上級、可算名詞を修飾する場合。絶対最上級で叙述用法

He is a most clever man.
彼はとても利口な男だ。

They were most kinf people.
彼らはとても親切な人たちだった。

He is very helpful and most kind.
彼は役に立ってとても親切だ。

[17-1-2]同一人・物の異なる属性の程度を比較する場合。これは、形容詞の比較変化というより、副詞 much の変化である。

She is more shy than unsocial.=
She is shy rather than unsocial.
彼女は非社交的というよりはにかみ屋だ。

The woman is more pretty than beautiful.=
The woman is pretty rather than beautiful.
その女性は美しいというより綺麗だ。

The woman is no more pretty than beautiful.
その女性は美しくもないし綺麗でもない。

[17-1-2例外]ただし、than 以下に主語+動詞を置くときは-erが使える。

The woman is prettier than she is beautiful.
その女性は美しいというより綺麗だ。

[17-1-2-1]形容詞、副詞以外の名詞や句・節などについても同様である。

He is more a writer than a scientist.
彼は科学者というより作家だ。

He looked at his son more in sarrow than in anger.
彼は息子を怒りというより悲しみの目で見た。

[17-2]一音節語等で /-er/-est/ ではなく /more/most/ を(必ずではなく)用いることがある場合

[17-2-1] the -er, the -er の比例比較で。

The more facts you've got at your fingertips, /the more easy/the easier/ it is to persuade people.
物事に精通すればそれだけいっそう、人を納得させやすい。

[17-3]一音節語でも /more/most/ を用いそうで、/-er/-est/ を用いる場合は以下のとおり。
[17-3-1]漸増漸減比較

The road got /worse and worse/×more and more bad/.
道はますます悪くなった。

[17-3-2]絶対最上級限定用法で不可算名詞を修飾する場合

I owe him the deepest gratitude.
私は彼にはとても感謝している。

[17-4]動詞、形容詞を修飾する副詞の比較級、最上級で more, most を用いない動詞、形容詞。 動詞 like では more, most より better, best を用いるのが普通。 動詞 love ではそれらも用いることがあるが、more, most が普通。 形容詞 able では、比較級で better も more も用い、最上級では most を用いる。
I like bananas very much.
私はバナナがとても好きだ。

I like bananas better than apples.
私はリンゴよりバナナが好きだ。

I like bananas best.
私はバナナが一番好きだ。

She ought to be better able to speak French than you are because she was born and bred in France.
フランスで生まれて育ったから、彼女は君よりフランス語が話せるはずだ。

[18]原級を含む慣用表現

[18-1] as 原級 as /possible/one can/「できるだけ」。

Use as good a dictionary as /possible/you can/.
できるだけよい辞書を使いなさい。

類似の表現として、以下がある。

[18-1-1] as 原級 as 原級 (can be) で「このうえなく」を意味する表現がある。非文法的だが、慣用によってこうなった。

I was as happy as happy (can be) in the garden.(比較の対象が抽象的である)
私はその庭でこの上なく幸せだった。

[18-1-2] as best one /can/may/ 「できるだけうまく」。基本形からの変化は、原級が最上級になり、後ろの as が欠落したことである。非文法的だが、慣用による変化である。

I explained my meaning as best I could.
私は意図をできるだけうまく説明した。

[18-1-3] the 最上級の後に単に possible を置く表現もある。

His eyesight was going. We had to change the font of his typewriter to the largest one possible.
彼の視力は衰えていた。私たちは彼のタイプライターのフォントを可能な限りで最大のものに変えなければならなかった。

[18-2] as good as -「~も同然だ」。後に名詞句だけでなくあらゆる品詞が来うる。

If he gets hold of me, I am as good as dead.(形容詞句)
もし彼に捕まったら、私は死んだも同然だ。

The work is as good as finished.(過去分詞)
仕事は終わったも同然だ。

He as good as told so.(動詞句)
彼はそう言ったのも同然だ。

[18-3] as /much/many/ as「~も」(多量であることを表す)

Some machines cost as much as £20,000.
機械の中には2万ポンドもするものがある。

[18-3-1]普通に「同量の」を意味することがある。

Take as much as you want.
欲しいだけ取りなさい。

[18-3-2]意味的に all that one can do - と等しくなることがある。

It is as much as I can do to support my family.=
All that I can do is support my family.

家族を養うだけで精いっぱいです。

[18-4] It is as well /that/if/節 = had better「~したほうがよい」

It is as well that we should talk where there can be no eavesdropping.
盗み聞きされないところで話した方がいい。

[18-5] /A not - so much as B/A not so much - as B/ 「A は B ほど~でない」。- /- not A so much as B/- not so much A as B/「~は B ほど Aでない」「~はAというよりBである」

I don't like beef so much as you.
私は牛肉を君ほど好きでない。

He is not so much a scholar as a writer.
彼は学者というより作家だ。

Christianity was not a religion here so much as a birthright.
ここではキリスト教は宗教というより生得の権利だった。

Today the most dangerous enemy agent is not so much concerned with the secret information about weapons as he is with infiltrating the necessary departments of the government and shaping and controlling the actions of our nation so that the enemy is progressively winning without even firing a single shot.
今日、最も危険な敵のスパイは兵器についての秘密情報に関心をもっているというよりも、一発も発射することさえなくますます勝利できるように、政府の必要な機関に浸透し我が国の行動を形成し支配することに関心をもっている。

The agreement did not end the conflict so much as provide a face-saving way for the United States to extricate itself from the conflict.
その協定はその戦争を終わらせるというより、アメリカが戦争から抜け出しても面目を保てる道を引くようなものだった。

[18-5-1] A resembles nothing so much as B なら、A は B に「しか見えない」の意味になる。

That animal resembles nothing so much as a gazelle.
それはガゼルにしか見えない。

[18-6] not so much as -「~さえない」

He cannot so much as write his own name.
彼は自分の名前さえ書けない。

[18-6-1] not 以外の準否定語も使える。また、動詞句の前に置くだけではない。

He felt almost disrespectful to be racing past so many masterpieces without so much as a glance.
こんなに多くの大作を一瞥だにせずに急いで通り過ぎることはほとんど冒涜であると感じた。

[18-7]慣用表現というほどではないが、以下のように結局、/like/such as/ - (~のように)と等しくなる表現も可能である。

His technology represents major leaps forward in fields as diverse as robotics, brain science, artificial intelligence, and nanotechnology.→
His technology represents major leaps forward in diverse fields like robotics, brain science, artificial intelligence, and nanotechnology.→
彼の技術はロボット工学、脳科学、人工頭脳、ナノテクノロジーのような多様な領域における大躍進を代表する。

[19]比較級を用いた慣用表現

[19-1] know better than to不定詞「~するような馬鹿ではない」

He knows better than to answer such a question.
彼はそんな質問に答えるような馬鹿ではない。

[19-2] think better of -「~を良いように考え直す」

I think better of him for his present conduct.
私は今の振る舞いで彼を見直した。

[19-3] get the better of -「~を打ち負かす」

Finally he got the better of his opponent.
ついに彼は相手を打ち負かした。

[19-4] no better than - 「~も同然」。~は話し手にとって悪い意味をもつ。

Such a man is no better than an animal.
そういう人間は動物も同然だ。

[19-5] as soon as S1 p., S2 p.=
no sooner had S1 pp. than S2 p.=
/hardly/scarcely/ had S1 pp. /when/before/than/ S2 p.=
「~するとすぐに~」

As soon as I did it, I regretted it.=
No sooner had I done it than I regretted it.=
/Hardly/Scarcely/ had I done it /when/before/than/ I regretted it.=
私はそれをするとすぐに後悔した。

[19-6]/would/had/ /rather/sooner/ - than - =
/would/had/ (just) as soon - as - =
「~するぐらいなら~するほうがましだ」

I'd /rather/sooner/ die than marry you.=
I'd as soon die as marry you.=
あなたと結婚するくらいなら死んだ方がましです。

[19-7]① nothing more than - = ② only - = ③ no more than - =「~にすぎない」。①は本来、代名詞だから名詞句のみを強調する。それに対して、②③は他の品詞も強調できる。

He is nothing more than a dreamer.(a dreamer は名詞句である)
彼は夢想家に過ぎない。

He /did no more than smile/only smiled/×did nothing more than smile/ at her.(smile at her は動詞句だから nothing は不可)
彼は彼女に微笑んだだけだった。

[19-7-1] nothing more than A に対して、nothing less than B における B はそれ以上、悪くなりようのないものであり、「~に他ならない」を表すことがある。

The accident was nothing less than an insult.
その事件は侮蔑に他ならなかった。

[19-8]反対語の比較級を or で結んだ形。① more or less「多かれ少なかれ」、程度がどうであれという意味である。② sooner or later「遅かれ早かれ」、基準時からの時間がどうであれという意味である。

All crowns are more or less crowns of thorns.
すべての王冠は多かれ少なかれ茨の冠である。

Each of us is dying sooner or later.
私たちのそれぞれは、遅かれ早かれ死ぬ。

[19-9]/much/still/even/ more の形で肯定文に続いてさらに肯定的であることを表し、/much/still/even/ lessの形で否定文に続いてさらに否定的であることを表す。「なおさら~で/ある/ない/」。現代では/much/still/ more の代わりに/to say nothing of/not to speak of/not to mention/などを用いる。

You have a right to your property, to say nothing of to your life.
人には財産の権利がある。生命の権利はなおさらだ。

He can't even read English, much less write it.
彼は英語を読むことさえできない, まして書くなどできるものではない。

[19-9-1] to say nothing of の not to speak of, not to mention, much less などにない特徴。to say nothing of は通例「よくないこと」に用いられる。

The garden is a mess, to say nothing of the house.
家は言うまでもなく, 庭もひどいものだった。

It was a complete waste of time, to say nothing of the expense.
それは完全な時間の浪費だった. さらにその費用も大きかった。

She is fluent in three languages, not to speak of her mother tongue.
彼女は自分の母語はもちろんのこと, 3か国語が流暢だ。

[19-9-2] not to mention の to say nothing of, not to speak of, much less などにない特徴。他が、等位接続詞であり、文法的に等価なものが来うるのに対して、not to mention の後には 動詞 mention の目的語になりえる名詞句しか来ない。

The weather here is gorgeous, not to mention the wonderful food.
ここの気候は素晴らしい。素晴らしい食べ物は言うまでもない。

[19-9-3] no less は、much more と等しい意味用法になることがある。

In ancient days, such rituals were publicly performed, no less in temples.
古代には、そのような儀式は公衆の面前で行われていた。寺院では言うまでもない。

The church may no longer employ crusaders to slaughter nonbelievers, but their influence is no less persuasive.
教会は異教徒を殺すのに十字軍戦士をもはや使わないかもしれないが、教会の影響力は言うまでもなく説得力がある。

[19-10]/more often than not/as often as not/ = usually

[19-11] none the less = nonetheless = nevertheless「それにも係らず」。none the less は文頭に位置することも文末に位置することも可能である。nonetheless, nevertheless は文頭のみ。

He has many faults, but I love him none the less.
彼には欠点が多いが、それにも係らず私は彼を愛している。

It was snowing; nevertheless we worked outside.
雪が降っていた。それにもかかわらず私たちは外で働いた。

[19-12]比較級 than 原級 で「ずばぬけて~」であることを意味する。米の広告業界で使われる。

This product is newer than new.
この製品はピカピカの新品です。

[19-13] for the /better/worse/。change, affect などのそれだけでは良い方向か悪い方向かが分からない動詞に伴って、それらのどちらかを明確にする。

Climate change will affect the economy of every country for the worse.
気候変動はすべての国の経済に悪い影響を及ぼすだろう。

[20]最上級を含む慣用表現

[20-1] as best one /can/may/ -「できるだけうまく」。as best as I can ではない。それを言うなら as well as one can。

I explained my meaning as best I could.
できるだけうまく私の意図を説明した。

[20-1-2] the 最上級の後に単に possible を置く表現もある。

His eyesight was going. We had to change the font of his typewriter to the largest one possible.
彼の視力は衰えていた。私たちは彼のタイプライターのフォントを可能な限りで最大のものに変えなければならなかった。

[20-2] at (the) best「いくらよく見ても(言っても)」

Life is, at best, a sea of trouble.
人生はいくらよく見ても困難だらけだ。

[20-3] at (the) most「多くて、せいぜい」。数量にも、抽象物にも用いられる。

This is at most a makeshift.
これはせいぜい一時しのぎだ。

[20-4] at (the (very)) least「少なくとも」

It will take a year at least.
それには少なくとも一年、かかる。

You might at least have told me.
せめて話してくれればよかったのに。

[20-5] at one's best「最も良い状態で」

The cherry-blossoms are at their best these days.
今、桜が見ごろだ。

[20-6] at (long) last 「ついに」「やっと」

We worked hard and at last we succeeded.
私たちは頑張って働いて、ついに成功しました。

[20-6-1] at last と at the last の違い。後者は文字通り「最後の~に」

He recoiled at the terrible sight at the last minutes.
彼は最後になってその恐ろしい光景にしりごみした。

[20-7] least of all「特に~ない」。否定文に続ける。

None of us is religious, least of all the chief.
私たちは誰も信心深くない。特に長官がそうだ。

[20-8] to (the best of) one's ability「力の及ぶ限り」、to (the best of) one's knowledge「知っている限り」

To the best of my knowledge there is none of the custom in the country.
私の知っている限り、その国にその習慣はない。

[20-9] not in the least = not at all。否定を強める。

Really, I'm not in the least tired.
私は本当に少しも疲れてない。

[20-9-1] not - the least+名詞句 の形も可能である。

I don't have the least idea.
少しも分かりません。

[20-9-2] the がなければ、「特に」の意味になる。

Price have gone up, not least because of the increased cost of production.
特に生産費用の増加によって物価が上がった。

[20-10] for the most part「大部分は」

The shops were for the most part closed.
店は大部分、閉まっている。

[20-11] make the best of - ①「(劣悪な状況)を乗り切る」②~を最大限に活用する。

make the best of a bad job①
不利な状況を乗り切る

make the best of one's moderate ability②
並の能力を最大限に生かす

[20-12] make the most of -「~を最大限に活用する」

Happiness is the ability to make the most of what you have.
幸福とは自分が持っているものを最大限に活用する能力である。

[20-13] to say the least of it「控えめに言っても」

Lying is a bad habit, to say the least of it.
控え目に言っても、嘘をつくのは悪い習慣だ。

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