COPYRIGHT(C)2000 OUR-EXISTENCE.NET ALL RIGHTS RESERVED   一歩先を行く英文法トップページ  

副詞

[1]副詞総論

[1-1]機能による副詞の分類。副詞は機能によって以下のように分類される。

① 動詞を修飾する副詞
② 形容詞、副詞を修飾する副詞
③ 文全体を修飾する「文副詞」
④ 文を修飾するとともに文と文を接続する「接続副詞」

①と②が狭義の副詞であり、「普通副詞」と呼べる。単に「副詞」という言葉が用いられるときはこれを指すことにする。

[1-1-1]普通副詞(動詞、形容詞、副詞を修飾する副詞)に共通する特徴

①肯定文で話題化されて文頭に来ることがあるが、否定文の文頭に来ない。
②疑問文の焦点になれる(他はなれない)。
③否定文の焦点になれる(他はなれない)。
④yes or no 疑問文の答えになる(文副詞はなれる。接続副詞はなれない)。

×Quickly he didn't leave for home.①
〇He didn't leave for home quickly.③(quicklyが否定文の焦点)
彼は素早くは家に発たなかった。

Did he reply politely?②(politelyが疑問文の焦点)
彼は丁寧に返事をしましたか。

Did he reply politely or rudely?②(politely, rudelyが疑問文の焦点)
彼は丁寧に返事をしましたか無礼にしましたか。

Did he reply?
彼は返事をしたのか。
Yes, politely.(④)
丁寧にしたよ。

I didn't answer him rudely but politely.③(rudely が否定文の焦点)
私は彼に無礼にではなく丁寧に答えた。

She is not so intelligent.③(so が否定文の焦点)
彼女はそんなに知的ではない。

Is she so intelligent?②(so が疑問文の焦点)
彼女はそんなに知的なのか。
Not so.④
そうでもないよ。

[1-1-2]形容詞、副詞を修飾する副詞の特徴

①修飾する形容詞句、副詞句の程度を表す。

② enough を除いて修飾する形容詞句、副詞句の前に置かれる。enough は後に置かれる。

The play was very amusing.①②(very が形容詞 amusing を修飾する)
その芝居はとても楽しかった。

He was madly in love with her.①②(madly が副詞句 in love を修飾する)
彼は彼女にひどく恋をしていた。

He spoke extremely quickly.①②(extremely が副詞 quickly を修飾する)
彼はすごい早口で話した。

He didn't run fast enough to catch the train.(enough は形容詞句、副詞句の後)
彼は電車に間に合うほど早く走らなかった。

[1-1-3]文全体を修飾する副詞(文副詞)の特徴

①否定の影響を受けず、否定文を含めて文頭に生じえる。また、否定語より前に生じえる。
②疑問文の焦点になれない。
③否定文の焦点になれない。
④yes or no 疑問文の答えにはなる。

My watch certainly does not need fixing.(①)
僕の腕時計が修理する必要がないのは確かだ。

"Will he be there?" "Yes, probably."(④probably が yes or no 疑問文の答えの焦点)
「彼はそこに行くの」「うん、たぶん」

[1-1-4]接続副詞は yes or no 疑問文の答えにならない。

[1-1-5] happily, yet のように、二つ以上の種類にまたがるものがある。

/Happily/Luckily/Fortunately/, he did not die.(文副詞)
幸運にも彼は死ななかった。

He did not die happily.(普通副詞)
彼は幸せな死に方をしなかった。

I haven't seen him yet.(普通副詞)
私はまだ彼に会ったことがない。

He was poor, yet cheerful.(接続副詞)
彼は貧乏だが陽気だ。

[1-2]副詞の非定型的な機能

[1-2-1]動詞、前置詞の目的語になり、名詞の機能をする副詞がある。時と場所の副詞。now, then, here, there など。

He left there yesterday.(there が動詞の目的語)
彼はそこを昨日、発った。

I have lived here since then.(then が前置詞の目的語)
私はそのとき以来、ここに住んでいる。

[1-2-2]名詞句の後に置かれて名詞を修飾する副詞がある。時と場所の副詞。

The buildings here are all made of stone.
この地域の建物はすべて石造りだ。

The meeting yesterday was meaningful.
昨日の会合は有意義だった。

Meanwhile, the UN and south Korean armies continued the race north.(north が the race を修飾する)
その間、国連軍と韓国軍は北への急な進攻を続けた。

On the eve of its 40th anniversary that October, Gorbachev came to East Germany.(that October が the eve... を修飾する)
その年の10月の創立40周年記念の前夜、ゴルバチョフは東ドイツにやって来た。

The mist from the waterfall upstream billowed around, chilling him to the bone.
(upstream が waterfall を修飾する)
上流の滝からやってきた霧が辺りにうねり、彼は体の芯まで凍てついた。

[1-2-3] even, only, also, too のように、名詞句に限らずあらゆる句節の前後または中位に置かれて、それらを新情報の焦点とするものがある。それらを「焦点化の副詞」と呼べる。

Even a child can do this.(名詞句に焦点)
子供でさえもこれができる。

She didn't do anything. She didn't even open letters. She didn't open even the letter.(二番目の文では動詞句に焦点があり、三番目の文では名詞句に焦点がある)
彼女は何もしなかった。手紙を開封することさえしなかった。その手紙さえ開封しなかった。

He only saw a lion. The others didn't see any lions.(主語の名詞句に焦点)
彼だけがライオンを見た。他の人はライオンを見なかった。

He only saw a lion. He didn't experience any other things.(動詞句に焦点) 彼はライオンを見ただけだった。他の経験をしなかった。

He only saw a lion. He didn't see any other things.(目的語の名詞句に焦点) 彼は一匹のライオンしか見なかった。他のものは見なかった。

All of them saw a lion. He also saw a lion.(主語の名詞句に焦点)
彼らは皆、ライオンを見た。彼もライオンを見た。

He experienced a lot of things there. He also saw a lion.(動詞句に焦点)
彼はそこで多くのことを経験した。彼はライオンを見ることもした。

He saw a lot of things there. He also saw a lion.(目的語の名詞句に焦点)
彼はそこで多くのものを見た。彼はライオンも見た。

[1-2-4]名詞句を目的語としてとる前置詞のような働きもする副詞がある。near。

It's a mercy the accident happened so near the hospital.
事故が病院のすぐ近くで起こったのがせめてもの救いだった。

near は、上の例文のように very, so に修飾される、nearer, nearest と比較変化する点で形容詞的、副詞的であり、目的語をとる点で前置詞的である。

[1-2-5]前置詞句を付加部としてとる副詞がある。その元の形容詞がとる前置詞をとる。differently from, independently /from/of/, etc.

His brain is constructed differently from those of the others.=
The construction of his brain is different from that of the others'.
彼の頭脳は他の人の頭脳とできが違う。

He lives independently from his parents.=
His life is independet of his parents'. 彼は親から独立して生活している。

[1-2-6]本来は名詞だが、前置詞をとらず、副詞的機能をする語句がある。

yesterday, today, tomorrow, /this/that/last/next/ /day/month/year/, home, /this/that/ way, etc

Come this way.
こっちへ来い。

She sang the way I did.
彼女は私の歌う通りに歌った。

[2]動詞を修飾する副詞

[2]意味・機能による分類

①様態
②場所・方向
③時
④頻度
⑤程度
⑥焦点化

[2-1]様態副詞の位置。

①目的語または補語が短いときは、文尾
②目的語または補語が長いときは中位
③他の副詞または副詞句が動詞を修飾して文尾に来ているときはその前後も可能
④受動態では以下のとおり。一語の様態の副詞は過去分詞の直前。二語以上から成る副詞句でも副詞に修飾された副詞は、過去分詞の直前。それ以外の二語以上から成る副詞句は文尾
⑤強調するときは文頭
⑥後述する主語副詞であるときは主語の後

He read the letter carefully.①
彼はその手紙を注意して読んだ。

He suddenly sold the car he had bought one year before.②
彼は一年前に買った車を突然、売った。

She carefully picked up all the bits of broken glass.②
彼女は壊れたガラスの破片をすべて注意深く拾った。

She was badly treated.④
彼女はひどい扱いを受けた。

He looked suspiciously at me.③=
He looked at me suspiciously.③
彼は疑って私を見た。

He clumsily spilled the beans.⑥
不器用にも彼はソラマメをこぼした。

[2-2]場所・方向の副詞の位置

①通常、文尾
②-1 強調されるときは文頭。 ②-2 here, there はしばしば文頭に来て、副詞+V+S(代名詞を除く)の倒置が生じる。代名詞では、副詞+S(代名詞)+V の語順で倒置を起こさない。ただし、there be 構文を除く。

/Outside/In the nursery/, the children are playing happily.
/外では/子供部屋では/子供たちが楽しそうに遊んでいる。②-1

Here comes our bus!②-2
バスが来たぞ。

Here I am.②-2
ただいま。

[2-2-1]場所・方向の副詞が並置されるときの順番。具体的な地名が出て来る場合は特殊から一般へ。そうでない場合は一般から特殊へ。遠近については近い方から遠い方へ。経路の中では通る順。

She lives in Jefferson City, Missouri.(具体的な地名、特殊から一般へ)
彼女はミズーリ州のジェファーソンシティーに住んでいる。

He is out in the garden.(一般から特殊へ)
彼は外の庭にいる。

We can wait for you here or in the car.(近い順)
ここか車の中でお待ちできます。

They drove down the hill to the village.(通る順)
彼らは車でその丘を下り村へ行った。

[2-3]時の副詞の位置。

①文末
②強調されるときは文頭
③nowadays, presently, etc. は強調されて文頭に来るのが普通。

We left London at ten o'clock.① At noon the plane landed at Rome Airport.②
私たちは10時にロンドンを発った。正午には飛行機がローマ空港に着陸した。

Nowadays gasoline costs a lot.③
近頃、ガソリンが高い。

[2-3-1]場所・方向の副詞と時の副詞が並置されるときの順番。場所→時の順。

[2-3-2]時の副詞が並置されるときの順番。特殊から一般へ。一般だけを文頭にまわすことはできるが、特殊だけを文頭にまわすことはできない。

I'll meet you at three o'clock tomorrow.
At three o'clock tomorrow I'll meet you.
Tomorrow I'll meet you at three o'clock.
×Tomorrow at three o'clock I'll meet you.
×At three o'clock I'll meet you tomorrow.
明日、3時にお会いします。

[2-4]頻度の副詞

位置を論じるために以下のように分類できる

(1)肯定的な意味をもつもの:
always, regularly, usually, generally, often, frequently, sometimes, occasionally
(2)否定的な意味をもつものまたは否定語とともに用いられえるもの:
not, ever, never, rarely, seldom, hardly, scarcely
(3)二語以上から成る副詞句:
now and then, now and again, once a week, etc.

[2-4-1]頻度の副詞の位置

①(1)(2)は「中位」。つまり、助動詞がないときは、動詞の前、be動詞の後ろ、助動詞があるときは、一番目の助動詞の後。
②(3)は文末。
③助動詞に強勢をおいて文を強調するとき、また、動詞がなく助動詞のみのとき、助動詞の前。
④強調されるときは文頭に。その場合(2)では倒置が生じる。

She is often late.①
彼女はよく遅刻する。

I can seldom find time for reading.①
私には読書の時間がほとんど見つからない。

We have never been invited to one of their parties.①
私たちは一度も彼らのパーティーに招かれたことがない。

"You should always be polite." "I always am."③
「君はいつも丁寧にするべきだ。」「僕はいつでも丁寧だよ。」

"Do you remember?" "No, I never CAN remember."③
「覚えていますか。」「いや、どうしても思い出せない。」

Occasionally I try to write poetry.④
ときには私は詩作を試みる。

Again and again I've warned you not to arrive late.④
何度も遅刻するなと言ったぞ。

When it comes to grading test papers, teachers often DON'T distinguish between right and wrong.③
答案用紙を採点する段になると、教師はしばしば正誤の区別がつかなくなる。

Never shall I forget your kindness.④(倒置あり、イギリス英語のshall)
ご親切は決して忘れません。

Very rarely do you find the ideal partner.④(倒置あり)
理想のパートナーが見つかることはめったにない。

[2-4-2]場所・方向の副詞、二語以上から成る頻度の副詞、時の副詞が並置されるときの順番。場所・方向、頻度、時の順。

He gave lectures at the college three days a week last term.
彼は前学期、週3日、大学で講義をした。

[2-5]程度の副詞の位置

以下が原則である。

①文末
②強調されるときは中位
③目的語または補語が長いときは動詞とそれらの間
④二語以上から成る副詞句は文末
⑤very much は二語以上から成る副詞句だが④だけでなく①②③も可能
⑥kind of は修飾する語句の前。

He has completely ignored my request.②
彼は私の依頼を完全に無視した。

She will altogether reject such views.②
彼女はそのような見解を全然、受け入れないだろう。

I entirely agree with you.②
私はあなたに全く賛成です。

I kind of thought this would happen.⑥
私はこんなことが起こるという気がしていた。

Let's kind of look around.⑥
少しあたりを見回してみよう。

/They very much like her./They like her very much./⑤ 彼らは彼女のことがとても好きだ。

I admire very much what she did.⑤
彼女のやったことをたいへん賞賛している.

Organization of Petroleum Exporting Countries, or OPEC, has so influenced world oil supply and prices for nearly sixty years.(中位)
石油輸出国機構、つまりOPECは60年近くの間、世界の石油の供給と価格に大きな影響を及ぼしてきた。

[2-6]焦点化の副詞。唯一(only, simply, just)、併存(also, too, either, as well)、譲歩(even)、特別(chiefly, mainly,)、正確(exactly, just)、などの意味を添えて、修飾する語句が新情報の焦点であることを示す。名詞、代名詞も修飾できる。

[2-6-1]焦点化の副詞の基本的位置

①修飾する語句節の前
②中位におくと動詞句、文または節全体を含むあらゆる要素を修飾しうる。話し言葉では修飾する要素に強勢を置く。

Even Bob helped me.(主語を修飾)
ボブでさえ私を助けてくれた。
Bob helped even me.(目的語を修飾)
ボブは私さえも助けてくれた。
Bob even helped me.(中位、動詞句を修飾)
ボブは私を助けてくれることさえした。 BOB even helped me.(中位、主語に強勢)
ボブでさえ私を助けてくれた。
Bob even helped ME.(中位、目的語に強勢)
ボブは私さえも助けてくれた。

Even they could afford to buy cars.(主語である代名詞 they を修飾)
彼らさえが車を買うことができた。

He did it simply for the money.(副詞句 for the money を修飾)
彼がそれをしたのはカネのためだけだ。

He did it simply because he wanted to.(副詞節 because he wanted to を修飾)
彼がそうしたのは、したかったから、それだけだ。

The accident happened just at this point.(副詞句 at this point を修飾)
その事故はちょうどここで起きた。

Those days, not even the President of the United States dared challenge CIA Director.
当時、合衆国大統領でさえもCIA長官につってかかることはなかった。

[2-6-1-1] only, also は修飾する語句の後に置かれることがある。ただし、節を修飾する場合を除いて

/Only he/He only/ solved that problem yesterday.
彼だけが昨日その問題を解いた。

He solved /only that problem/that problem only/ yesterday.
彼は昨日はその問題だけしか解いていない。

He phoned her /also today/today also/.
彼は彼女に今日も電話した。

That is right /only/also/ because it is customary.(節を修飾)
/それは慣習だからという理由だけで正しい。/それは慣習だからという理由からも正しい。/

[2-6-2] too, either, as well, else, alone と in particular, in general などの二語以上からなる焦点化の副詞は修飾する語の後に置くのが原則である。ただし、too, either, as well は文末にも置ける。

Smith alone knows what happened.
スミスだけが何が起こったかを知っている。

I bought some apples as well.
私はリンゴも買った。
/I, too, have been to Rome/I have been to Rome, too/.
私もローマに行ったことがある。

[2-6-3] else は、以下の語の後で用いられる。

疑問詞(which, when を除き、-ever で終わる語を含む)、
any-, every-, some-, no-で始まり-body, -one, -thing, -where で終わる語、
all, much, little

しかも、単数のそれらだけに続く。例えば、There was someone else. において複数の人がいた場合は、There were some other people.などとする。

Let's go somewhere else.
どこかほかへ行こう。

Is anyone else coming?
ほかにだれか来るのですか。

What else did she say?
彼女は他に何を言いましたか。

[2-6-4]否定文と also, too, either の関係

否定文では also, too は使わず、either を用いると言われるが、否定語より前に置くなら also, too は否定文で使える。either は否定語より後で用いる。
We /also/, too,/ didn't read it.=
We didn't read it, either.
わたしたちもそれを読まなかった。

[3]形容詞、副詞を修飾する副詞

[3]形容詞、副詞を修飾する副詞は修飾する形容詞、副詞が表す属性の程度を表し、enough を除いて、それらの前に置く。

This steak is very badly cooked.
このステーキは調理法が非常に悪い。

He was madly in love with her.
彼は彼女に激しく恋をしていた。

上の例文のように形容詞句、副詞句を修飾する場合もその前に来る。

He was driving dangerously fast.
彼は危険なほどの速さで運転していた。

[3-1] enough には以下の三品詞がある。

①形容詞
②副詞
③代名詞

[3-1-1]形容詞 enough の位置。修飾する名詞の前。形容詞的な無冠詞単数名詞を修飾するときはその後。

There isn't enough light to take a photograph.(名詞の前)
写真を撮るのに十分な光がない。

She was fool enough to tell it to him.(形容詞的な名詞の後)
彼女は愚かにもそれを彼に話した。

Some were fools enough to think the lumps were only brass.(形容詞的な名詞の後)
その塊が真鍮に過ぎないと思った馬鹿もいた。

[3-1-2]副詞 enough の位置。修飾する形容詞または副詞の後。

She was foolish enough to tell it to him.(修飾する形容詞の後)
彼女は愚かにもそれを彼に話した。
[3-1-3]代名詞 enough の意味。①「十分な量の~」の意味だけでなく、②「うんざりするほどの~」の意味もある。

There is enough for all of you.①
君たち全員に足りるだけの分がある。

Enough has been said on this subject.②
この問題については十分なことを語った。

I've had enough of your nonsense.②
君のたわごとはもうたくさんだ。

[4]文全体を修飾する副詞(文副詞)

[4-0-1]文副詞は今までに説明した副詞とは異なり、否定の副詞の影響を受けない。焦点化の副詞の影響も受けない。
Obviously, she is not lying.⇒
It is obvious that she is not lying.
明らかに彼女は嘘をついていない。

Obviously, even she is lying.⇒
It is obvious that even she is lying.
明らかに彼女さえも嘘をついている。

[4-0-1]文副詞の位置

通常、文頭に来て、その後にコンマを打つ。それはあくまでも通常であって、その限りではない。

[4-0-2]文全体を修飾する副詞(文副詞)の分類

①領域副詞(文の内容が当てはまる学問等の領域や条件を表す)
②法副詞(文の内容に対する話し手の確信度を表す)
③評価副詞(文の内容に対する話し手の評価を表す)
④発話様式副詞(文を述べる方法を表す)

以下は文副詞ではないが、ここで説明する。
⑤主語副詞(主語副詞は、動詞句が表す行動に対する主語の心的態度または動詞が表す行動についての主語に対する話し手の評価を表す)

[4-1]領域副詞。文の内容が当てはまる学問等の領域や条件を表す。位置は通常、文頭であり、その後にコンマを打つ。句、節が領域副詞として機能することがある。

Politically, the country is always turbulent.
政治的にその国はいつも荒れ狂っている。

Economically, the country is in sharp decline.
経済的にその国は急激に衰退している。

Officially, I can't discuss the matter.
公には、私はその問題を論じることができない。

Privately, I agree with you.
個人的には、私はあなたに賛成です。

As far as the law is concerned, what he did is not a crime.(節)
法律に関する限り、彼がしたことは罪ではない。

In this country giving bribes to secure foreign contract is permitted.(句)
この国では、外国の契約を確保するために贈賄することは許される。

[4-1-1]接尾語"-wise"の機能。名詞を、動詞を修飾する様態副詞に変える、または②文を修飾する領域副詞に変える。

Weatherwise, we are going to have a bad time this winter.(領域副詞)
天候については今年の冬は過ごしにくくなりそうだ。

We circled clockwise.(様態副詞)
私たちは時計回りに回った.

[4-2]法副詞。文の内容に対する話し手の確信度を表す。位置は通常、中位。ときに文頭。maybe, perhapsは文頭。

Maybe she is in love.
もしかすると、彼女は恋をしているのかもしれない。

He obviously lived a life of luxury.
彼は明らかに贅沢な生活をした。

It will probably rain this evening.
たぶん今夜は雨だろう。

[4-3]評価副詞。文の内容に対する話し手の評価を表す。位置は文頭。ときに中位。

[4-3-1]評価副詞は普通、It is 形容詞 that節 に書き換えられる。

Amazingly he escaped death by a hair's breadth.→
It is amazing that he escaped ...
驚くべきことに彼は間一髪で死を免れた。

Curiously enough, I hadn't noticed his absence.→
It is curious that I hadn't ...
奇妙にも私は彼の欠席に気づいていなかった。

[4-3-1-1]評価副詞を含む文では通常、文の内容が主観的または感情的判断に基づくことを示す should は用いられない。それが用いられるのは通常、that節の中か、反語的な疑問文の中でである。

I was surprised that he /should feel/should have felt/ lonely when he was in California.
彼がカリフォルニアにいたとき寂しさを感じたなんて私は驚いた。

Why should I be questioned by the police?
なんで俺が警察に尋問されなければならないんだ。

[4-3-2] happily は様態副詞としても評価副詞としても機能する。それに対して、luckily, fortunately は評価副詞としてのみ機能する。叙述用法の形容詞 happy は主語が人のときのみ使用可能である。だから、It is happy that ... の書き換えは不可である。

/Happily/Luckily/Fortunately/, he did not die.(評価副詞)→
It was /lucky/fortunate/×happy/〇a happy chance/ that he did not die.
幸運にも彼は死ななかった。

He did not die /happily/×fortunately/×luckily/.(様態副詞)
彼は幸せな死に方をしなかった。

[4-4]発話様式副詞。文を述べる方法を表す。位置は文頭。

/Frankly (speaking)/To speak frankly/, I'm tired.
率直に言って、疲れた。

/Personally (speaking)/To speak personally/, I don't like her.
私個人としては彼女が好きでない。

His father showed me /personally/in person/ all over the farm.(これは様態副詞である)
彼のお父さんは自ら私を連れて農場をくまなく案内してくれた.

/Privately (speaking)/To speak privately/, the police collude with the gang.
ここだけの話だが、警察はその暴力団と癒着している。

privately owned property(これは様態副詞である)
私有財産

Can I speak to you privately?(これは様態副詞である)
他に人のいないところでお話したいのですが。

[4-5-1]句、節が発話様式副詞として機能することがある。

/Frankly/Frankly speaking/To speak frankly/, I'm tired.
はっきり言って、私は疲れている。

/Strictly/Strictly speaking/ it's not a liberal right but a social right.
厳密に言って、それは自由権ではなく社会権だ。

If you must know, (I'll tell you) she left for London.
どうしても知りたいなら言っておくが、彼女はロンドンに行ってしまった。

[4-5]主語副詞は、動詞句が表す動作・状態に対する主語の心的態度または動詞が表す動作・状態についての主語に対する話し手の評価を表す。話し手の評価を表す点では評価副詞に似ている。だが、あくまでも動詞句を修飾する。この点では文副詞ではなく様態の副詞である。主語副詞の位置は、主語の後=助動詞、動詞の前。主語副詞を新情報の焦点にするときは文頭に置き、後にコンマを付ける。句が主語副詞として機能することがある。

She foolishly forgot her passport.(主語副詞、話し手の評価)→
She was foolish enough to forget her passport.
彼女は愚かにもパスポートを忘れた。

She behaved foolishly at the party.(これは完全な様態副詞である。= in a foolish manner)
彼女はパーティーで愚かな振る舞いをした。

He angrily tore up the letter.(主語副詞、主語の心的態度)
彼は怒って手紙を破った。

He deliberately misled us.(主語副詞、主語の心的態度)
彼は故意に私たちを欺いた。

She spoke sadly.(これは完全な様態副詞である)
彼女は悲しそうに話した。

/He sadly roamed the streets/Sadly, he roamed the streets/.
悲しくて彼は通りをさまよい歩いた。(主語副詞、主語の心的態度)

Sadly, she is compelled to resign.(これは主語副詞ではなく評価副詞である)
残念なことに彼女は辞職を迫られている。

/He clumsily spilled the beans/Clumsily, he spilled the beans/.
不器用にも彼はソラマメをこぼした。(主語副詞、話し手の評価)

On purpose, he broke the appointment.(主語副詞、主語の心的態度)
彼がその約束を破ったのは故意だった。

She made tea carefully.(これは完全な様態副詞である)
彼女は注意深くお茶を煎れた。

She carefully made tea.(主語副詞、主語の心的態度)
彼女は注意してお茶を煎れた。

[5]副詞の位置まとめ

[5-1]副詞の位置まとめ

①S②AUX③AUX④V⑤O⑥⑦⑧⑨⑩

       必須     基本的    可能

①(文頭)   領域副詞
       発話様式副詞
       法副詞のうち
       maybe, perhaps
             評価副詞
                    法副詞(強調のとき)
                    主語副詞(強調のとき)
                    様態副詞(強調のとき)
                    場所副詞(強調のとき)
                    時間副詞(強調のとき)
                    頻度副詞(強調のとき)

                      ②(主語の後)       主語副詞

③(中位)         法副詞
             頻度副詞
             焦点化副詞
             程度の副詞
                    評価副詞
                    様態副詞
                  (目的語が長いとき)
                    very much

④受動態で過去分詞の前  様態副詞

⑤動詞と目的語の間           程度の副詞
                  (目的語が長いとき)

⑥            様態副詞
             程度の副詞
⑦            場所副詞
⑧            頻度副詞
⑨            時間副詞
⑩            二語以上の副詞句

[5-2]複数の副詞が同じ位置を占めようとするときの規則。
(1)その位置が必須(2)その位置が基本的(3)その位置が可能(4)その位置が不可、を優先順位として、優先されないものは(2)→(3)に移動し、(4)には移動できない。

〇Frankly, he is obviously partial to his men.(frankly は 発話様式副詞で文頭以外は不可。Obviously は法副詞で中位が基本的、文頭が可能)
×Obviously, he is frankly partial to his men.
率直に言って、彼は明らかに部下にえこひいきしている。

They always treated us kindly.(always は頻度の副詞で中位が基本的位置、文頭も可能。kindly は様態の副詞で文末が基本的位置、中位、文頭も可能)
×They kindly treat us always.
彼らはいつも私たちを親切にもてなしてくれる。

[5-3]一般に文頭以外が基本的位置の副詞が文頭に来ると、副詞が強調される。

On purpose, he left his proposal vague.(主語副詞、基本的位置は主語の後)
彼は提案を曖昧にしたが、それは故意だった。

Slowly, carefully, he began dialing.(様態副詞、基本的位置は文末)
彼はダイアルを回し始めた。ゆっくりと注意深く。

[5-4]それに対して、文頭が必須または基本的位置である領域副詞、評価副詞、発話様式副詞と、法副詞のうちの maybe, perhaps が文頭にあっても強調にならない。

[6]接続副詞

[6]他の文、節、句を修飾するとともに他のそれらとの関係を示す接続副詞がある。

She hated the beautiful, therefore, popular lady.(句を修飾し、句と句を接続する)
美しい、だから人気のあるその婦人を彼女は嫌った。

The lady was beautiful. Therefore, she was popular.(文を修飾し、文と文を接続する)
その婦人は美しかった。だから人気があった。

[6-1]接続詞と接続副詞の違い
①接続副詞は接続詞と共起できる。
②接続副詞は二つ以上が共起できる。
③接続副詞は接続詞と比較して文中での位置が自由である。

It's raining, (and) so you'd better take a taxi.①(等位接続詞 and と接続副詞 so が共起)
雨が降っているから、タクシーに乗ったほうがよい。

She isn't pretty, (/and/but/) yet people like her.①(等位接続詞 /and/ but/ と接続副詞 yet が共起)
彼女はきれいでないが、皆に好かれる。

Peace talks between the two countries may fail, but yet, even so, their diplomats have done well, all the same. That is because war may well be preveted.①②③( but と yet の共起①、yet と so と all the same の共起②、all the same の位置が自由③)
それらの二国間の平和協議は失敗するかもしれない。だが、たとえそうだとしても、それらの国の外交官はよくやった。何故なら、戦争を防げるだろうから。

He didn't want to go; /however, he went/he went, however/.③
彼は行きたくなかった。だが、行った。

[6-1-1]従位接続詞の/though/although/と接続副詞のthough。although に接続副詞としての用法はない。although は though より堅く強意的。though には接続副詞としての用法もあり、位置が自由である。

/Though/Although/ he is poor, he is satisfied with his condition.(従位接続詞)=
He is poor. He is satisfied with his condition, /though/×although/.(接続副詞)
彼は貧しいが、自分の境遇に満足している。

[6-1-2]接続詞と接続副詞の連続の例

and yet, but yet, nor yet, and so, and then, but then, or else, and beside, and nonetheless

His story is strange, and yet it is true.
彼の話は奇妙だが、本当だ。

It was late, and so I went home.
遅かったので家路についた。

[6-1-3]接続詞と接続副詞の呼応の例

Although ..., yet ....
If ..., then ....
While ..., ... meantime ....

Although he is poor, yet he is generous.
彼は貧しいが、気前が良い。

If oil is mixed with water, then it floats.
油は、水と混ぜると、浮く。

While I am out, you can meantime do the dishes.
私が外出している間、君は皿洗いができる。

[7]複文の主節の慣用化

[7]複文の主節の中には慣用化して副詞のようになっているものがある。例をいくつか挙げる。

Mind that this is just between you and me.→
Mind you, this is just between you and me.
いいかい、ここだけの話だよ。

You know that it belongs to me.→
It belongs to me, you know.
それは僕のだね。

I'm afraid that I can't help you.→
I can't help you, I'm afraid.
お役に立てず申し訳ありません。

It seems that he is a writer.→
He is a writer, it seems.
彼は作家であるようだ。

I regret to say (that) she is seriously injured.(I regret to say 自体が慣用化している)
遺憾ながら彼女は重傷を負っていると言わざるをえません。

[8]副詞各論

[8-1] very, muchの基本的用法

基本は、veryは形容詞、副詞を前から修飾し、much は動詞を後ろから修飾する。

上は基本である。
他の程度の副詞と同様に文中での much の位置は以下が可能である。

①文末
②強調されるときは中位
③目的語または補語が長いときは動詞とそれらの間

very much について、二語以上から成る副詞句の位置は文末が基本だが、very much に限って上記の①②③が可能である。

[8-1-1]動詞を修飾する場合で肯定文においては much 単独ではなく、very much を用いる。

I like him /very much/×much/.
私は彼がとても好きだ。

I don't like him (very) much.(否定文)
私は彼があまり好きではない。

[8-1-1例外] prefer, admire, appreciate, regret などのラテン系の動詞、exceed, increase, improve, prefer などの比較の意味のある動詞は肯定文でも much を単独で動詞の前におくことができる。

We much appreciate your offer.
私たちはあなたの申し出にいたく感謝しています。

I much prefer this job to the last one.
私は前の仕事より今の仕事の方がずっと好きです。

Old persons much prefer stability to change.
高齢者は変化よりはるかに安定を好む。

[8-1-2] 形容詞の原級、副詞の原級、動詞を除いて、very, much が修飾する語

very は形容詞、副詞の原級だけでなく、それらの最上級、same を修飾する。語順は、the very 最上級、the very same。
much は動詞だけでなく、形容詞、副詞の比較級、最上級、same、句、節を修飾する。語順は、much the 最上級、much the same。the same に much が付くと「ほとんど同じ」とむしろ意味が弱くなる。

It was the very last thing I expected.
それは私が予想だにしないことだった。

There have been three accidents in this very same place.(定冠詞相当語句)
まさにこの同じ場所で三つの事故があった。

They eat much the same thing for breakfast every day.
彼らは朝食にほとんど同じものを食べる。

[8-1-3]叙述用法のみの形容詞は much に修飾される。

She is much afraid of snakes.
彼女は蛇を非常に恐れている。

[8-1-3例外1]ただし、fond は叙述用法のみだが、very が修飾する。

He is very fond of dogs.
彼は犬がとても好きだ。

[8-1-3例外2]叙述用法のみの形容詞で very, much 以外が修飾するものがある。それらは慣用的表現である。

The children are still wide awake.
子供たちはまだぱっちりと起きている。

The children were /fast/sound/ asleep.
子供たちはすやすや眠っていた。

[8-1-4] very, much と分詞。形容詞化した分詞は very が、そうでない分詞は(very) much が修飾する。

He's very much admired by his students.(形容詞化していない)
彼は学生にたいへん敬愛されている。

The children were very bored.(形容詞化している)
子供たちはひどく退屈していた。

[8-1-5] very, much は、the same の他にも likeなどの類似を表す語を修飾する。much the same では「だいたい同じ」の意で類似の程度は小さくなる。the very same では類似の程度が大きくなる。very like, much like では類似の程度が大きくなる。

Her eyes are very (much) like yours.
彼女の目は君のにそっくりだ。

They eat much the same thing for breakfast every day.
彼らは毎日、朝食にほとんど同じものを食べる。

For the very same reason, separations of powers and the rule of law function very much the same way.
全く同一の理由により、権力分立制と法の支配は全く同じように機能する。

[8-1-6] too は、much に修飾される。

This is much too heavy.
それは重すぎる。

[8-1-7]句、節は、much に修飾される。

Much to my surprise, she did it by herself.(句を修飾)
たいへん驚いたことに、彼女はそれを一人でやった。

The operation terrified the communist government much as the German Stuka bombers terrified the populations of Holland and Belgium.(節を修飾)
その作戦は、まるでドイツのシュテューカ爆撃機がオランダとベルギーの住民を怖がらせたように、共産主義政府を怖がらせた。

[8-1-8] different は、普通、very に修飾されるが、much に修飾されることがある。

Dog-sitting is not /very/much/ different from babysitting.
犬を育てることは赤ん坊を育てることとあまり変わらない。

[8-1-9] ところで、so は動詞句を修飾しえるが、形容詞、副詞を修飾するのが一般的であり、動詞句を修飾する so は古めかしい。

Organization of Petroleum Exporting Countries, or OPEC, has so influenced world oil supply and prices for nearly sixty years.
石油輸出国機構、つまりOPECは60年近くの間、世界の石油の供給と価格に大きな影響を及ぼしてきた。

[8-2] justの基本的意味、用法 ①=exactly
②=only
③Just+命令形で口調を穏やかにする。

Just then the phone rang.①
ちょうどそのとき電話が鳴った。

It's just as I /feared/thought/expected/.①
まさに/恐れて/思って/予期して/いたとおりだった。

I am just starving.①
私はまさに餓死しそうだ。

It was just a stupid mistake.②
それは間の抜けた間違いに過ぎなかった。

Just look at this picture.③
ちょっとこの絵を御覧なさい。

[8-2-1] only just で「ようやく」「やっと」の意になる。互いの意味が強まる。

There was only just enough light to read by.
やっと本が読めるだけの光があった。

[8-3]時間を表す now, just, just now

now は現在形、現在進行形で現在を表す。
just は現在完了形または過去形で近い完了または近い過去を、未来形、進行形で近い未来を表す。
just now は過去形で近い過去を、現在形、現在進行形で現在を、未来形、進行形で近い未来を表す。

The bell is now ringing.(現在進行形で現在)
ベルが今、鳴っている。

I have just finished my homework.(現在完了形で近い完了)
私は宿題をちょうど終わらせたところだ。

I just heard the news.(過去形で近い過去)
今そのニュースを聞いたばかりだ。

He is just coming now.(進行形で近い未来)
彼は今すぐに来る。

The water's just about to boil.(未来表現で近い未来)
お湯はもうすぐに沸く。

Where are my glasses? I had them just now.(過去形で近い過去)
眼鏡はどこだ。ついさっきまでかけてたのに。

I am very busy just now. Can I call you back?(現在形で現在)
私は今ちょうど忙しいです。折り返し電話していいですか。

I'll do it just now.(未来形で近い未来)
今すぐにそれをします。

[8-4] already, yet, still

それらの時制、肯定文、否定文、疑問文での使用、文中での位置。

例外はあるが、基本的に、
already は、継続を表す時制、動詞の種類、態、つまり、完了形、進行形、状態動詞の現在形、過去形、動作を受けた結果としての状態を表す受動態で、肯定文で用いられ、位置は中位。
yet は、同上の継続を表す時制、動詞の種類、態で、否定文と疑問文で用いられ、位置は末尾。
still は、完了形を除く継続を表す時制、動詞の種類、態で、肯定文、否定文、疑問文のいずれも可能で、位置は中位。否定文では否定語の前に置く、否定文に関する限りで完了形も可能。

He has already finished the job.(完了形、中位)
彼は既にその仕事を終えている。

She is already dressed.(動作を受けた結果としての状態を表す受動態、中位)
彼女はもう既に服を着ている。

He already knows about it.(状態動詞、中位)
彼はそれについてもう既に知っている。

He hasn't finish the job yet.(完了形、否定文、文末)
彼はまだその仕事を終えていない。

She still looks young.(状態動詞、中位)
彼女はまだ若く見える。

She is still dancing.(進行形、中位)
彼女はまだ踊っている。

Oh, hell, it's still raining.(進行形、中位)
ちくしょう。まだ、雨が降っている。

I still haven't heard the story.(完了形、否定文、否定語の前)
私はまだその話を聞いていない。

[8-4例外1] already についての例外

[8-4例外1-1] already は、文末に置くと強調になる。

I know that already.
わたしはそれを既に知っている。

[8-4例外1-2] already は疑問の内容を真として前提して驚きや思う通りの答えを期待するときや驚きを表現するときには疑問文でも用いる。

She hasn't gone already, has she?(思う通の答えを期待)
彼女はまだ行ってしまってないだろうな。

Have you read this book yet?(単なる疑問文では yet を用いる)
この本をもう読みましたか。

Have you already read this book?(驚き)
この本をもう読んだの。

Have you stopped loving me already?(驚き)
もう私を愛するのをやめたの。

[8-4例外1-3]否定文でも驚きを表す時は already を用いることができる。

I am surprised that Lord St. Simon has not already arrived.
セント・サイモン卿がまだ到着していないことに私は驚いている。

[8-4例外1-4] already は肯定、否定の条件節で用いることができる。それに対して、yet が条件節で用いられるとすれば否定の条件節だけである。

If he has seen it already, tell me so.
彼が既にそれを見ているなら、私に言ってください。

If he hasn't seen it /already/yet/, tell me so.
彼がまだそれを見ていないなら、私に言ってください。

As if I didn't know that already!
まるで私がそのことをまだ知らないかのように言うじゃないか。

[8-4例外2] yet についての例外

[8-4例外2-1] yet は「まだ」という意味で肯定文でも用いることがある。

There is plenty of time yet.
時間はたっぷりある。

[8-4例外2-2] yet は否定の疑問文でいらだちを表す。

Haven't you parted from that violent man yet.
まだあの暴力的な男と別れてないのか。

[8-4例外2-3]否定文における yet の位置が文末なのは原則であって、否定語の後なら中位等にくることがある。

Israel wasn't yet willing to end the war.
イスラエルはまだ戦争を終わらせることに乗り気でなかった。

[8-4例外3] still についての例外

[8-4例外3-1] still は、習慣を表す動作非完結動詞の現在形、過去形で用いられることがある。

John still writes with his left hand.
ジョンはまだ左手で書く。

[8-5] ago, before。

- ago は発話時だけを基準時として過去形だけで用いられる。
- before は過去または発話時を基準時として過去完了形または過去形で用いられる。ago は単独で用いることができない。before は単独で用いることができ、このときは過去形、現在完了形、過去完了形で用いることができる。

You told me that three days ago.(現在が基準時、過去形)
その話は三日前にしてくれたよ。

Last spring, I left the firm that I had joined twenty years before.(過去が基準時、過去完了形、つまり、現在ではなく去年の春から二十年前)
昨年の春、私は20年前に入社した会社を辞めた。

Why didn't you tell me this before?(単独、現在が基準時、過去形)
どうして前にこのことを話してくれなかったんだい。

I've seen you somewhere before.(単独、現在が基準時、現在完了形)
以前どこかであなたに出会ったことがある。

Yesterday I encountered a man who I had seen before.(単独、過去が基準時、過去完了形)
私は昨日、以前に会ったことがある男と出くわした。

[8-5-1] long ago は発話時まで含む時間帯を指しえ、現在時制、現在完了形でも用いることができる。= long since

I have long ago perceived that you are a trifle lame.
君が少し足が不自由なのはずっと前から知っている。

[8-6] once

文頭または中位のときは「かつて」という意味を、文尾のときは「一度」という意味をもつことが多い。

I once knew him, but we are no longer friends.
彼とはかつて知り合いだったが、もう友人ではない。

I have seen him only once.
彼とは一度しか会ったことがない。

[8-7] recently, lately

ともに現在を含む時間帯を指しえ、あらゆる時制で用いられる。

Life isn't treating you very kindly /lately/recently/.
最近、君はあまりうまくいっていないね。

The colonel died quite /lately/recently/.
大佐はつい最近、亡くなった。

I haven't seen them /lately/recently/.
私は最近、彼らに会っていない。

[8-8]副詞 since の意味・用法

①(ever) since の形で完了時制で末尾で、「以来ずっと」変化がないことを表す。
②long since の形で完了時制で中位で、= long ago、「ずっと昔」から変化がないことを示す。
③完了時制中位で、その後に変化があったことを表す。

He caught cold last week and has been in bed (ever) since.①
彼は先週かぜをひき, それ以来ずっと寝込んでいる。

I've long since forgotten any Latin I ever learned.②
私は習ったラテン語をとうの昔にすっかり忘れた。

He lost his job five years ago, but has since found other work.③
彼は五年前に失業したが、その後、別の仕事を見つけた。

[8-9] ever, never の基本的意味用法

①現在形では ever は疑問文または否定文で過去、現在、未来のかなり広がりのある時間にあるかないかを問うまたはないことを表す。
②現在形では never は文を否定文にして、過去、現在、未来のかなり広がりのある時間にないことを表す。
③完了形または過去形では ever は疑問文または否定文で過去から現在までに経験があるかないかを問うまたは経験がないことを表す。
④完了形または過去形では never は文を否定文にして、過去から現在までに経験がないことを表す。

Tell him never to go out alone.②
決してひとりで外へ出ないように彼に言いなさい。

Did you ever see a koala while you were in Australia?③
オーストラリアにいる間、コアラを見たことがありますか。

[8-9-1] ever, never のその他の意味・用法

[8-9-1-1]過去にそうであったから現在もそうであることを示すために過去形と ever を用いる。否定では never になる。

Men were deceiver ever.
男はいつも騙すものだ。

Faint heart never won fair lady.
気弱な男が美女を得たためしはない。

[8-9-1-2] ever は条件節で用いられ、「いつでも」を意味する。否定では never になる。

Do see me if you are ever in Tokyo.
東京にいるときはいつでも、私に会いに来てください。

[8-9-1-3] ever は最上級または原級とともに用いられて「今までに」を意味する。

It was the most beautiful sunset that I //have/had/ ever seen// ever saw/.
それは今まで見た中で最も美しい夕日だった。

上のような主節が過去形の例文で、発話時も含めたい場合は have が用いられる。

He is as clever (a person) as ever lived.
彼は今までの誰にも劣らず賢い。

He worked as hard as ever.
彼は相変わらず懸命に働いた。

[8-9-1-4] ever は比較級を修飾して「ますます」、つまり時間的漸増漸減を意味する。

Brazil and Argentina will play an ever more important role in the United Nations.
ブラジルとアルゼンチンは国連でますます重要な役割を果たすことになるだろう。

[8-10] quite

[8-10-1]①程度をもたない形容詞、副詞、動詞を修飾すると「全く」を意味する。②not quite は程度をもたない形容詞、副詞、動詞と用いられ、「完全に~なわけではない」= not completely, not exactly。程度をもつ形容詞を修飾すると、③程度をもつ形容詞を修飾するときは、米では=very、④英では「まあまあ」。⑤ quite が修飾する形容詞が名詞を修飾するときは、/quite+a/a+quite/+形容詞+名詞の順。quite a の語順のほうが好まれる。

You are quite wrong.①
君は全く間違えている。

I quite understand.①
よく分かりました。

I don't quite agree.②
完全に賛成とはいきません。

He is /quite an unusual/a quite unusual/ man.③⑤
彼はとても変わった男だ。

It is quite good, but it could be better.④
それはまあまあだが、もっとよくなるはずだ。

[8-11] fairly の意味用法

①good, nice, wellなどの良い意味をもつ形容詞、副詞を修飾して、その意味を弱める。
②fast, slow, hot, coldなどの善悪について中立的な語を修飾して、その意味を良い意味で強め、是認を表す。それに対して、rather は悪い意味で強め不満を表すことがある。
③bad, badlyのような悪い意味をもつ形容詞、副詞と用いることはできない。

This is a fairly good dictionary.①
これはまあまあの辞書だ。(大変良いとは言えない。)

This soup is fairly hot.②
このスープはほどよい熱さだ。

This soup is rather hot.
このスープは熱すぎる。

I did /rather/×fairly/ badly in my exam.③
私は試験のできがかなり悪かった。

[8-12] rather の意味用法

①通常、悪い意味をもつ形容詞、副詞、動詞を修飾し意味を強める。
②善悪について中立的な形容詞、副詞、動詞を修飾すると、その意味を悪い意味で強め、不満を表す。
③良い意味をもつ形容詞、副詞、動詞を修飾すると、意味を強める。
④ alike, like, similar, different, 比較級の前に置いたときは、a littleの意味になる。

He is fairly clever, but she is rather stupid.①
彼はまあまあ賢いが、彼女はかなり愚かだ。

It's rather cold.②
かなり寒くて困った。

I rather like Tom.③
私はトムがとても好きだ。

I feel rather better today.④
今日は少し気分がいい。

[8-13]副詞の pretty は意味的に very と等しいが、肯定文で用い、疑問文では肯定の答えを期待する。

"Is he pretty smart?" "Of course."
「彼はずいぶん頭がいいだろうね」「もちろんさ」

[8-14] only, simply, merely, just

only分かり易く質素にexactly
only
simply
merely
just

It's /only/simply/merely/just/ a cold.(only)
ただの風邪だ。

Try to express yourself more simply.(分かり易く)
もっとわかりやすく自分の考えを述べるようにしなさい

She is simply dressed today.(質素に)
彼女は今日は質素な着こなしをしている。

The post office is just down there.(exactly)
郵便局はすぐ先です。

[8-14-1] only に続く名詞は単数形と限らない。

Amid the anti-Soviet fervor of the time, they became the only spies ever executed in peacetime America.
当時の熱烈な反ソ感情の真っただ中で、彼らは平時のアメリカにおいて処刑された唯一のスパイになった。

[8-15]副詞の the same。形容詞、代名詞の same と同様に the は省略されることがある。

Animals feel pain /(the) same as we do/in (the) same way as we do/.(一番目は副詞、二番目は形容詞)
動物は私たちと同じように痛みを感じる。

I watched at the gate, same as you advised, Mr. Holmes.
あなたの助言の通り門を見張っていました。ホームズさん。

“What an ass!”“Same to you!”(代名詞)
「なんてばかなんだ」「同じことを君に言える」

[8-16] there, here。以下の①②がある。

①be動詞とともに純粋な存在を示す there。There be S という特殊な文型を構成する。
②「そこに」「ここに」という意味の here, there

There is nothing /there/here/.(一番目の There は①、here 二番目の/there/here/は②)
/そこ/ここ/には何もない。

[8-16-1] here だけの文でも、疑問文に変えると ①の there が出現することがある。

Here is a key.→ /Is there a key here/Is a key here/?
ここに鍵がある。→ここに鍵がありますか。

[8-16-2] There be S 構文は There be S 分詞 の形をとることがある。これは特殊な文型である。

There is a car coming up the hill.
丘を車が登ってくる。

There was no grass growing in the garden.
庭には草は生えていなかった。

[8-16-3]②の there, here が文頭に来ることがある。主語が代名詞を除く名詞の時は動詞→主語の倒置が生じる。

There goes another hope of winning.(倒置)
また勝つ見込みがなくなった。

Here comes our bus.(倒置)
バスが来たぞ。

Here I am.(代名詞では倒置は生じない)
ただいま。

[8-17] almost と nearly

ほぼ同意同用法だが、nearlyは /any/no の付く代名詞と none の前では用いない。否定形の動詞句の前では両方用いることができる。

/Almost/×nearly/ no one believed his prophecy.
ほとんど誰も彼の予言を信じなかった。

He /almost/nearly/ didn't keep his word.
彼はほとんどいつも約束を守らない。

[8-18]否定文で否定を強調する副詞

否定語とともに用いられて、否定を強調する語としては、least, at all, whatever, whatsoever など多数ある。

[8-18-1] least. ①それ自体が否定語となって否定を表す場合、②他の否定語ととともに否定を表す場合、③二重否定になって肯定を表す場合がある。

I like English least of all.①
英語が一番きらいだ。

I don't have the least idea.②
ちっともわかりません。

I am not the least worried about her health.②
私は彼女の健康のことなんかちっとも心配していない。

Prices have gone up, not least because of the increased cost of production.③
少なからず生産費用の上昇のために物価が上がった。

[8-18-2] at all. 否定文だけでなく疑問文、条件文でも使われ、それぞれ、否定、疑問、仮定を強調する。

I can recall the story vaguely if at all.(条件文)
思い出せたとしても曖昧にしか私はその話を思い出せない。

Will you do it at all?(疑問文)
いったい君はそれをするつもりがあるのか。

[8-18-3] whatever。関係代名詞、関係形容詞、疑問代名詞、疑問形容詞としての用法の他に、no+名詞、not...any+名詞の後で副詞として使われ否定を強調することがある。

Do whatever you like.(関係代名詞)= Do anything (that) you like.
何でも好きな事をしなさい。

Stay calm whatever (no matter what) happens.(譲歩節を導く関係代名詞)
どんな事が起ころうとも落ち着いていなさい。

She gave me whatever help I needed.(関係形容詞)
彼女は私に必要な援助はどんなことでもしてくれた。

Whatever person told you that story, it cannot be true.(譲歩節を導く関係形容詞)
どんな人がその話をしたとしても,、それは本当であるはずがない.

Whatever do you means?(疑問代名詞)
それいったいどういう意味。

Whatever food can you have?(疑問形容詞)
いったいどんな物なら食べられるんだ。

I have no doubt whatever that she is innocent.(副詞)
彼女が潔白であることに何の疑いも抱いていません。

[8-18-3-1] whatsoever。これは関係詞や疑問詞としての用法はなく、否定を強調する副詞でしかない。

These vegetables are grown without using any chemical insecticides whatsoever.
これらの野菜は化学殺虫剤を一切使用しないで育てられている。

[8-19] kind ofの副詞的意味用法。「一種の」「~のような」。修飾する語の前に置く。

I kind of thought this would happen.
こんなことになるだろうと薄々思っていた。

[8-20]副詞的に用いられる分詞。多数ある。以下は一例に過ぎない。慣用的に限ら分詞が限られた形容詞を修飾する。

/boiling/burning/baking/scorching/ hot
うだるように暑い

perishing cold
凍てつくほどに寒い

sopping wet
びしょ濡れだ

一歩先を行く英文法トップページ   COPYRIGHT(C)2000 OUR-EXISTENCE.NET ALL RIGHTS RESERVED