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形容詞

[1]形容詞総論

[1-1]形容詞の発音

[1-1-1] 名詞+ed で終わる形容詞の ed の発音は通常、[id]である。

one leg → one-legged(片足→片足の), rag → ragged(ぼろ切れ→ぼろぼろの、ぼろを着た), wretch → wretched(気の毒な人→気の毒な)

[1-1-2]過去分詞由来で完全に形容詞化した形容詞で ed の発音が[id]になることがある。

例えば、「~歳の」という意味の aged は完全に形容詞化しておらず過去分詞的であり、語尾の発音は[d]、「老いた」という意味の aged は形容詞化しており[id]。

a man aged [d] 40 (years) = a 40-year-old man
40歳の男

die aged [d] forty
40歳で死ぬ

my aged [id] father
老いた私の父

an aged [id] society
高齢化社会

blessed(神聖な), cursed(のろわれた), learned(学識のある), naked(裸の), wicked(邪悪な) の語尾の発音は[id]

[1-2] many, much, far は、否定文、疑問文の中で使われる場合、主語を修飾する場合、修飾語が付く場合を除いて通常使わない。代わりに a lot of, a long way などを用いる。

I see /a lot of/△much of/ her.
彼女にはよく会う。

The station is /a long way/△far/ from here.
駅はここから遠い。

Many people think so.(主語を修飾)
そう思う人は多い。

The station isn't far from here.(否定文)
駅はここから遠くない。

Is the station far from here.(疑問文)
駅はここから遠いですか。

You have gone too far.(修飾語が付く)
君は度を過ごしたね。

[1-3]目的語をとる形容詞がある。like, unlike, worth, near などである。 前置詞とされることもある。比較級をもつ点では形容詞的である。SVCA文型とも考えられる。

I felt like laughing.
私は笑いたいように感じた。

I came near being killed.
私たちはもう少しで死ぬところだった。

He is nearest me in age.
彼は私に一番年齢が近い。

He is more like his mother than his father.
彼は父親より母親に似ている。

Your method is more worth consideration than mine.
君の方法は私のより考慮に値する。

Who comes nearest him in wit?
機知の点で彼の次に来るのは誰か。

[1-4]前置詞句を付加語(修飾語だが省略不能で不可欠であるもの)としてとる形容詞がある。SVCA文型である。sure, certain, fond, aware, aghast, free, exempt, etc.

I am very fond of her in some ways.
私はいくつかの点で彼女が大好きだ。

These goods are exempt from tax.=
These goods are exempted from tax.
これらの商品は免税品です。

[1-4-1]前置詞句がthat節になると前置詞は省略される。疑問節になると前置詞復活、省略の両様がある。

I'm sure of his success.
=I'm sure (that) he /will succeed/has succeeded/.
彼は成功/する/した/と私は確信している。

He was well aware of the danger of second-hand smoking.
=He was well aware that second-hand smoking /is/was/ dangerous.
彼は二次喫煙の危険をよく認識していた。

I am well aware that there is no hope of success.
私は成功の見込みがないことをよく認識している。

She is not aware (of) how dangerous it is.
彼女はそれがどれだけ危険かを知らない。

[1-4-2]動詞由来の形容詞では動詞で使用されていた前置詞がそのまま使われることが多い。

Many nations will prefer joining an alliance to standing alone.→
For many nations joining an alliance is preferable to standing alone.
多くの国家は孤立するより同盟に加入することを好むものだ。

上の例文では動詞における目的語が主語になり、付加部がそのまま残っている。つまり、SVOA文型がSVCA文型になっている。

[2]限定用法⇔叙述用法、制限用法⇔非制限用法、後位用法

[2-1]限定用法と叙述用法の違い。

限定用法は名詞を直接的に修飾する。叙述用法は補語または同格語として名詞を説明する。

        位置    意味

限定用法   名詞の前  通常、持続的な属性
叙述用法   名詞の後  一時的な属性、持続的な属性の両様

I am very tired after my long journey.(叙述用法、一時的属性)
私は長旅の後でとても疲れている。

She is a clever girl.(限定用法、持続的属性)
彼女は賢い女の子だ。

She married a rich businessman.(限定用法、持続的属性)
彼女はお金持ちの実業家と結婚した。

He is tall, dark and handsome.(叙述用法、持続的属性)
彼は背が高く髪は黒くてハンサムだ。

a lost purse(限定用法、持続的属性)
無くした財布

×a found purse(一時的属性なので、限定用法不可)

[2-1-1]叙述用法の機能的分類。ところで、省略しえる補語を「準補語」と呼ぶ。

①主格補語
②準主格補語
③目的格補語または小節の中の述部
④準目的格補語
⑤後位用法(形容詞が名詞句の後ろに置かれる)

He /died/married/ young.②
彼は若くして/死んだ/結婚した/。

She sat silent.②
彼女は黙って座っていた。

I found the book very interesting.③(小節の中の述部)
その本はとてもおもしろかった。

He pushed the door shut.③(準目的格補語)
彼はドアを押して閉めた。

He ate the meet law.④(準目的格補語)
彼はその肉を生で食べた。

[2-2]形容詞が名詞句の直後に置かれる、つまり、後位用法にされる場合

①形容詞が、句として二語以上から成るとき
②/some/any/every/no/+/body/one/thing/whereを修飾するとき
③形容詞が、-able, ibleで終わるとき
④形容詞が、叙述用法でしか使用できないとき
⑤場所や時の副詞が形容詞的に用いられるとき
⑥外国語の語順を基にした語句

I know a man suitable for the job.①③
私はその仕事に適した人を知っている。

This is a custom peculiar to this country.①
これはこの国に特有の習慣です。

There is something comical about him.②
彼にはなんとなく面白いところがある。

Is there anywhere good where I can stay?②
どこか私が泊まれるいいところがありますか。

It's the only solution possible.③
可能な解決法はそれだけだ。

The child asleep is his only son.④
眠っている子供が彼の一人息子です。

the school here⑤
こちらの学校

The people /outside/upstairs/⑤
/外の/二階の/人々

The meeting yesterday⑤
昨日の会合

hold a court martial⑥
軍法会議を開く

from time immemorial⑥
大昔から

the Secretary General⑥
事務総長

the body politic⑥
統治体

God almighty⑥
全能の神

the President elect⑥
大統領当選者(次期大統領)

[2-3]限定用法だけの形容詞

①名詞が指すものの全体の他のものに対する関係を述べる形容詞

very, exact, particular, general, same, main, chief, prime, principal, sole, only, single, mere, sheer, total, outright. etc.

She couldn't believe that it was sheer coincidence.
彼女はそれがまったくの偶然の一致だとは信じられなかった。

Outright winners behave themselves moderately.
完勝した者は控え目に振る舞うものだ。

②名詞から派生した形容詞

medical, criminal, atomic, southern, polar, urban, etc.

a polar bear
ホッキョクグマ(シロクマ)

I do not like urban life.
私は都会生活は好きではない。

③副詞から派生した形容詞

the present chairman
現議長

the /former/late/ president
前大統領

the previous night
前の晩

a hard worker
よく働く人

④比較級最上級から派生した形容詞

an elder brother
兄(英)

an inner pocket
内ポケット

the outer world
外界

her former self
以前の彼女

an utter stranger
全く知らない人

the uppermost floor
最上階

the utmost limits of the land
国の最果て

⑤enで終わる形容詞、ただし、en で終わる過去分詞由来の形容詞を除く。

earthen ware
陶器

⑥文から臨時で作った形容詞

The radio and television were ringing with the Novel-Prize-declining Russian novelist
ラジオとテレビは例のノーベル賞を断ったロシアの小説家のことでもちきりだった。

He gave her his best you-can-trust-me smile.
彼は彼女にボクは信じれるよというような微笑みを精一杯送った。

[2-4]叙述用法だけの形容詞。一時的な属性を表し、持続的属性を表さない。

[2-4-1]接頭辞 a-の付く形容詞。a+名詞由来のものと、それ以外の由来のものがある。

He keeps aloof from the outer world.(a+名詞由来)
彼は外界との係わりを避けている。

He was /fast/sound/ asleep.(a+名詞由来)
彼は熟睡していた。

Pity is akin to love.(a+名詞由来)
哀れみは愛に近い。

I am not alone in this opinion.(all lone 由来)
この意見をもつのは私だけではない。

I am not averse to political topics.(ラテン語由来)
政治的話題は嫌いではない。

[2-4-1-1(例外)]形容詞を副詞が修飾すると限定用法になりえる。

a somewhat afraid soldier
いくらか怖がっている兵士

a fast asleep child
ぐっすり眠っている子供

a wide awake child
目をパッチリ覚ましている子供

[2-4-2]副詞からの転用で健康の良否を表す形容詞。

He felt /ill(英)/poorly(英)/unwell/well/.
彼は気分が/すぐれなかった/よかった。

The woman is sick.(これは副詞からの転用でない)
その女性は病気だ。

the sick woman(これは副詞からの転用ではなく限定用法が可能)
その病気の女性。

I /feel/am being/ sick.(これは副詞からの転用でないが、吐き気がするという意味では叙述用法のみ)
私は吐き気がする。

結局、sick は限定用法でも叙述用法でも使える。

[2-4-3]その他

The planetarium is worth /visiting/a visit/.
そのプラネタリウムは訪れてみる価値がある

In winter we are liable to catch cold.
冬になると我々はかぜをひきやすい。

These goods are exempt from tax.
これらの商品は免税品です。

それらの形容詞は目的語または付加語を必要とする。worth は目的語をとる形容詞とも前置詞ともとれる。

[2-5]限定用法と叙述用法で意味が異なる形容詞

My late father was a music teacher.(限定用法で「故~」)
亡くなった父は音楽教師だった。

the late President(限定用法で「前~」)
前大統領

Spring was late (in) coming that year.(叙述用法で「遅い、遅れた」)
その年は春の訪れが遅かった。

I was twenty minutes late for school.(叙述用法で「遅い、遅れた」)
私は学校に二十分遅刻した。

What is your present address?
今はどこに住んでいますか。

狭義の「現住所」は、one's /current/home/ address である。

He was present at the party.(叙述用法で「出席して」)
彼はパーティーに出席していた。

He is an able engineer.(限定用法で「能力のある」)
彼は有能な技術者だ。

He is able to speak Italian.(叙述用法で「~する能力がある、~する可能性がある」)
彼はイタリア語を話すことができる。

I heard it from a certain man.(限定用法で「ある~」)
私はそのことをある人から聞いた。

Are you certain of that?(叙述用法で「確かで」)
そのことは確かなのか。

[2-6]限定用法⇔叙述用法と制限用法⇔非制限用法の違い。制限用法も非制限用法も限定用法に属する。制限用法は後続する名詞の意味を制限するのに対して、非制限用法は後続する名詞の意味を制限しない。形容詞制限用法が関係詞制限用法で書き換えられるのに対して、形容詞非制限用法は関係詞非制限用法で書き換えられる。

The industrious Dutchman is highly paid in this company.(制限用法)=

The Dutchman who is industrious is highly paid in this company.
その勤勉なオランダ人はこの会社で厚遇されている。

つまり、オランダ人が全般的に勤勉だとは言っていない。それに対して、

The industrious Dutch are highly paid in this company.(非制限用法)=
The Dutch, who are industrious, are highly paid in this company.
一般にオランダ人は勤勉なのでこの会社では厚遇されている。

Come and meet my beautiful wife.(非制限用法)
美しい妻に会いに来てください。

つまり、妻が何人もいて、そのうちの美しい妻と言っているのではない。

Here comes a fat old lady.(制限用法)
太った老婦人がやって来る。

つまり、老婦人のうち太った老婦人と言っている。

[4]限定用法における形容詞の語順

[4-1]語順の基本

all/both/half
冠詞・冠詞相当語
序数詞
基数詞・不定数詞
狭義の形容詞
 抽象的属性
 寸法
 年齢・温度
 形状
 色彩
 分詞形容詞
 出所
 材料
名詞の形容詞的用法
主要語
後置修飾語

[4-2]限定用法において形容詞が二つ以上付く場合の句読法。

①前述の「狭義の形容詞」の異なるカテゴリーに属する形容詞が二つ以上付く場合は通常、andもコンマも要らない、またはコンマで区切ってもよい。ただし、色彩、出所、材料を表す形容詞を除く。

two large(,) oval mirrors
二つの大きな楕円形の鏡

a enormous(,) steaming pressure cooker
巨大な湯気を立てる圧力鍋

some attractive(,) round(,) black beads
いくつかの魅力的な丸い黒いビーズ

②前述の同一のカテゴリーに属する形容詞が二つ以上付く場合は必ず以下のようにする。色彩、出所、材料を表す形容詞はandで結ぶ。それ以外はコンマで区切る。

You stupid, unthinking, irresponsible, reckless idiot!(抽象的属性)
間抜けで、考えのない、無責任な、向こう見ずな馬鹿め。

a blue and yellow flag (色彩を表す形容詞)
青と黄色の二色旗

a red, white and blue flag (同上)
赤、白、青の三色旗

[5]動作形容詞

[5]通常の形容詞は人間の動作の属性を表せても、動作そのものを表さない。それに対して、be+形容詞の形で人間の動作を表せる形容詞がある。例えば、

Be kind.

は親切になりなさいというより、親切な動作をしなさいと言っているのである。そのような人間の動作そのものを表しえる形容詞を「動作形容詞」と呼べる。

[5-1]動作形容詞には以下の文法的特徴がある。

① be+形容詞の命令文になれる。
② being+形容詞の形の進行形になれる。
③ do, do so で受けることができる。
④ 主語副詞を伴うことができる。
⑤ to be 形容詞がSVOC文型のforce型の補語になれる。

×Be tall.(通常の形容詞)
Be careful.①
気をつけろ。

×She is being tall.(通常の形容詞)
She is being careful.
彼女は注意深く振る舞っている。②

What he did to please me was to be generous.③
私を喜ばせるために彼がしたことは気前よくすることだった。

I tried to be cheerful, because he told me to do so.③
私は陽気に振る舞おうとした。何故なら彼がそうするように言ったからだ。

He was deliberately rude.④
彼はわざと失礼なことをした。

I forced him to be careful.⑤
私は彼に注意深く振る舞わせた。

You're being crazy.②
何を馬鹿なことをしてるんだ。

You're being absurdly dramatic.②
何を大げさなことを言っているんだ。

[5-2]名詞についてになるが、ここで述べる。名詞の中には動作形容詞と同様に、be+a+名詞の形で人間の動作を表し、上の①から⑤の属性をもつものがある。bore, fool など。

Don't be a fool.①
馬鹿げたまねはやめなさい。

Sorry, am I being a bore?②
ごめん、退屈なことを言っているかい。

You are being a real bully again.②
また、弱いものいじめをしている。

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