『生存と自由』抜粋2

  自由権と社会権を擁護または保障するために存在、機能する必要がある権力を「公権力」と呼べる。公権力は国家権力、立法権、行政権、司法権、地方自治体、軍、警察、検察を含む。また、自由権を擁護するために存在、機能する必要がある武力を「公的武力」と呼べる。公的武力は軍と警察を含む。また、少なくとも立法権、行政権、司法権、公的武力を含む公権力の複合体を「国家権力」と呼べる。また、国家権力、それが管理を主張する一定の領域、それが少なくとも自由権と社会権を擁護または保障するべきその領域に存在し機能する個人と集団、彼らが形成する政治、経済、社会、文化、その領域の中の他の生物を含む自然を「国家」、「国」…などと呼べる。この著作では通常、国家という言葉を用いることにする。
  公的権力以外の権力を「私的権力」と呼べる。利潤の追求が必須である権力を「経済的権力」と呼べる。そのほとんどは私的権力だが、公共企業もあり、中間もある。また、公的権力を獲得するための私的権力があることは認めざるをえない。そのような私的権力は、むきだしの権力闘争を勝つための武力を含むことがあり、選挙に勝つための資金や人脈、世論を操作するための手段を含むことが多い。公的権力と公的権力を獲得するための私的権力を「政治的権力」または政治権力と呼べる。政治的権力と経済的権力は癒着し、汚職を生じることが多く、全体破壊手段または大量破壊手段の開発・製造を含む軍拡、戦争、弾圧、独裁…などを生じることがある。また、権力を保持し権力を振るうことができる個人または集団を「権力者」と呼べる。